kintone保育業務改善~まずは園児マスタから始めよ
園児の姓が変わる問題
エクセルで園児名簿を管理していた私にとって、最も管理が面倒だったのが、《園児の姓が変わる問題》であった。
保護者の結婚や離婚などで、子どもの姓が変更になると、園児の名簿も変更になる。
姓の変更が、エクセルの1シートの、当該園児の姓(ふりがな)のみを変更するだけで事足りれば、こんなに面倒なことにはならない。
保育園は、園児に関して、ありとあらゆる紙書類を出力するため、エクセル1シートの変更では済まないのである。
また、園児の姓の変更だけでなく、《園児の入退園》があるごとに、名簿を差し替えなければいけなくなる。
新園児1人を追加し、退園児1人を抜いて、全員そろって、一つの園児名簿が完成する。
・園児名簿
・出席簿
・保育日誌
・児童票
・行政に提出する園児名簿
・園児問診票(園児健診/歯科検診)
・代金請求書
その他様々な出力書類・・・
それぞれが別のワードやエクセルで管理されていると、もう修正は面倒臭さのエンドレス地獄。
どのファイルまで修正したか分からなくなり、修正漏れも当然、出て来る。
「助けてドラえも~ん!」
ドラえもんに泣きつく我らが等身大のヒーロー、のび太くんの気持ちがよく分かる。
園児名簿の姓変更や入退園が年度内に複数出て来ると、徐々にファイルが乱立してくる。
変更前と変更後の両方のファイルを残すことにした。
ファイル名に編集日付などを記録し、最新版が分かるようにする。
しかし、それでも間違えて修正前のファイルを開いて使ってしまったりもするのである。
ジーザス!
もう、私ったら、どうしようもないわ。
思わず、自分自身に叱咤する。
誰か私を助けて・・・
夜の窓辺にたたずみ、祈るように星空を眺めていた私の元に、kintoneの女神(きとみ姫)が天使の羽を広げて舞い降りて来た——
なんて冗談はさておき、業務改善したいという意欲に満ち満ちた私が血眼になって保育ICTについて調べている中で、私の理想とする、kintoneという便利な物があると知り、使うことになったのである。
園児マスタの管理
最初は、すんなりと出来た。
入園、卒園日、登園(在園)・卒園などの状態、姓名(ふりがな)、性別、クラス、生年月日、住所、保育時間の種類などを入力する。
住所変更や保育時間、姓の変更前の古い情報も残すように特記フィールドも作る。
しかし、ここからが問題であった。
兄弟の管理はどうするのか。
保護者情報も園児マスタに入れていいのか。
年度毎にクラスやアレルギー情報が変わったりするのは、どうすればいいのか――。
諸問題が噴出して来たのである。
分割管理の妙技
これを解決したのは、園児の名簿を、①年度版と②マスタの2種類にすること、③保護者名簿、3つのアプリを作ることであった。
それぞれの名簿については、今後のnoteで詳しく解説するつもりだが、アプリを分けて管理することで、次のメリットが生まれた。
保護者名簿を作ることで、保護者NOをもとに、兄弟児紐づけ管理ができ、兄弟児の紐づけ管理が出来ることで、関連レコードで表示できるようになったのである。
また、園児名簿を年度ごとで作ることで、1歳児クラス時代の情報、2歳児クラス時代の情報と、年度で分けて管理が出来ることから、特定の年度での園児情報を取り出すことが出来る。
年度別管理——これは4月~3月という、年度という枠組みで動く保育園にとっては、非常に重要な管理方法である。
年度園児名簿は、それぞれの年度の情報(履歴)を参照することができる。
これは、園児の育って来た道筋、成長過程や保育経過などを書き記した「児童票」の役割を果たす。
試行錯誤の果てに、既存の保育ICTに近い使い方を、kintoneによって実現したのである。
ちなみに、園児の名簿をどのように出力するのかは、また別のnote記事でお話ししよう。
編集後記
最後までお読み下さり、ありがとうございました。
このnote記事は、保育園関係者のみならず、保育園にkintoneを展開させたい、開拓したい、とお考えの全国のシステム関係の方々に向けて書いています。
保育園の業務改善で何が困っているのか、そして、保育園でのkintoneのニーズについて捉えることができれば、必ず、保育園のkintoneユーザーは増えていくと確信しています。
保育園だけでなく、認定こども園、幼稚園、児童デイ、放課後等デイサービス、その他事業所でも、同様の悩みを抱えているはずです。
皆が総じてkintone業務改善によって、少しでも楽になることができれば。
私にとって、これ以上幸せなことはありません。
さて、次の記事は「我が愛しの関連レコード」にしようかなぁ・・・
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