二度と会えない
3月、日本の学校では卒業式が行われる。
卒業式が終わると、大体の人とは離れ離れになる。
しかし、現代では本当の意味で二度と会えないってことは少なくなったのではないだろうか。
SNSが広く普及した今となっては、遠くに住んでいる旧友や恩師とも繋がってさえいれば近況を知ることができるし、連絡をとれれば会うこともできる。
また、卒業後も機会を作れば顔を合わせられる。実際、サークルのOBOGとは何度か会っている。
だが、どれだけインターネットが普及しようとも、二度と会えない人はいるみたいだ。
筆者は今年成人式を迎えた。
成人式というと、それに付属するように同窓会がある。筆者も小学校から高校までの集まり全てに顔を出した。
小学校の頃仲良くしていた子が姿を現さなかった。
当時は内気な性格だったので、同窓会みたいな集まりを好まないことは察せたが、それでも寂しいという気持ちは変わらなかった。
帰省中、彼女の家の近くを通ることがあった。1度立ち止まったが、引っ越していたらどうしよう、忘れられていたらどうしようなどという感情が邪魔しついにインターホンを押すことができなかった。
今でもあの子がどうしているのか考えてしまう。
また、中学高校とそれぞれお世話になった部活の顧問がいる。二人とも散々迷惑をかけたから、もし会えたならちゃんと挨拶して近況を…と思ったが、中学の頃の顧問は転勤し、アクセスできる場所とはいえ遠くにいらっしゃるし、高校の顧問は…新任の年に3ヶ月しか部活にいなかった私を覚えていらっしゃるか不安だったし、連絡先もわからないからどうしようもなかった。母校にはいらっしゃるようだからなんとかして会いたいと思っている。
今回は親友と先生をピックアップしたが、他にも会えなかった人はいる。
インターネットが普及した世の中とはいえ、二度と会えない人って一定数いるみたいだ。
だから後悔しないために一緒にいられるときに恩を尽くせとか、連絡先交換しろとか、そういうことではない。本当に会いたい人に会えないもどかしさって、離れて、時間が経ってから気づくようだ。