1年を振り返る~kintone保育業務改善の2022年
早いもので、2022年の年の暮れである。
思えば、今年はkintone hiveに登壇したり、kintoneにのめりこんだ濃厚な年であった。
今回は、私の取り組んだkintone保育業務改善について、振り返っていきたい。
kintone hive 2022 fukuoka 登壇
保育現場で運営に従事する私が、kintoneを使うだけにとどまらず、使用事例発表会である「kintone hive」になぜ登壇することになったのか。
登壇が決まってから、苦闘する日々を綴った記事についてはこちら。
実際の登壇内容についてはこちら。
kintone hive登壇直前、雨の中でおじいさんを助けた話。
困った人を見ると、とっさに助けようと動いてしまう。お陰でずぶぬれになった。
登壇後の反応~Twitter
登壇後、ツイッターでは様々な反応をいただいた。
実況中継のようなリアルな熱気が伝わってくるツイート&まとめ。
キンスキ松井様。
さらにレポート記事。
ジョイゾー様。
アスキー様の記事。
登壇当時、年度初めの業務で非常に忙しかった。
原稿作りからシナリオ暗記まで、まるで引き渡し直前の建設現場のような鬼気迫る追い込みで乗り越えたため、kintone hiveに登壇したという実感を噛み締めることは出来なかった。
後に、Twitterの反応を見て、「私、本当に登壇したんだ」「登壇内容がちゃんと伝わったんだ」と知ったのである。
今となって思うと、kintone hiveに登壇する「衣装」を準備しておけば良かった、と思いたくなったが、後悔先に立たず。
亡き母が生きていたら、絶対「あんた、少しは良い格好すれば良かったのに・・・」と嘆いたことだろう。
まあでも、仕方ない。これが「私」なのである。
これが私——"This is me."
思わず、映画『グレイテスト・ショーマン』でキアラ・セトルが歌う楽曲を思い出す。
これが「私」なのである。
「ちっちゃいことは気にするな それ ワカチコ ワカチコ!」
思わず大声で言いたくなった。
登壇後の反響~リアル
「リアルで見たよ!」とYouTubeのライブ配信を観たと報告をされたのは、他の保育園の園長先生1~2人ほど。
その方々以外の保育関係者からは感想などは全く聞かれなかった。
取引のある業者さんが、「kintone hiveに出ました? 同じ名前の人が出ているんですけど、親戚ですか・・・?」と探りを入れつつ聞いてくる始末。
他人の空似を疑われるくらい、私の登壇は全く知られていないのである。
保育園の保護者については、特に告知をしていなかったこともあり、私がkitone hiveに登壇したことは、全く知られていない。
kintone hive登壇をアピールすべく玄関に置いた、オブジェ。
悲しい哉、誰からも反応がない。
さりげなく、サイボウズのカレンダーを置いてみたものの、これも注目されることは無かった。
kintoneの浸透はまだまだである。
他業種にkintoneをプレゼンする
さて、kintone保育業務改善をともに構築してくださったパートナー企業であるオフィスシステムプロダクト様は、ホームページで、保育園のkintone導入の取り組みを紹介して下さった。
9月、上記ホームページをご覧になった企業様から、保育園に直接連絡があり、「kintoneについて詳しく話を聞きたい」というオファーが入った。
保育業界に対してkintoneについてのプレゼンをしたことも一度もないのに、まさか、他業種に対して、kintoneをプレゼンをすることになろうとは、夢にも思ってはいなかった。
他業種の方に対して、kintoneのパンフレットを示しながら説明をする。質問を受けると、具体的な改善方法について提案する。
相手がどこを知りたいと思い、どこを知らないのか、手探りをしながら、分かりやすく、具体例を交えながら説明する。
プレゼンが終わると、相手の方に「kintone愛が伝わってきた」とまで言わしめることができた。
しかし、目的は「私のkintoneへの愛」を示すことではなく、他業種の方がkintoneを導入するための現実的かつ具体的な改善の道筋の提案であった。
果たして、このプレゼンが良かったのか、失敗だったのか、未だに不明である。
kintoneについてのプレゼンは、この時のたった1度だけではあったが、私の中で、「みんなkintoneでつながっている」という、稀有な実感をもたらしてくれた。
共通言語はkintone——
大企業から中小企業まで、さらには保育園までが便利なツールとしてkintoneを使っている。
知っているだけで、つながることができる。
凄いツールに出会うことができた、とつくづく思う。
2020年、コロナ禍が始まった時に、kintoneの案内を見て、「これだ!」と閃いた、あの直感に間違いは無かったと感じた。
kintoneプレゼンで感じた知識の浅さ
他業種の方にプレゼンをしながら、自分のkintone知識の底の浅さを痛感した。
kintoneを基礎から学ばなければいけない、と痛感した。
kintoneアソシエイトの勉強を開始した。
しかし、さも共通理解のように書かれているIT用語の多くを、私は理解していなかった。
kintoneアソシエイトを学ぶ前に、IT知識を身につけなければいけないと思い、ITパスポートの勉強をし始めたが、全く身につかない。
さらにもっと、基本的なIT用語を知らないのである。
これなら司法試験の勉強のほうが良かった——と愚痴をこぼす。
そりゃあ、隣の芝生は青く見えるのである。
そもそも、IT関係のあらゆる部分について、それがなぜあるのか、なぜ必要なのかが、私は一ミクロンも知らなかった。
法律を立法趣旨から学ぶように、IT基礎の基礎から知らないと、かなり深手になりそうであった。
kintoneアソシエイトを学び始めた私の前に、大前提のIT知識という、大問題がそびえ立った。
文芸ホームページをHTMLタグで作れる程度の浅い知識では、所詮、太刀打ちできないのである。
こうならヤケだ。
できんもんは、できん!
kintoneアソシエイトの勉強はひとまず倉庫に片づけて、ITの基礎の基礎の勉強から取り組もうと考えるに至った。
kintone保育業務改善のその後
kintone hiveでは、今後の見通しについて説明をした。
画像中央にある、「支援センターと図書の運用」
これらを今後取り組むと説明をした。
そして、実際に取り組みは進んでいる。
図書貸出受付
上記のnote記事は図書の取り組みである。
図書係の先生との共有がスタートし、順調に貸出受付が進んでいる。
たった3か月で1200冊の貸出である。
年間5000冊近い貸し出しを可能にするのは、kintoneのお陰に他ならない。
図書の先生とのkintone共有化では、図書の先生に最初に貸出受付の流れを説明して、使いながら不明なところを聞いてもらうようにしたため、共有化はスムーズであった。
今では、図書係の先生が一人で貸出受付を回している。
私の手を完全に離れたお陰で、私は他の業務に専念することができた。
これは大きな業務改善であった。
支援センター
子育て支援センターのkintoneについては、note記事としてはまだ書くに至っていないが、共有化が進んでいる。
利用者マスタ、利用受付アプリ、どちらも支援センター担当の先生が入力を担当し、完全に私の手を離れている。
私は分からない時に説明に入るくらいである。
これも私の手を離れたお陰で、私は自分自身の業務に専念することができた。
大きな、大きな、力強い一歩である。
kintone保育業務改善の未来
保育業界に関しては、既存の保育ICTがひしめき合っている。
園バスの中に園児を置き去りする死亡事故の痛ましい事故のニュースもあり、登降園システム導入のニーズは確かに強い。
だが、登園・降園のチェックは、やはり最後に必要なのは、目視による確認である。
ヒューマンエラーも確かに怖いが、デジタルエラーはもっと怖い。
二重、三重の目視による確認は、確実な安全に直結する。
アナログの重要性を残しつつ、デジタルを最大限活用するために、kintone保育業務改善は存在する。
アナログとデジタルを共存させた、kintone保育業務改善は、先駆性な価値さえあると私は自負している。
保育運営をしながら、あれもこれも、とkintoneを触らない日は一度も無いのが、その証拠である。
kintone保育業務改善の、その先
さて、kintone保育業務改善のその先であるが、保育の計画・記録をkintoneで取り組みたいという目論見がある。
私の頭の中にある、kintone保育業務改善マップが完成に向かって動き出している。
目標は、もちろん——
今のところ、私しかkintoneで保育業務改善をガッツリ取り組んでいる人はいないらしいので、このノウハウを広く保育業界の人たちに伝えていき、やがて行政連携につなげていきたい。
来年のhiveもある
既に次回の登壇募集も始まっている。
kintone活用は「すごくなくていい」と言われる。
この言葉に現わされるのは、実践の身近さと、アイデアの芽である。
既に大きな大輪もあれば、実もあり、ずっしりと太い幹もある。
若葉もあれば、脇芽もある。
100社あれば100通りの業務改善がある通り、kintoneに関する大小様々な知恵とアイデアが、誰かの気づき・ヒント・アイデアになる。
hive登壇によって、誰かの実践が、誰かのヒントになるのである。
興味ある方は、ぜひ。
2023年の目標
kintoneに関して、来年の目標について考えてみる。
kintoneを用いた保育日誌・計画
kintoneで保育日誌と保育計画をどのようにフォーマット化するかは、保育業務改善の中でも最大の課題である。
kintoneで構築してきたデータを、最終的には保育要録として出力して使えるようにするためには、園児情報の何が必要で、どのように紐付け、配置するのが適切か。
この際、kintoneで構築した保育日誌・保育計画のフォーマットは、保育・幼児教育の専門家によって監修される必要がある。
ここで、私の大学院卒というキャリアが活きてくる。
なぜなら、私が今年春に修了した大学院は、児童学研究科、児童学専攻、保育学分野。
kintone保育日誌・計画を監修するなら、私の修めた専門の本丸なのである。
だから、監修を私自身でできる。
裏付けのエビデンス論文を探すのも容易。
「保育要録で記入が必要な園児の育ちについて、kintoneの保育日誌では、保育所保育指針における乳児保育の3つの視点あるいは幼児教育の5領域、幼児期の終わりにまでに育って欲しい10の姿を含んでいて――」とか、解説ができる。
いやー出ていて良かった大学院。
kintone保育日誌・計画が完成すれば、kintone保育業務改善としてのパッケージ化しての売り出しは可能である。
これは保育現場で綿密に作り込んだkintoneである。
保育現場のニーズには充分に応えている。
既存の保育ICTで不足している柔軟性、「あれがあればいいな」が、kintoneなら全部揃っている。
2023年は、これらの保育日誌・計画を、素案段階まで作り上げるのが目標である。
kintoneコミュニティへの参加
Twitterでは細々としたやり取りをさせていただいているが、本格的なコミュニティ参加には至っていない。
kintone Café沖縄を立ち上げてみたいという野望はあるもののが、そもそも保育運営業務が忙し過ぎて時間的な余裕がない。
華やかな舞台——Cybozu Days。Cybozu Circus。
Twitterで見る限り、盛り沢山の情報で、イベント特有の楽しそうな雰囲気が伝わってくる。
喉から手が出るほど行ってみたいが、いかんせん行く時間が全くない。
保育運営は多忙すぎで時間がないんだ、ママン!
この忙しさだと、恐らく一生行けないだろう。
1回でもオンラインでもいいから、コミュニティの何かに参加したい、それが私のささやかな2023年の目標である。
kintoneミステリ
kintone知識は浅いのに、元々が作家志望というだけあって、創作執筆したいという欲求だけは強い。
思いついたら、書き出してしまう。
呼応する形で、kintoneミステリーが紡ぎ出されていく。
46u様。
kintoneミステリを考えていると、ふと、ネットの創作文芸の仲間たちと、「リレー小説」「掲示板小説」などで盛り上がった時代を思い出した。
あれは確か――2000年少し後。ネット黎明期。
もう20年も前になる!(少し驚愕)
ちなみに、「松本清張のような社会派ミステリーを書きたい」と言ってはいるものの、実際に社会派ミステリーを書いている訳ではない。
創作アカウントで書いていたのは、恋愛ミステリー、ホラーミステリー、社会派ミステリー、SF、ショートショート、エッセイ、ドラマ脚本。
社会派ミステリーを含み、ジャンルを問わず、何でもあり。
書きたいものを書く。
思いついたものを書く。
脳内のビジョンを、他者とイメージ共有できるように書く。
できるだけ、読み手の感情を揺さぶるものを。
作者の狙い通りの感情の揺れを読者に与えられたら、作家冥利に尽きるというもの。
ちなみに、私の尊敬する3大作家は、紫式部・江戸川乱歩・手塚治虫。
日本の創作文芸の源流、「祖」となるお三方である。
私のとってミステリは、江戸川乱歩の影響が強い。
江戸川乱歩風のkintoneミステリを書く。
2023年の目標にしよう。
このためには、まずkintone知識を身につけなければ・・・
編集後記
kintone hiveに登壇して実生活で何か変化はあったか、というと、特に何も変わっていない。
しかし、忘れられないほどの、登壇の経験は、非常にエキサイティングであった。
大舞台で17分間しゃべり倒すプレゼンする。
登壇までの準備は非常に大変であったが、楽しさ・ワクワクが共存していたため、辛さは全く無かった。
(大学院の口頭試問のストレスとは大違い)
また機会があれば登壇したい。
本気で思うのである。
1人でも多くの保育園や児童福祉関係者に、kintoneの素晴らしさ・便利さが伝わりますように。
そう願わずにはいられません。
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