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ミズーリ州セントルイス
年末急遽予定が空いて、行ったことがなくかつ寒すぎないところという理由でセントルイス(St. Louis)に行ってみる事にしました。セントルイスはミズーリ州の主要都市で、東側イリノイ州との州境にあります。市の人口は約30万人、都市圏では3百万人弱の人口の中堅都市です。
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セントルイス連邦準備銀行やバドワイザーでお馴染みアンハイザーブッシュなどのイメージがあり、洗練された文化都市を期待していたのですが、ダウンタウンや空港周りは民度低め。車を運転してれば必要以上に煽られるし、街では車道の真ん中で停車して後続の車に娑婆の人間は公共の場では口にしないような言葉を絶叫しているババアがいたり、ガッカリ感強めでした。どうやら全米有数の犯罪都市の様です。天候が曇りがちでスッキリしなかったことも印象を悪くした一因かもしれません。
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セントルイスの観光でまずリストに挙がってくるのがゲートウェイアーチ。ミシシッピ川沿いの記念公園に1965年に建設された192メートルある建造物。美しい曲線が街の景色に彩りを添えています。私は遅い時間に行って満員だったのですが、トラムで上まで登る事もできるようです。アーチの地下にはビジターセンターがあり、セントルイスの歴史の展示やお土産物屋さんがあります。お土産は可愛いデザイン豊富でレベル高めでした。
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もう一つのオススメはフォレストパーク。1876年からある、1,300エーカーもある巨大な公園。公園内には、動物園、ゴルフコース、池、スケートリンク、科学館、美術館、歴史館があり、気候が良いときは外でイベントがあったりピクニックを楽しむ人で溢れる様です。私は今回美術館に行きました。セントルイスは公営の美術館や動物園などが無料なところが多いようです。無料でも他の都市の美術館に負けないレベル。素敵な昼下がりを過ごし、民度の低さによって荒んだ心を浄化してくれました。街の南側、西側が治安が良い綺麗なエリアとの事でした。
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食事はあまり探索せず普通にタイ料理を食べてしまったのですが、Delmar Loopという地域はポップな感じの通りで感じの良いレストランが多々ありました。その通りにあったアジア料理のBlue Oceanというレストランの看板のカタカナが「ブルーオーツヤソ」になっていて、惜しいわねって思いました。
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世界をリードする企業があり、巨額のインフラ投資をする力があり、主に白人と黒人の多人種社会で、治安は悪め、他国の文化をあまり深く理解する気はない、という、日本人が思い描く90年代や2000年代頃のベタなアメリカ像を体現するような印象の都市でした。私が住んでいる街とは色々違って面白かったです。
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そんな一方で、日本に10年間住んでいたセントルイス出身の子と知り合いました。今まで会ったアメリカ人の中で一番と言って良いほど日本語が上手で、東京文化にどっぷり浸かって楽しんでいたようでした。私の生まれた国の文化を、うわべだけでなく理解した上で好きになってくれた人が、このセントルイスにいることを嬉しく思いました。
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2000年代感漂うアメリカを感じた旅でしたが、何故その空気が前面に出てきているのか、また2020年代を生きる人々はこの街のどこでどの様に生きているのか、興味をそそられる都市です。ちょっとレトロなアメリカを感じてみたい方にはオススメの場所です。