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あなたのレンズが変える世界:「楽しいポートレート写真術」の完全攻略

青山裕企さんの「人を撮るための完全攻略本 楽しいポートレート写真術」は、写真初心者から経験者まで、人を撮る魅力とその奥深さを改めて教えてくれる一冊です。写真を始めた頃に「人を撮ること」に躊躇していたという著者自身のエピソードから始まり、読者に寄り添った語り口がとても印象的でした。


人を撮ることのハードルを下げる

本書の魅力は、単にテクニックを紹介するだけでなく、人を撮ることの「楽しさ」に焦点を当てている点です。「普段人を撮ることはほとんどないけれど、これから撮ってみたいかも」と思うような初心者にとって、この本はまさに一歩を踏み出すきっかけを与えてくれます。

1章では、人を撮ることの難しさが人生の楽しさに変わっていく過程を描いており、読者が自然と「人を撮ること」への興味を持つ構成になっています。著者自身の経験を共有することで、共感しながら学べるのも本書の大きな魅力です。


テクニックと感性のバランス

本書は、カメラやレンズなどの機材に関する基本的な解説から始まり、光と影、構図と背景の使い方まで幅広くカバーしています。特に、光と影の章では、自然光の美しさや人工照明の活用法など、実践的な内容が満載で、初心者から中級者にとって大いに役立つ情報が詰まっています。

また、コミュニケーションに重点を置いた章も特徴的です。被写体との会話や指示の出し方、自然な表情を引き出すためのヒントが具体的に書かれており、写真技術だけでなく、撮影の楽しさや被写体との関係性を大切にする姿勢が伝わってきます。


「撮りたい人を撮ればいい」という自由

3章の「撮りたい人を、撮ればいい」というメッセージは、写真の本質をシンプルに表現しています。どのように被写体を見つけ、どのように撮るかという過程を「自由」と「楽しさ」の視点で捉え直すことで、写真撮影が自己表現の一環として輝きを増します。


プロの視点と初心者への寄り添い

終盤では、プロフェッショナルとしての視点や、作品としてのポートレートを作るための考え方についても深く掘り下げられています。しかし、決して敷居の高い内容ではなく、初心者でも理解しやすい形で構成されています。青山裕企さんの長年の経験が凝縮されたアドバイスは、実践に役立つと同時に、写真への情熱を掻き立てる力を持っています。


感想

この本を読んで感じたのは、「人を撮ること」の楽しさと、その奥深さです。ただのテクニック書ではなく、人と向き合う喜びや、写真を通じて広がる世界を教えてくれる本でした。「人を撮る」という行為が特別でなく、身近で楽しいものに変わるきっかけを与えてくれます。

これからポートレート写真を始めてみたい人や、人を撮ることに躊躇している人には、ぜひ手に取ってほしい一冊です。写真の技術だけでなく、人とのつながりやコミュニケーションの大切さを教えてくれる本として、多くの人にお勧めしたいです。

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