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非常用モバイル充電器『アクアチャージ』のメリットを探したら苦悩した件→でも場合によっては買う価値アリ!!
今回のかきあつめのテーマは「防災」。なかなか渋いテーマだなぁと思いながらネタ探しで東急ハンズの防災コーナーに行くと、藤倉コンポジットという企業が出している「AQUA Charge(アクアチャージ) 非常用モバイル充電器」という興味深い商品を見つけた。
(画像は藤倉コンポジット公式HPより)
うーむ、なるほどねぇ。水さえあれば充電ができる非常用モバイル充電器かぁ。どーいう原理なんだろう。調べてみよう。
仕組みは「空気マグネシウム電池」
公式HPによると本製品は「空気マグネシウム電池」という種類の電池らしい。反応式は下図の通りであり、金属のイオン化による電流の発生という点では、リチウムイオン式やニカド式電池と違いはないようだ。
同様の仕組みを使用したランタンを開発している㈱バルガーの技術広報誌によると、空気マグネシウム電池のメリットとして①環境負荷物質が少ない ②発火危険度が少ない ③長期保管が可能 の3点を挙げている。
①環境負荷物質が少ない
一般的なリチウムイオン式やニカド式電池は回収・リサイクルが法律で義務付けられているのに対して、空気マグネシウム電池は廃棄が簡単な利点がある。原材料の電解液は食塩水であり、反応後に残る水酸化マグネシウムは「にがり」として食品につかわれるような安定した物質なので、たしかに環境負荷が少なく廃棄も簡単だ。
②発火危険度が少ない
リチウムイオン式電池と比較すると、発火危険度が少ない特徴があるらしい。個人的にはマグネシウム単体の扱い次第によってはそんなことない気もするが、まぁ発電効率がリチウムイオン式ほど良くないということだろう。
③長期保管が可能
一般的なリチウムイオン電池は電池内に電解液が含まれるので自然放電がどうしても発生してしまう。一方、空気マグネシウム電池は電解液を入れなければ半永久的に保管できるらしい。AQUA Chargeの保証は5年としているが、非常時用に長期保管ができるのは大きいメリットといえるだろう。
デメリット:性能の割に高いし、ジャマである
なるほどなぁ、と。メリットを聞くだけだと凄く魅力的に感じてくるが、よくよく考えてみよう。これだけ良い電池がなぜ一般的にならないのか。それは値段が高くて、デカイからである。
AQUA Charge の宣伝で「コンパクトかつ大容量の11,000mAh!」「スマホ2台をフル充電!」とうたっているが、電池としては大きさの割にたいした容量ではない。そのへんで買った2,000円程度のモバイルバッテリーでも10,000mAhぐらいはあるし、そうすると4,980円という値段は高い気がする。「使い切りタイプ!」とうまくいっているが、再利用できないのも大きなデメリットである。
自然放電はたしかに気になるけど、携帯の充電程度だったら乾電池でも事足りるし、場所もとらないし、何より安い。
仕事柄、普段からバッテリーを持ち歩いている僕としては採点が辛口になってしまい、今回は購入に至らなかった。
そうはいっても、この商品は大事である
まぁ、このように書いたが、やはり非常時まで放置して、必要なときにキチンと充電器として使えるのは安心できるだろう。防災の重要性が高まる中、このような非常時用の商品は大事と言える。
この商品の最大のメリットは「長期保存ができる」に尽きるだろう。”天災は忘れた頃にやってくる”とはよく言うが、「防災意識が薄れたとき」、「電池を買い忘れたとき」に彼らは狙ってくる。
最近の携帯はバッテリーが良くなったので、充電をし忘れて寝ることが多くなった。朝起きたら携帯の電池が少ない、そんな時に停電したらと思うとゾッとする。
あぁなるほど。非常時を考えるとイイかもしれない。イザというときのために1人1個。あなたも検討してみてはいかがだろうか。
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