この世界は感謝すべきことで満ちあふれている
災害時対策用として、お水のペットボトルを、ローリングストックとして購入している。いつも、500ml24本入りのケースを2ケースづつお願いしているのだ。
大きなボトルではなく500mlサイズなのは、仕事でも遊びのお出かけでも、とにかくお水のボトルを持ち歩く習慣があるのだが、マイボトル(水筒)の重量が辛いから。夏場なら、1日3本持ち歩くので。
先日も、前回と同じ販売業者さんに注文を入れたら、宅配業者さんが変わっていた。そんなこともあるよね、とあまり気にしていなかったのだが、配達されたお水の置き場に、思わず絶叫してしまった。
まさかの、マンション別棟にある宅配ボックスに入れられていた。
たとえば、再配達をお願いしたくせに不在だった、とかなら、この仕打ちは理解できる。実際、郵便受けに入っていた「不在連絡票」には「再配達の不在時には、基本置き配します」と書かれていた。
だけど、初回配達時、私はずっと在宅していたのだ。インターホンの音は鳴らなかったし、履歴を調べてみても、その日は誰もインターホンを押していなかった。
つまり、その宅配業者さんは在宅確認もせず、ハナから宅配ボックスに荷物を投げ込んだというわけだ。
これ、宅配ボックスから出したところで、どうやって家まで持って上がれっちゅうねん! ・・・と途方に暮れてしまった。その日は休日だったので、とりあえず翌日に、管理人さんにお願いして台車をお借りしよう、と決めて、表面上は怒りをおさめることにした。
しかし翌日、職場でボスとお昼ご飯を食べていたとき、どうにも思い出されて、ついつい愚痴ってしまった。
だけど、このボスが、いろいろ面白いというか興味深い方でね。ちょうどこの件があった時期に、南海トラフ地震に関連がありそうな地震が続いていたのだけど、
「私も、昨年夏に、南海トラフ地震臨時情報が出たでしょう? あのタイミングで、ちょっと備蓄食料を買っておこうと思ったんやけど、あのときはずっと品切れで、納品は3ヶ月先になりますって言われててん。
それはしゃーないなーって思ってたのを、先週くらいに急に思い出して、今やったら買えるんちゃうかと思って注文したら、すぐに届いてん。
届いた直後から、また怪しい地震続いてるから、このタイミングで買えて、ホンマにありがたかったなーって思ってる。」
とおっしゃる。
お水の置き場にブチ切れた私、なんだか恥ずかしくなってきた。今、このタイミングで、お水を届けていただけたのは、奇跡だったかもしれないのだ。
まぁ、件の業者のやり方は、ちょっとどないやねんという思いもあるけれど、まずは感謝することから始めたほうが、自身の精神衛生上もいいよな、と思う。
帰宅後、管理人さんに事情を話して台車をお借りした。無事、お水のケースを自宅へ持ち帰ることができて、まずは安堵。
「ホンマ、助かりました! ありがとうございました!」
と台車を返しに行ったら、
「いつでもお待ちしております!(笑)」
と満面の笑顔で返された。
この世界は、感謝すべきことで満ちあふれていると思った。