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BJステアリングホイール レストア日記 第4回 革巻き準備とはじめの第一歩

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レザークラフト初心者の私は革を買ったことがない。実店舗に行って実物を手にしながら店員に自分の用途を伝えて革を選んでもらえばベストだと思う。しかし田舎にはそんなお店はないし、今は簡単に安く買えるネット通販がある。当然知識は0なのでとりあえず購入してみて考えることにする。

タンナー(製革業者)は国内外に数多くある。初めてのレザークラフトに海外の高級革はもったいないので、国内のタンナーから選ぶことにする。そもそも何も知らないのでタンナーにこだわりはない。車のステアリングに使うので、柔らかく伸びる革が良いだろう。革の厚さもよく分からないけどネット情報を参考にして1.0~1.5mmくらいを選択した。後はアニリン仕上げか顔料仕上げか悩むところ。丈夫で均一なのは顔料仕上げでプロの革巻き業者も顔料仕上げの革を使っているみたいだ。これも実際に触ってみないと分からないが、後で色合わせ(染色)ができるアニリン仕上げを選択した。

姫路レザーのシュリンク(シボ有り)牛革 1.3mm グレーを77ds購入。
1ds=10cm×10cm 
安売り革だったので価格は3000円。安いの高いのかも分からない。

届いた革がこれ

滑らかで柔らかい革

1枚の革は手にするとテンション上がる。大きな無垢の木材を触った感じと似ている。肌触りも良いし色も良い。匂いすら心地よく感じる。天然素材の良いところだね。この雰囲気は鉄やプラスチック素材では出ない。

ただ色はステアリングや内装と全く異なっていた。一応グレーということで購入したが茶系のベージュのほうが近いと思う。これはこれで良い色なのだけど、色合わせはしなくてはならないだろう。

いい色だけど内装の色とは全く違う

道具を揃える

革だけでレザークラフトはできない。とは言え何が必要なのかも分からないので、最低限の道具だけ買ってみる。

このハトメとゴム台はあまり使い勝手が良くないので下記のハトメと台を買い直した。

こちらはよく切れてキレイな穴が開き革の排出もスムーズ。

糸の色も合わなかったのでこの糸とワックスを追加購入。

他にも色々追加で購入したが、とりあえずやってみることにする。

ひたすら練習

革は場所によって密度と手触りと伸びが異なる。背中に近くなると密度が高くきめ細やか、腹に近くなると密度は低く粗くなる。
繊維と直交方向がよく伸びる。繊維方向は一律ではなく、背中の頂点は頭から尻尾に向かって繊維が流れているが、腹に向かうにつれ脚・腹に向かって繊維が流れるようになる。言葉で書くと分かりにくいし実際には個体差があると思うので実物を触るしかない。

厳密に考えると、ステアリングの円周方向を革の繊維方向にしたほうが良いだろう。ステアリングの形状は、円周方向の曲げは緩やかで断面方向は曲げがキツイからだ。しかし現実的にはステアリングの型は細長くなるので、革の長手方向でとるしかない。なるべく背中に近い部分を選ぶことで繊維方向も揃うだろうという期待しかない。

あまり製品として使いたくない腹の部分で練習することにする。

まずはステアリングの断面方向の周長を計測して、その長さ(幅)で革を裁断してみる。革包丁はそのままでは切れないので研ぎ直した。しかし扱いに慣れるにはしばらくかかりそう。グランツカッターのほうが圧倒的に使いやすい。

縫い穴は、ハトメ抜き 極小0.6mmを使用する。少し高いけど協進エルの製品が切れも革排出も良い。ゴム台は柔らかすぎるので塩化ビニルの台が具合が良い。

ネット上の先人の教えにならい。穴は6mmピッチ、革の端から5mmの位置とする。革に直接墨入れしても見にくいので、マスキングテープを貼ってその上に墨入れする。
ハトメは金槌で穴を開けるのが常套であるが、アパートで騒音を出せないこともあり、ボール盤(ドリルで穴を開ける機械)にハトメ抜きをつけてハンドルで上下させることで穴を開けた。ハトメ抜き用の専用機もあるけどボール盤で代用できる。連続でたくさん穴をあける場合は金槌よりも早いと思う。位置決めもしやすい。

ロウ付きのビニモ0番、極太の手縫い針を使用。ステッチは簡単なチドリで縫ってみた。

初心者らしい出来

うーん。はじめてなのでこんなものかな。しかし満足できるレベルには程遠い。穴ピッチも不揃いだし端部が密着していない。色々課題はあるけれど、まずはレザークラフトの第一歩である。とにかくやりたいという気持ちが熱いうちに実行しなければならない。失敗することでたくさんの課題が生まれそれを一つ一つ超えて進むことで完成するのである。まずは繰り返して練習するしかないだろう。

次回は引き続き革巻き作業。染色や縫いの改善・練習について。
乞うご期待。

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