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湖南省の湘西トゥチャ族ミャオ族自治州を巡る ①エピローグ〜芙蓉鎮へ行こうと思った訳

滝が美しい芙蓉鎮








2024年の年末は湖南省湘西トゥチャ族ミャオ族自治州(湘西土家族苗族自治州)を巡ります。旅行記の前にどうして行こうと思ったかを記しておこうと思いました。古鎮巡りが好きなので、鳳凰古城や芙蓉鎮などの美しい古鎮を見たいというのが1番の理由です。





2021年12月に张吉怀高速铁路(張吉懐高速鉄道)が開通し、長沙や香港方面からも、鳳凰古城や芙蓉鎮、さらには張家界まで高速鉄道で一本で行けるようになりました。コロナ禍でしばらく行かないうちに非常に便利になりましたね。とにかく行きやすくなった地域なので、おすすめしたいです。





今回は貴陽から芙蓉鎮へ向かうので、直通列車ではありません。怀化南站(懐化南駅)で乗り換えて、芙蓉镇站(芙蓉鎮駅)へ向かいます。芙蓉鎮は最初に書いたように湖南省湘西トゥチャ族ミャオ族自治州(湘西土家族苗族自治州)にあります。長いので一般的には湘西州と略されます。湖南は「湖」ですが、湘西は「湘」なのでご注意ください。





観光地化されすぎてる面もありますが、トゥチャ族が住む古鎮で、1987年に中国や日本で公開された映画《芙蓉鎮》のロケ地で有名です。ヒロイン役の中国を代表する女優、刘晓庆(劉暁慶)を知ってる方は多いかもしれません。中国の中でも特に美しい古鎮という評価は私も同意します。





映画自体は全く興味が無かったのですが、芙蓉鎮についてリサーチしていたところ、《新芙蓉鎮》という映画がまさに芙蓉鎮で撮影中ということを知りました。しかも、その映画のヒロインが赵嘉敏です!SNH48の一期生で在籍当時、私が推していたメンバーです。当初は鳳凰古城だけ行けばいいかなと思っていましたが、これはぜひ行きたいと思うようになりました。芙蓉鎮に行くにせよ、《新芙蓉鎮》を観るにしても予習として《芙蓉鎮》を観ることにしました。  




《新芙蓉鎮》は芙蓉鎮で映画の夢を持って育った少女が、大都市へ出たのちに紆余曲折を経て、最後には芙蓉鎮に戻って、故郷で映画の初心を取り戻すという内容のようです。設定を現代にしたリメイクだと思っていましたが、全く違う内容のようです。とはいえ、同じ芙蓉鎮が舞台ということで楽しみです。






映画《新芙蓉鎮》のクランクイン




真ん中が《新芙蓉鎮》のヒロイン赵嘉敏




芙蓉鎮にある土王橋にて、トゥチャ族の民族衣装を着た赵嘉敏



芙蓉鎮で撮影の様子



こちらは元祖《芙蓉鎮》の写真












映画《芙蓉鎮》とは


映画は毛沢東が起こした文化大革命の中で、主人公の胡玉音(劉暁慶)を中心としたストーリーです。  胡玉音と夫は芙蓉鎮で米豆腐屋を経営していました。夫婦は親切で、人柄がよく、作った米豆腐も美味しいと評判で繁盛してました。こうして二人は貯めたお金で家を新築しました。国営食堂のマネージャーの李国香は、商売でも人間関係でも胡玉音には遠く及ばず、嫉妬していたのです。まもなく「四清運動」を迎え、李国香は政治工作班の主任として、胡玉音をブルジョアとレッテル貼りし厳しく追求したのです。夫は胡玉音を遠い親戚の元に逃げさせましたが、家もお金も没収されてしまいました。胡玉音が戻ってきた時、夫は李国香を暗殺しようとした罪で、すでにこの世を去っていました。



文化大革命が始まると、吊し上げはますます酷くなり、李国香までもエセ左派として糾弾されてしまいます。しかし、李国香はすぐに復権します。そんななか同じ境遇の秦書田と次第に仲良くなり、胡玉音は秦書田の子を宿します。嫌がらせに遭いながらも、結婚だけは許可されました。そんな束の間の幸せも打ち砕かれ、秦書田に懲役10年、胡玉音には懲役3年の刑が言い渡されたのでした。胡玉音は妊娠中の為、刑の執行は猶予され芙蓉鎮での清掃活動となります。村人達の協力もあり、女でひとつで子供を育てました。




文化大革命が終わると、秦書田は懲役から戻り、昔と同じように胡玉音は米豆腐屋を再開して、幸せを取り戻すという内容です。

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