終活っていつからやっておくべき?
両親は今のところ健康だ。
父親は定年退職後、引きこもって某韓国ドラマばかり見ていたら、足腰が弱り、これではいけないと散歩に励み、友人に誘われ、軽作業のアルバイトに出かけるようになり、今のところ心配はない。
母親は定年退職後、庭仕事やらよくわからない籠を編んだりと体も手先も動かしている。
しかし、いつ何があってもおかしくないので、そろそろ銀行口座とか保険とかまとめておいてよ、と言ってはあるが、知らんぷりされている。
わたしも危機感があまりないので強くは言えないし。
そんなこんなで早5年。もうさすがに不味い、とわたしが先陣を切る事にした。
一冊のノートに銀行口座、保険などを書き出し、暗証番号も書いた。どんな保険に入っているか、入院なら1日いくらか、手術ないくら書き出し、もし自分に何かあってもよいように、手続きもあれこれすませた。
株の取引もしているから、IDとパスワードも書いた。
銀行の自動引き落としや、クレジットの引き落としも書き出した。
友人関係に連絡する為にSNS系のID、パスワード。
ついでにありとあらゆるIDとパスワードも書き出した。
筆がのって高額家電の購入時期や金額まで書き出した。
両親にどや顔でこういうノート作ったから!と見せるとちょっと引いていたような気がしたけど、妹は何か思う事があったようで、妹もノートを書き出した。
やはり口で言うだけより、実際に自分から行動にうつした方が分かりやすいのだろう。
妹とは数年前から、親戚関係の付き合いとかそろそろ引き継ぎしないとね、と話していた事もあるが、行動はなかなかうつせなかったから。
このノートは数年に一度、書き直した方がいいだろうし、これがもし盗難にあったりしたら、キャッシュカードを盗まれるよりもまずいので、取り扱いも慎重にしなければいけないけど、書いた事により、自分の資産を正しく残して、正しく誰かに引き継いでもらえたらと思う。
存在を知らなくて相続されなくて国に没収されるのだけは避けたい。
昨年、2020年。わたしの周りで3人の方が亡くなった。
内2人は病院で。残りの1人は自宅で。
不謹慎な話だが、病院で亡くなった2人の後片付けが正反対だった。
両方共、長く入院されていた。
片方は入院中から既に家族によって大半のものが片付けられていた。まだ新品の衣類は嫁の立場の人の実姉の近所に住む人の遠くに住んでいる家族へ送られた。赤の他人どころか存在さえお互い知らないだろう。
全てきっちりと何もかも終わらせていた。
もう片方は亡くなってから片付けに追われ、もうすぐ1年になるが、まだ片付けている。
大量の箱が見つかり何が入っているか確かめてみると、また箱で。まるでマトリョーシカのようだ、と話していた。そういうものでいっぱいだそうで、資源ゴミ回収では出しきれないから、地域の回収所へ通っているようだ。
前者と後者どちらがよい?と聞かれても困る。
あまりにも極端で。
なのでわたしはある程度迷惑かけない位に物を減らしておきたいと思っているし、面倒そうな解約手続きは自分でやった方がまだマシなのでやっておく。銀行口座も減らしたし、定年退職したら、もう一つ減らすつもりだ。
そして、わたしが死んだ後、片付けの労力に値する以上の資産を残しておきたい。
因みに残りの自宅で亡くなった人は、1人暮らしだった為、銀行関係と印鑑が探しきれなくて、片付けと処分に業者さんに来てもらい、一緒に探したそうだ。
無事に見つかったようで安心しているし、それなりにお金があったのでホッとしているが、後から借金が発覚したらどうしよう、と思っている。
残された人が少しでも楽が出来るように、それが終活ならば、終活のスタートは早い方がいいんじゃない?と思う。
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