今日もポリタンクを背負い、灯油を買いに行く
今回のかきあつめのテーマは『#これにお金かけてます』だ 。
「最近なにに使っているかなぁ」
あぁそうだ、今年は頻繁に灯油を買いに行っているな
思い出した。
始まりは昨年夏に引っ越したところまで遡る。
2021年7月。都内のワンルームマンションから郊外の築50年を超す古民家に引っ越した。
炎天下のなか家探しをしたが、風通しがいいこの家を「夏でもクーラーがいらないね」なんて奥さんと話しながら内見したのを覚えている。
事実、8月になっても夜間はクーラーを使用しなかった。
古い家のよくある形で、リビングと台所が離れている。
この台所には、近頃ではみかけない「薄い模様ガラス」の木枠の窓が1枚、屋外と屋内を隔てている。
この「外と内が極端にゆるい構造」には、秋を感じたぐらいから嫌な気がしていた。「あ、冬は寒いかもしれない」と。
2021年11月。もうストーブは出ていた。
実家から拝借した小型のストーブだが、これがないと仕事に支障が出るようになっていた。
ストーブを使うということは灯油が必要である。
この地域は車が必須のようだが、あまり外出しないので用意しなかった。そうすると歩いて灯油を汲みに行くことになる。いちど奥さんと買いに行くことにした。
車通りが多い国道を20ℓのポリタンクを片手に歩く。行きは軽いが帰りは重い。11月でも十分に寒く、手袋をしてくればよかった。
奥さんにも手伝ってもらいながら休み休み帰るこの状況が、なんというか、不憫に思えてくる。この地域で歩いて灯油を買いに行っている人などいない。
車が欲しいがすぐには決まらない。となると、もっと楽に運べる手段が欲しい。僕は早めのクリスマスプレゼントとして、奥さんに背負子を買ってもらうことにした。
背負子なんて7000円もすれば買えるだろうと思っていたら、キチンとしたものは2万近くするようだ。当初は安物でいいかと思っていたが、モンベルのちょっといいのをお願いした。商品は3日で届いた。
さぁどれどれ、これでもう少し楽に灯油を買いに行けるぞ。ポリタンクを背負子に取り付けるが、中高と登山部でよかったのはこのロープワークができることぐらいであろう。
「よいしょっ!」
お!、いいね。軽い。
やはり手で持つより背負ったほうが楽だ。これなら両手も使えるから、灯油を汲みに行くついでに買い物ができる。(灯油は外に置いてだが。)
さすがのモンベル。モノもしっかりしているし、背中のフィット感もいい。あぁ背負子をケチらず良いものを買ってよかった。
ポリタンクを背負って灯油を買いに行く人もいないが、派手な背負子のおかげで見た目が不憫になりすぎないのも良い。大事に使おう。
2022年2月現在。まだ寒い。
ひと月に2回はこの格好で灯油を汲みに行っている。
散歩感覚で買いに行けるようになったが、ストーブから灯油が切れたアラーム音が鳴る度に「あぁ、また汲みに行かねぇとな」と少し憂鬱になる。
今計画しているのは、ポリタンクをもう一つ購入して倍量を運べるようにすることだ。そうすれば頻度が半分になる。
一度に運ぶ量は40ℓか。うーむ、可能だが、辛いな。
今日もポリタンクを背負い、灯油を買いに行く。
記事:アカ ヨシロウ
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