はだしの底力
一昨日、あまりの暑さに負けて、とうとう「はだしで」出勤してしまった。
・・・いえいえ、一応、トング型のサンダル(アイキャッチ画像参照)は履いていったよ?(笑)
職場の人に何か言われるかなぁ、とか若干ドキドキしながらだったけど、結論としては、無問題。涼しいし、めちゃくちゃ履き慣れてるサンダルなので、動きやすくて最高!
でも、こんな素敵な履き物なのに、昔からさまざまな職場で「NG」と言い渡されてきた。今日は、そんな過去を振り返ってみる。
脱靴(だっか)証明もってこい! (昭和)
高校卒業後すぐに就職した私、その夏にいきなり「なんじゃその足元は! どうしてもサンダル履きたかったら、脱靴(だっか)証明もってこい!」と怒られた。
まあ、着任3ヶ月ほどで、いきなりサンダル・・・しかも、先述のトング型サンダル(素材が違えば、ビーチサンダルに見えんこともないしな! 笑)で出勤した私も、なかなか根性すわってんなとも思うけど。
「脱靴証明? なんじゃそら??」
19歳になったばかりの私には、それが何なのかがさっぱりわからない。でも、怒ってるオヤジ社員に聞いたところで、まともな答えなんて得られないだろうと思い、比較的やさしいおじさまにたずねてみた。
「ああ・・・それね、靴を履くと病気が悪化するから、職場で靴を脱がせてくださいって、上司にお願いするために出してもらう、皮膚科の診断書のことや。」
病気? 皮膚科の診断書??
「平たくいうたら、水虫証明や!」
み、水虫証明ですと〜〜!?(驚愕)
たかだかサンダル履くためだけに、なんでそんなもん出さなアカンねん。当時の私の時給、590円やぞ。医者にかかって、診断書もらうのに、どんだけかかると思ってんねん! ってゆーか、水虫じゃなかったら、全部無駄金になるやないか!
・・・というか、もちろん、水虫にかかってないほうがいいに決まってるんだけど。もう少しで変な流れに飲み込まれるところだった。
当時のこの職場は、完全なる「男社会」だった。私の仕事は、まず毎朝社員全員にお茶を淹れること。しかも、それぞれ好みがあって「あの人は砂糖抜きのコーヒー」「この人は梅昆布茶」・・・めんどくさいったらありゃしない!
でも、逆もしかり。かわい子ぶってさえいれば(笑)わりと楽に働けた。ので、少し考えて、私は大好きなトング型サンダルを、華奢なミュールに替えた。診断書代よりはるかにお安い、1980円のヒール付ミュールを買ったのだ。
効果はテキメン(笑)。
「おや、そのサンダル、女の子らしくて可愛いねえ。」
などと褒められるようになった(爆笑)。おーい。脱靴証明は要らないんでございますか〜〜?w
そうなのだ。要するに、怒ってたオヤジ社員は「我が社唯一の若い女子社員が、可愛くないカッコをしていること」が許せなかっただけなのである。
お局様はバックストラップがお好き (平成初期)
先の経験から、逆に「女性職場」なら、トング型サンダル履き放題なのではないか? と考えた私。ミュール履いてかわい子ぶってる女より、トング型サンダル履いて、要するに「自分のライバルにはなり得ない」ブス女のほうがウケがいいんじゃないか、と。
ところがここでも、新たな敵が登場する。いわゆる「お局様」だ。
だけど、敵というのはちょっと違うかな。このお局様は、若い女子たちをいじめるために「サンダルはダメよっ!」などとおっしゃる方ではなかった。ベッタベタな表現をすると、
「若い娘さんは、それなりの美しい装いをして、良い縁談に恵まれてほしい。それが私の幸せなのよっ!」
ってな感じの、むしろ聖母的なおばさまだったのである。
トング型サンダルを履く私に、このお局聖母様は、
「サンダルがね、悪いわけじゃないと思うのよ? だけど、せめて、バックストラップが付いていたら、華奢なくるぶしも映えたりなんかして、女性らしさがアップすると思うから、そういうサンダルに替えてみたらどうかしら〜?」
仕事上でもいろいろ助けていただいていたし、アドバイスに悪気は微塵も感じられなかったので、ここでは私も「バックストラップ付き」のサンダルに身を落とすことにした(苦笑)。
工場に潜むプラスティックコンテナの功罪 (平成後期〜令和)
これがもう、8年くらい前の話になるかな。仕事内容的には、今の仕事に一番近い、いわゆる「ピッキング」の仕事だった。
この職場では、途中でブランクを挟みながらも、コ口ナ禍の中でも働かせていただいた。とにかく「ピッキング」という作業が大好きだったので、すごく機嫌よく働かせていただいてた期間だと思う。
現場には、大量の段ボール箱と、大量のプラスティックコンテナ。当時は、このプラスティックコンテナのことを、どんなに乱暴に扱っても変形したりしないし、まっすぐに積み上げられるしで大好きだった。
だけど、このプラスティックコンテナがあるが故に、現場は「サンダル禁止」だった。
そのコンテナを「足の上に落としたら」とか考えると、そりゃ仕方ないなと思う。
段ボール箱オンリーの現場、中身は布類のみ! (現在)
さて、今の職場。大好きなピッキング作業に明け暮れている。(週3日だけど。笑)
現場は段ボール箱まみれで、積み方によっては型崩れを起こしていたりして、たまに「プラスティックコンテナ」を懐かしく思うこともある。
だけど、段ボール箱は、身体に当たったとしても、なんとなく柔らかいのがいい。仮に足元に落とすことがあったとしても、トング型サンダルでも怪我はしないと思う。
かれこれ半月ほど働いてみて、そもそも段ボール箱を足元に落とす危険性は、限りなくゼロだと感じている。
しかも、万一落としたとて、箱の中身は「オール布製品」なのだ。怪我をする理由が、まったくもって見当たらない。
おそらく、だからこそ、今回私が「トング型サンダル」で出勤したことは、問題視されていないのだろうと思う。
そもそも、江戸時代の人足さんたちは、かなりの重労働を「草履」履いてこなしてるよね?
基本的には、この草履型の「トング型サンダル」履いていれば、どんな仕事だってこなせるんじゃないか? と私は思っている。
こんな動きやすい履き物、ちょっと他にはないと思うな。
見た目にモニョる方もいるかもしれないけど、特に高温多湿な日本の夏を乗り越えて、作業効率もあげたい! ・・・ならば、草履とかトング型サンダルを履くのが早道だと、私は思う。
はだしの底力を、各自体感してみたらいいのに、と心から思う。
さ、今日も、トング型サンダルで出勤だ!(笑)