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【写真の本質】「基本を知る」ことでオリジナリティが生まれる理由
写真の世界では、「独自のスタイルを持つことが大切」とよく言われます。しかし、独自性ばかりを追求し、基礎を学ばずに自己流で撮影を続けると、かえって迷走してしまうことが多いのです。なぜなら、基本を知らない「オリジナル」と、基本を理解したうえで生み出す「オリジナル」には、決定的な違いがあるからです。
基本を知らないままの「オリジナル」は、ただの偶然
写真の基本を知らないまま撮ると、感覚的に「なんとなくいい感じ」になることもあります。しかし、それは偶然の産物であり、意図して再現することが難しいのが特徴です。さらに、他人から「構図が甘い」「光の使い方が雑」「何を見せたいのかわからない」と指摘されても、その理由を理解できず、「なんで?」という疑問がつきまとい続けることになります。
「好きなように撮ればいいじゃん!」という意見もありますが、それでは成長が止まり、気づけば“独りよがり”の写真になってしまうことも少なくありません。
基本を知ることで「意図したオリジナル」が生まれる
一方、写真の基本(構図・光の使い方・色のバランス・被写体の配置など)を理解していると、自分の撮りたいイメージに沿って写真を組み立てることができます。たとえば、以下のような違いが生まれます。
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このように、基本を学ぶことで、「偶然のオリジナル」ではなく「意図したオリジナル」を作り出す力が身につくのです。
基本を知ったうえで、あえて崩す
「基本を知ったら、ずっとその通りに撮らなければならないの?」と思うかもしれません。しかし、それは違います。むしろ、基本を知っているからこそ、そこから意図的に外すことで、独創的な表現ができるのです。
たとえば、
三分割法を理解したうえで、あえて大胆に中央構図を使う
順光のセオリーを知りつつ、あえて逆光でドラマチックな雰囲気を作る
正しいホワイトバランスを理解しながら、意図的に崩してノスタルジックな色味にする
こうしたテクニックは、基礎を学ばなければ使いこなせません。つまり、「崩す」のは、基本を知った者だけができることなのです。
「学びながら撮る」ことで成長する
では、どうすれば写真の基本を効率よく学べるのでしょうか?おすすめのステップを紹介します。
① まずは基本を学ぶ
三分割法や黄金比などの構図
露出(シャッタースピード、絞り、ISO)の関係性
順光・逆光・サイド光などの光の使い方
色のバランスやホワイトバランスの基礎知識
まずはこれらの基本をしっかり押さえましょう。
② 基本を意識して撮る
学んだことを実践しながら、「この構図を使うとどうなるか?」「光の当たり方を変えると雰囲気はどう変わるか?」と考えながら撮影しましょう。
③ 他人の意見を聞く
「なぜこの写真は良くないのか?」「何を変えればもっと良くなるのか?」を考えるために、他の写真家や経験者の意見を聞くのも大切です。最初は厳しい指摘に戸惑うかもしれませんが、それが上達の近道になります。
④ あえて基本を崩してみる
基本を理解したうえで、自分のスタイルに合わせて意図的に外してみましょう。「意図的に外す」のと「知らずに外れる」のでは、写真のクオリティが全く違います。
まとめ
写真において、基本を知らないまま「オリジナリティ」を求めると、偶然の産物になりがちで再現性が低くなります。しかし、基本を理解したうえでオリジナルを追求すると、表現の幅が広がり、意図的に「魅せる写真」を作れるようになります。
「学んだら、それを捨てる」というのは、基礎を極めた人にしかできない特権です。まずは基本を知り、そこから自分なりの表現を磨いていきましょう!
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