ヘラクレス・エクアトリアヌス WD~拒食幼虫の飼育記録
※当時のメモや画像を参照して書いた記事になります。
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WDペア購入~ペアリング
2015/07/14
ネット注文して到着
学名:Dynastes hercules ecuatorianus
サイズ:♂132mm ♀65mm(20g)
産地:エクアドル ナポ県 イスラ・アナコンダ
販売店:ランバージャック
価格:¥148,000(税込・送料無料)
オキシデンタリスから5か月後、エクアトリアヌスも購入しました。
第一便を知った時には既に売り切れていたので、2回目の入荷を予約して待っていました。
今までに10万円を超える虫を買ったのはこの1回だけです。今後もきっとないと思います💦💦
注文してから届くまでいつもより緊張して待っていました💓
到着後、♂は少し元気がなく大人しかったです。
♀はとても元気で物音に敏感で、カナブンのようにすぐ走り回って転んでいました。
産地の詳細に関して、同地のロッジのウェブサイトで紹介されていたので抜粋します。
現地の写真を見ると、まさに熱帯雨林のジャングルといった風景で観光ツアーも行われています。
当時のショップ説明によれば近くの有名産地プエルト・ミサウアリより標高200mほど下った場所だそうです。
高標高だとエクアとリッキーが両方生息しているので自然交雑があり得るようですが、イスラ・アナコンダは標高が低くエクアのみ生息しているそうです。
2015/07/15
一日経って♂も元気になったのでハンドペアリングしてみると、割とスムーズに成功しました。交尾時間は約70分でした。
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産卵セット~割出
2015/07/16
産卵セット
ケース:セパレートケース大
マット:マスターズBeetleマット(ダイナステス マスターズ廣島)
8割くらいまで固く詰めました。♀はすぐに潜って行きました。
2015/07/19
早速ケース側面に卵1つ発見🙌
期待が高まります。
採卵・孵化
結果を一覧にしました。
回数 日付 採卵数→孵化数 です。
1 07/26 16→13
2 08/05 18→15
3 08/15 12→12
4 08/25 9→8
5 09/05 10+潰れ1→5
6 09/15 8+潰れ1→2
7 09/27 21→8
8 10/07 15→9
9 10/17 2+潰れ4→1
合計 採卵111個+潰れ6個 孵化73匹
文句なしの結果です🎉👏
♀親は9月下旬からフセツに異常が出始め、最後の採卵の翌日に死亡。食事以外はひたすら産卵に集中していました。
♂親は9月頭に死、交尾はセット前の1回だけでした。
ちょうど中間辺りから孵化率があまり良くないですが、これは仕方のないことだと思います。
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幼虫飼育
記事タイトルに書いてあるとおり、ここで大問題が発生します…
いわゆる拒食症です😱😱😱
2015/12/13
これは最後9回目採卵分のうち1匹だけ孵化した個体をボトルへ移した時の様子で、フンがたくさんあるのが分かると思います。
この時点までに2齢で3匹死んでいて、計70匹になっています。
全部羽化までは飼育しきれないので10ペアほど手元に残すことに決めました。
来年の春になってから出品すれば雌雄判別ミスも死着の心配もないし、ちょうどいいなと思っていました。
2016/01/11
1,2回目採卵分の27匹を一斉にマット交換
♂最大76gと♀最大50g
ここでもまだ拒食症状は出ておらず、ごく普通に順調に育っているように見えます。
発症
2016/02/10
2016/02/21
3~5回目採卵分のマット交換
最初に異変に気づいたのはこのタイミングです。
本来なら雌雄で明確に体重差が出てくる頃なのに、みんな揃って30g前後しかありませんでした。
しかし、まだこの段階では温度が低めで成長が滞っているのかもと考えていました🤔
2016/03/11
1,2回目分の交換
1月の交換から増えてはいます。だけど普通だったらこんな微増ではないはず。
2016/03/23
ついに死亡個体が出ました。
4回目分の3匹がマット上で死んでいるのを見つけました。
これは様子がおかしいと思ってネットで調べて、初めて拒食症の存在を知りました。
原因不明、回復手段無し、死亡率ほぼ100%、などネガティブな情報しかなくて一気に落ち込みました😵
2016/03/26
急遽3~9回目分のボトルをすべて掘り出して確認したところ、マットにフンが全然なくてすべて拒食症になっていることが判明しました😨
こちらが拒食になった幼虫の姿です。
皮膚にハリ・ツヤがありません。縮こまっていてほとんど動かず、一言でいえば元気がないです。
対策
とりあえずダメ元でやれることはやろうと思いました。
拒食症の原因としては飼育環境、マット、バクテリア、細菌やウイルス、病気など様々考えられます。どれか一つとも言えないでしょうね。
まず良好なバクテリアによるマット環境と体質の改善を目指しました。
ちょうどこの時にレックスゾウカブトやヘラクレス・オキシデンタリスのWF1幼虫飼育をしていて、こちらは何も問題なく健康に育っていました。
そこでこれらの使用済みマットやフンを潰して混ぜ込みました。
後々マット自体も変更して3種類使いました。
同時に約半数を個別飼育から多頭飼育に切り替えました。
あとは当時まだ販売されていたFe3+という飼育専用の抗菌剤も試しました。
希望
上記対策の効果があったのかどうか分かりませんが、数g~10g程度体重が増えた個体もいました。
ただ、どれも一時的で通常のようにそのまま成長を続けるということはなかったです。
結局ほとんどの幼虫は痩せていき、20g位まで落ちると生命の限界のようで次々死んでいきました😭
発症確認から半年で生存個体は半分ほどになりました。
そんな中でも2回目採卵分の幼虫だけはそれなりに体重をキープできていて、多く生き残っている状況でした。
おそらく拒食になる前に結構大きく育っていたからだと思います。
2016/05/18
2016/09/15
体重は減りすぎず成熟も進んでいたので、これは羽化までいけるんじゃないかと望みを持ちました✨
2017/01/11
ついに♂1蛹室作成
もう生き残りは8匹のみ
2017/01/30
蛹室の位置が悪いため人工蛹室へ
♀1も続いて蛹室作成中
結末
2017/02/15
上記♂が★に…
2017/03/12
♀も前蛹で★
2017/04/08
最後に残っていた6匹をチェックすると、すべて幼虫のまま変色して死んでいました。
残念ながらこれで73匹全滅☠️しました。
どんなに小さくても羽化できればと思っていましたが、やはり栄養不足なのか蛹化できる力はなかったようです。
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飼育を終えて
WDだから成虫がすぐ死ぬとか有精卵を産まない等のリスクは覚悟して買いましたが、幼虫とれたらもう大丈夫だと思っていました_(:з)∠)_
完全にやられました😵
3齢になるまで全然分からないのが怖いですね…😱
ちょっと心残りがあるのは、長期間マット交換を控えるグループを作ってみればよかったと思います。
もし早めに初2齢のうちに販売して他の方が飼育していたらどうなっていたのかも気になります。
拒食症になる個体を売らずに済んで正解だったのか、拒食にならずちゃんと成虫になれたのか、謎のままです。
親は黒点やスジがほとんどない綺麗なペアでした。
発色も良くてエクアらしさが出ているイエロー系🍋だと思います。
本当にこのペアの子を残したかったです(´・ω・`)
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
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