憧れの女の子の話
こんにちは。いかがお過ごしですか?
今日は明戸の憧れの女の子について書きます。
長くなると思うのでゆっくり読んでくださいね。
何年前だったでしょう。4年くらい前だった気がします。4月。
高校からの友人に誘われて池袋のメイド喫茶に行きました。メイド喫茶と言っても、萌え萌えきゅん!って感じのメイド喫茶ではなくて、制服がロングメイド服の喫茶店という方が正しいと思います。
そのお店はものすごく紅茶が本格的で美味しくて、ケーキも美味しくて、静かで、まさにオアシスと言っても過言ではないでしょう。ゆったりと時間が流れていくように感じました。
次に足を運んだのはそう遅くなかったと思います。
運命の変わった5月。
忘れもしない5月。
お店の扉を開くと、〝研修中〟の名札をつけた背の高い新しいメイドさん。
目を奪われました。一目惚れと言ってもいいです。初めての気持ちでした。これが憧れと言うものか。と。
まだ初々しいながらに美しい立ち居振る舞い。鈴のなる様な凛とした澄んだ声。後ろでお団子にした艶やかな黒髪。まさに理想通り。私が思い描いていたメイドさん。
人見知りな私がお店を出るときに『あの…、ファンになっちゃいました。…これからも頑張ってください』と言うと、とってもびっくりした顔をした後に花が綻んだ様ににっこりと笑いかけてくれるのでした。
『初めて言われました…ありがとうございます』
あの時の笑顔がずっとずっと忘れられずにいて、それから何度も何度もお店には通いました。
お店を出るときにする他愛のない話。
それにどれだけ救われたかな。と今でも思っています。
気がつけば2年も経って。
『卒業します』とTwitterで報告されたときは本当に涙が止まらなかったのを覚えてます。
卒業の日当日。
私は仕事が19時まであって、終わった後1時間ちょっとかけて池袋に向かいました。
残念ながらテーブルの予約が取れなかったため、遠くから顔だけでも見れたらいいや。と思ってお店の前に行くと、ドア越しにその子と目があったんです。
正直運命感じました。いいえ、冗談です。
あの時と同じびっくりした顔をして勢いよく扉を開けて私に飛びついて来たのをずっと忘れられません。
6月の生温い風、ジメジメとした梅雨の匂い。ふわりと香る紅茶の匂い。
2人でお店の前で抱きしめあって子供みたいにボロボロ泣いて。
遠い昔なのに、昨日のことのよう。その日以来あの子には会えてません。もちろん会えるなんて思っていないけれど。
ステンドグラスのような扉を開くと、凛とした立ち姿と、花が綻んだような笑顔。後にも先にもこんなにも綺麗だと思った女の子はいません。
大きな瞳、ぷっくりとした涙袋が本当に愛しくて、大好きでした。
いつまでも私の憧れで、私の大好きなメイドさん。
他の人が見たら笑われてしまうかもしれないけれど、私の人生を大きく変えてくれた人の1人です。
またいつかお会いできることを祈って。
カンナの花言葉は「情熱」「快活」「永遠」「妄想」
そろそろ紙面が尽きてしまいました。それではまた。
明戸かなめ
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