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先生が迎えに来てくれて、

小学五年生の頃。登校時間が過ぎてもお腹が痛くて自分で学校に電話をした。親は仕事でいなかった。よくあることだった。いつもならすんなり休めるのに、その日は折り返し電話がかかってきた。担任からだった。お母さんはいる?いないのね。今から迎えに行くから準備をして待ってなさい。嫌だった。お腹はさらに痛む。私の家は当時小学校のすぐ側にあった。傘をさして先生はやってきた。お腹痛いし学校に行きたくないし先生は怖いしで私は泣きじゃくっていた。いくわよ。と先生が言うので私はランドセルを背負って泣きながら家を出た。傘もちゃんとさした。
「どうして学校に行きたくないの?」ときかれた。飲み込んだ、色んな言葉を。一番言いたかったのはあなたが嫌いなんです!でも言えるわけなかった。とにかく泣いた。先生は黙ったままの私をおいて歩き出した。私もトボトボ後ろを着いていった。お腹はまだ痛いのに。学校に着くと、先生がもう痛くないでしょ?と自信満々に聞くので、はい、と答えるしかなかった。
登校しぶりのある子を迎えに来てくれる先生は熱心で良い先生だとみんな言う。私はほっといて欲しかった。本音を言えないような問い方をされるくらいならほっといて欲しかった。感謝の気持ちは薄く、とにかく迷惑をかけている申し訳なさと、惨めさがあった。あと少しの恨みのような気持ち。
学校に行きたくなかった。
大人になってもう学校に行かなくていいんだ!って年に何回か思う。いやPTAとかで行くんですけども。学校が嫌いになってるので行くたびに気が滅入っている。メンタル弱っ!


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