ボカコレ2023夏曲、何を意識したか
こんにちわ、アカヨウチュウです。
8月4日19時からニコニコ動画にて始まるボーカロイドコレクション 通称ボカコレが迫ってまいりました。
今回の曲ではどんな事を考えて制作に臨んだのか、経緯も含めてつらつらと書いていきたいと思います。というか書いてたら経緯がメインになりました。ボカコレ春から今日までの事を書いてます。
ボカコレ2023夏の目標
さてさて、私は今回どんな目標を立てたのでしょうか。
【ボカコレルーキー上位入賞!】
前回の33位は超えたいな、どうせならサムネ大きくしたいなという安易な考えで決めました。15位以上を目指して頑張りたいなと言う気持ちではあります。春前までは入れたらいいな、と思うレベルだったのに大きく出たもんだよホント。
ただ違うのは、前回春はものすごくランクインすることに固執していました。飢餓感が執拗に私を駆り立てていたと思います。今回はあからさまに異なる精神状態です。とてもフラット。
Twitterでは「1位取ってやる」とか「私のボカロックが最強」とホラ吹いてますが、もうパフォーマンスというか、お約束、おまじないみたいなものです。プロレスですね。乗っかってきてくれるのを楽しんでます。
春の後語り
まず、前回2023春のボカコレでは、自分なりにボーカロイドらしい曲とはなんだろうと考えて作った曲で挑戦しました。
慣れない事をしたので完成させるまでにとても時間もかかりましたし、何度も作り直し、やり直しをしながら曲を仕上げていきました。
その結果、「セルフネグレクト」という楽曲は、ルーキーランキングで33位を頂きましたが、その過程・結果から私は以下のような事を考えました。
・凝って作り過ぎて、胸焼けがする曲になってしまった
・自分があまり好きじゃない曲を作ってしまった
曲の胸焼け
個人的には、セルフネグレクトは濃厚すぎたと感じています。
その結果、何が起きたかと言いますと、毎時ランキングで夜中は圏外になりがち、ということです。夜中の疲れた時間、朝の爽やかな時間に聴きたい曲ではないということです。
コンセプトとして強烈なのにしよう!と考えた結果、ゴテゴテな曲、スタイリッシュさには欠けるため、私としてはそのような印象を抱く曲になったと思っています。そういう曲を作りなれてい、得意でないという事が表面化してしまったのだなと思います。
ループで連続して聴くのも個人的にはつらい・・・これはMIXのせいってのもあると思います。
好きじゃない曲
これを語っていいものだろうかと少々躊躇しますが、自分の好きなもの、できるものをかき集めて作ったこの曲。時間をかけすぎたためか、ボカコレが終わってからはほとんど聴き直すことのない曲になってしまいました。(ボカロPなら自分の曲聴いて色々考えますよね?)
ただ、私が作った曲の中で、最も評価されたのはこのセルフネグレクトということになっている状態。アカヨウチュウにとっての名刺代わりの一曲なのです。
自分が好きでない曲を代表曲として提示するということに最近少し抵抗を覚えています。自分の好きなものを詰めていったはずなのに、奇妙です。
上位を目指すけど、条件がある。
「自分が好きな曲を全力でぶつけたい」
なのでウケとかあんまり考えていません。
この思考に行き着くまでに随分掛かりました。私を変えてくれたのは、ボカロック投稿祭です。
カート・コバーンなんか好きじゃないの影響
そう考えるようになったは6/9にボカロック投稿祭に出した「カート・コバーンなんか好きじゃない」の反応を見てからです。この曲はその時期にTwitterでのバトルを横目に思うところがあって、その気持を曲にしてやっとくかーと軽いノリでサクッと作った曲でした。レコーディングとかそのあたりは結構丁寧にやったり(メンバーに丁寧にやってもらうために事前にチューニングの記事を書いた)、初めてCeVIO AI使ったので仕上げは少々掛かりましたが、曲はワンコーラス1日、フルも1週間くらいで出来たような記憶です。自分の中にあるもの、すっと出てくるものをちょっとお化粧して形にしたって感じです。
MVもお金を使わない、人に頼らない(使いたくないのではなく、意志として)というコンセプトで、AIは使わずに作品に仕上げるにはどういう事ができる?という発想から生まれたものでした。
なので無垢なものをそのまま出した、つまりウケとか気にしない(気にしてたら早朝6時9分に狙ってアップするとかしない)
そんな曲がどういう届き方をしたかと言いますと、今までで一番みんなからの感想が熱っぽかったと感じたのです。
私も曲に対してたくさん感想を書くこともあるので、何となく分かるのですが、「あ、このリプ、本当に心から思っていることを書いてくれてるんだな」って。Twitterのフィルターを通してではありますが、曲を通して聴いてくれた人たちをとても近くに感じたのです。
「何度も、毎日聴いてます」とか言ってくれちゃう人もいて。じーんと来ちゃいますよね。
カート・コバーン好きです。
そんなカート・コバーンなんか好きじゃないですが、好きです。私はとても好きです。
そして、とても許されたんだという気持ちになりました。好きなことだけをしても届くんだなって。なーんだって、すごく安堵したのでした。もう一度セルフネグレクトみたいな曲を作らなくてはいけないと思ったら、たぶんボカロP続けられないなって感じてたのでした。
「すき」の要素
前置きが長くなりました。
今回のボカコレは好きな、自分から素で出てきたものをぶちかましたいと思っています。
・バンド曲
・ツインボーカル
・スリーピース
・いつでもどんなときでも聴ける曲
バンド曲
やっぱボカロックなんですわ。それもおしゃれじゃなくて汗の匂いがするやつ。
カート・コバーンが受け入れてもらえたことで、自信をもってバンド曲をだしていいんだと皆様に背中を押していただいた気持ちです。
ツインボーカル
ツインボーカル、とっても大好きなのです。人生の中では、完成させることができたツインボーカル曲はボカデュオの夜明けに染まるが初めてだったのです。2曲連続でツインボーカルの曲。そして男と女。
ツインボーカルは基本的に譲り合いながら歌うものです。
でも、今回の曲はがんがんぶつかり合います。ボーカルがさながら殴り合う。そういう曲を作ってみたかったのです。
スリーピース
私はバンドはスリーピースが最も素晴らしい形だと思っています。これ以上減らせない、そこに美学があります。限界まで引き算ができるし、隙間があるからこそ、3人で殴り合いを始められる。
今回の楽曲では、かなり楽器の種類を制限しております。レコーディングバージョンということで、ギターは歌がない部分だけツインギター。あとはサビに少しだけオルガンを。
イメージはインディーズからメジャーデビューしたバンドの初めてデビュー曲。結成当初からセットリストから外すことのなかった1曲がこの曲なのだ。
いつでも、どんなときでも聴ける曲
こう書くとさも狙ったかのようですが、結果的にそういう曲になったな、というだけ。大人にも子供にも、男にも女にも誰にでもおすすめできる、そういう受け入れやすい曲になったのでよかったなと思います。私自身がそういう曲を欲していた。そういうことなんだと思います。
自分が以前言ったことを捨てる
ボカコレ、ランクインする曲ってこういう傾向があるよねってまとめたことがあります。でもそれに従おうとは思いませんでした。曲が求めるものに従おうと。
まず、イントロがあります。初手からボーカルを出しません。
だってバンドマンがそんな曲を率先して作りはしないでしょうから。イントロは命なのです。
展開は至ってシンプル。Cメロもないし、1番と2番は基本的に同じ雰囲気。特殊なことは何もありません。もちろん転調も。
歌詞も結構支離滅裂。彼らは意味が欲しいのでなく、歌いたいように歌ったのです。伝えたいことがあったのではありません。大きな音を出したかった。
歌はとっても主張してきますが、聴きやすさがあるとは言えない。聞く人によってはとっちらかったボーカルで聞きづらいと思うに違いないです。
自分の知っているボカコレ向けの曲として上げられる要素は曲の長さくらいでしょうか。3分ないです。あとは日本語で歌っているということくらいなのかもしれません。
ガチのバンド曲、特に3Pのサウンドのバンド曲ってほんとに少ない印象です。ギターがバッキングに徹しているという意味で。
3Pだとバリバリソロ弾いちゃうと空間が空くからね。個人的にはバラードな曲じゃないとソロってあんまりしないよねって思ってます、3Pは。
ボーカルはSynthesizer VのMaiとRyo。二人とも顔のない子たち。つまりキャラ人気という概念は存在しないと言えます。ただふたりはバチクソに歌がうまい。
それでも「すき」で戦いたい
ランキングには載りたい。でもそれは自分の心からの「すき」でそこに立ちたいのです。だからこれは勝負であり賭けです。多くの方に私の「すき」が受け入れてもらえるかは本当にわかりません。だからこそ、やってみる価値があるのでないかと思っています。
2023春のランキングの上位
素直に見て、上位って狙ってるとかそういうのじゃなくて、ものすごく力強い「個」で押しきる力のある曲ばかりなのだと思ったのですね。それに気づけたのも大きかったです。平均点を取っていくのとは違う、その刃をどこまで尖らせていくのかのような感覚を覚えました。
そして何より、私にとって最高の曲との出会いがあった。
世界電力さんの彼方のひかりです。
この曲が私の事を救ってくれました。Spotifyで毎日のように聴いてました。
歌詞を一部抜粋
あの人は美しい できそこないじゃないみたい
おたがいにそうだと思っていた
おたがいに気づかなかった
ほんとにずっと寄り添ってくれた曲です。
サムネについて
ひとつ、ずっと思っている事があって。
サムネイルって、どうして人の顔がどーんと出ているものばかりになっているのでしょうか。CDジャケットと同じ扱い、と考えていいのがサムネイルのはずなのに。
だからカート・コバーンでは真っ黒にしました。というのは嘘で、あれは純粋に用意するのを忘れていて、実写をサムネにするのは抵抗があったのであんなことになりました。
今回のボカコレでは、サムネをどうするかということがかなり激化するのでないかと予想されます。前回のはじめてのH、シチューうどんなど、サムネのインパクトが再生に繋がると印象づけるには十分でしたね。どうしても気になってしまう、ジャケ買いのような現象を誘う、これまでにないアプローチのサムネが登場してくると考えています。(単純にえっちぃやつは増えそう)
私は今回どうしようかと悩みました。どうすればクリックしてもらえるか?ということではなく、このシングル曲のCDジャケットをどうするべきか?という視点で作成しました。ある意味、悪目立ちする、響く人にしか響かないサムネイルになってます。MVの中では一切出てこないものがサムネイルになっています。あと人の顔はありません。
TANABATA☆OverDrive
今回のボカコレの曲名ですが、たなばたオーバードライブというふざけた名前です。歌詞には星とか、夜とかそんなのも一切出てきません。
私の曲名って歌詞に関係あるのかないのかよく分からないから、ある意味いつも通りですね。ウケ狙いなので笑ってくれたほうが嬉しいです。「イタタタ・・・」ってなる可能性があるのだけはとても怖いけど、ここまで来たら仕方ない!
曲名はカタカナ!とか言ってたのに!英語でカッコつけてるのにダサいってのがいいんですよ。センスが中学生って感じでとても良い。
最後に
長々と書きすぎました。半分カート・コバーンなんか好きじゃないの話だし。でもボカコレの後に語ることでもないので、先に出せてよかったです。
今はフラットな状態で自然体だけど、ボカコレが始まればまた目を血走らせて聴いてー!ってしまくってるかもしれません。また始まったらそのときに考えて動きます。
でもたくさんの曲を聴いて回ろうと思ってます。リスインだけで300超え。他にも回りたいなと。たくさん感想は送れないかもしれないけど、ボカコレを楽しみたいと思っています。
ぜひ私の曲のところにも遊びに来てください。まだ予約投稿してないので、今から私になにかあれば参加できませんが、這ってでもアップします。
ごちゃっとした文章で申し訳ないです。ここまで読んでくれてありがとうございました。
ではまた。皆様、良きボカコレを。
アカヨウチュウでした。
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