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悪役

ふと気づきました。
母は妹を溺愛するあまり、代理ミュンヒハウゼン症候群に罹っていたのではないかと。


代理ミュンヒハウゼン症候群

代理によるミュンヒハウゼン症候群とは、子どもに病気や障害があるように見せかけ、献身的に看病することで周囲の注目を求めようとすることです。虐待の1つであると考えられており、母親が加害者となる場合が多いことが知られています。

            Medical Noteより


妹は、未熟児で生まれたため、母は妹を丈夫にするため毎日のように妹に卵を食べさせたと言っていました。
そのせいか、妹は幼稚園に上がる頃にはかなりの肥満児となっていました。
何でもよく食べる妹に、母は欲しいままに食事を与えていました。
対して私は食が細く、かなり痩せていました。
きょうだいとは思えない体格の差。
母は痩せて気難しい私よりも、ぽっちゃりとしておおらかな妹の方を可愛がっていました。
他人にも、「妹は明るくて優しい子だけど、姉は陰気で気難しい」と言っていたようです。
母がそういう目で見ていることで、子供の私たちは自然とそういう役回りを『演じる』ようになっていきます。
母が周りに触れ回ることで周りの人もそういう『役回り』として決めつけて見るのです。
母の中で、妹は生まれた時から虚弱でかわいそうな子、姉の私は何も問題が無いのに気難しい扱いにくい子という役回りを与えようと決めつけているかのようでした。
可愛がられた妹も幸せだったわけではありません。
肥満によって常に心身に不具合を感じていましたし、成人してからもさまざまな病気に悩まされることになります。
親戚には肥満体型の人はいないので、妹の肥満は母によって作られたものではないかと私は思っていました。
つまり、未熟児で小さかった妹に過剰な栄養を与え続けたことによる弊害だったのではないかと。

母がもし代理ミュンヒハウゼン症のような病気に冒されていたとすると、この極端な行動の辻褄が合うような気がするのです。
母にとって、『病弱で可哀想な妹を守る優しい母親』を演じることが生き甲斐だったとすれば、私は妹をいじめる意地悪な姉という役回りで、母は妹を意地悪な姉から守るために頑張る『優しくて強い母親』になれるのです。

同じ血を分けた子どもに悪役を与えて排除する。

信じられない行動ですが、母が病気だったと考えると納得できます。

代理ミュンヒハウゼン症の人は、我が子にまともな愛情を持っているわけではなく、可愛がっている(と思っている)子どもも、その他の周りの人も、自分という主役を引き立てるための道具としか感じられないのです。
だから妹に愛情があったわけではなく、自己アピールをするための道具の一つでしか無かったということなのです。
自分を演出する道具として、『可愛い子ども』と『意地悪で反抗的な子ども』という役割を勝手に私たちに押し付けていたのでしょう。

妹が生まれた時、私もまだ幼児でした。
それなのに『妹に対して意地悪をする姉』という役回りを与えられてしまい、いつのまにか常に妹をいじめると言って怒られるようになってしまったのです。
幼児に対して「お姉ちゃんなのだから我慢しなさい!」と厳しく接する母。
まだ我慢ということの意味もわからないし、感情のままに行動すると叱られるので、そのうち怖くて何の感情も表せない子どもになっていきました。
それだけでなく、「私は意地悪な性格なのだ。私は何をやっても叱られるのだ」と、自分のことを蔑み、自信を失くしていきました。

代理ミュンヒハウゼン症の母にとって、私は妹の前に立ちはだかる『敵』であり、私に制裁を加えて妹から遠ざけることが母の使命だったのです。

奇しくも、小学校でいじめられていた時のあだ名が『バイキン』でした。
母からバイキン扱いされてきたことで、私は自然とそうやって排除される役柄を演じてしまっていたのかもしれません。
ここまであらゆる人から排除されてしまうと、かえって排除されることに快感を覚えるようになります。
むしろ排除されずに仲良くしてもらうことのほうが居心地が悪く、自分から相手に悪い印象を与えるような言動をしてしまうという本末転倒なことをやってしまうことが起きます。
小学校の時に感じていたのは
「私は誰かと仲良くなって自分の本性を出してしまうと、必ずケンカになって嫌われる」
ということでした。
その通りのことが繰り返されていたのだと思います。

それは母によって悪役を作り上げられ、それを演じることでしか生き残る方法がなかったからなのかもしれません。

母には自覚がありません。
母に診断を下せる人もいません。
なので母の所業を咎められる人は誰もいません。

けれど母が私と妹にやってきたことは、明らかに度を越した『虐待』、いや人間を道具のように扱う悪魔の所業だったのだと思います。

母と同居している妹は、いまだに原因不明の病気に悩まされているのですが、妹の病気の原因が母ではないかと疑っているのは私しか居ないでしょう。
母を知る誰もが『そんなことあるはずはないでしょう!』と言うでしょう。
いや、この病気の人はそこまでのことをする可能性が大いにあるのです。そしてその罪が明らかになることは滅多に無いのです。

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