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校門で記憶に残る生徒

下半身の激痛に耐えながら
ほうほうの体で保健室に駆け込んだ。

火傷である。

さかのぼること10分前。

いつものように弁当を食ったあと
食後の一服で体育館横のトイレに
2人でしけ込んだ。

1人は一服、1人は見張り役。
これがこの高校のルールである。

「お先に」「おう!」なんて
妙に由緒正しげな所作で交代する。
バカっぽいというか、バカなのである。

時代は昭和、スタイルは和式。

いつ何があってもいいように、
右手にタバコを持ちながら、
左手にはトイレットペーパー。
これもこの高校のスタイルだ。

そして、その日は運悪く
生活指導の先生方の見廻りがあった。
ご苦労様です。

でも、合図は決めてある。
秘密の暗号は見張り役が
「ヤバイ消せ!」と叫ぶこと。

取り決めどおり見張り役から
秘密の暗号が送られてくる。

「アキバ、タバコ消せ!」

コラ、名前とかタバコとか言うなよ。

右手のタバコを床にこすりつけもみ消し、
左手でササッと一拭きして
スッ何事もなかったように
立ち上がればいいだけなのだが。。

名前とかタバコとか言われて動揺したのか、

左手のティッシュを
床にこすりつけてしまった。

アレ?ナニカチガウナ

と気づいたものの時すでに遅し。
右手のタバコはお尻に一直線
ジジ、ジジジジ。

ギャー‼️

「どうした⁈」
「ジジジジ、痔です!保健室に!」

保健室の先生曰く、長い教員生活の中で
お尻に火傷したのはアンタが初めてとのこと。

こうもんで記憶に残る生徒の物語 (おしまい)

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