もしも人妻な冥さんが湖月と共に愛の逃避行を試みたらどうなるかタロットで占ってみた
※本コンテンツは塔果さんの創作キャラ「冥」をタロットカードで占い、自分なりに解釈をしてみたものとなります。
まずはこちらのイラストを見てもらいたい。
彼らは湖の底にある「選ばれなかった可能性」が沢山沈んでいる不思議な「ホテル・ラーブル」の支配人「冥」とコンシェルジュ「湖月」……なのだが、今回は人妻とそれをカッコよくさらおうとするクライアントの男……という設定のようだ。
コレが本編の漫画だ!
さてさて本編は違う世界線。今回の筋書きは実業家の家に愛のないまま嫁いだ冥さん。彼女の不幸な結婚生活っぷりを目の当たりにしたクライアントの湖月が海外赴任を契機に一緒に海外へ愛の逃避行を試みる、イラストはそんな空港での一幕のようである。
更に塔果さんから貰った追加の情報はこちら。
・冥さんは前夫と営み経験あり、でも愛なしなので愛ある行為は知らず
・こづとはキス止まり(こづが気を遣って抑えてます)
・こづを信じたいけど、信じすぎたら捨てられた時のショックが大きいからダメ...!と自制をかけてる冥さん
更に更に! 今回は実際に「もしも占いを依頼してきたら」という体でこんな文面まで用意して貰った。
「愛のない結婚で苦しんでいた所を救ってくれた彼がいます。これまでの経験から私は消極的になってしまってうまく彼に愛を伝えられません。彼に伝わっていない気がしますが、どうでしょうか。彼と良い関係を築きたいとは思っているのですが、また蔑ろにされる日が来るかもと思うと怖くて...」
うおぉう、コレは一刻も早く迷いを晴らしてあげなくては!
というワケでタロットをまぜまぜしケルト十字スプレッドの形にしてオープン!
大アルカナが10枚中4枚。これは冥さんにとって重要な人生の岐路に立たされていることを意味しているのではなかろうか。ペンタクルのカードも3枚と多め。どんなに酷い夫とはいえ相手は実業家。そこを切るということはどうしても資金面に影響が出かねないということを暗示しているのかもしれない。
ざっと見た時の総評はこれくらいにしてそれぞれのカードをリーディングしてみよう。
現状:死神(逆)
いきなりおどろおどろしいカードが出てきたが(使ってるカードはにゃんこなので可愛いけど)、終わりの後の始まりとか新たなスタートを意味するカードである。
今回は逆位置なのでそのままでは運命は変わらないし、変えたければ自分で動くしかないという暗示を示している。
冥は湖月から貰った飛行機のチケットを手に、一度はためらうも結局空港に向かったのでその様子をダイレクトに示したのだろう。
原因または障害:ワンドのナイト
ケルト十字スプレッドではこの部分は正位置逆位置にとらわれず両方の可能性でリーディングするものらしいので、今回はその方法で解釈していく。
情熱の象徴たるワンドを手に速そうな馬に乗って駆ける姿。この愛の逃避行はあまり計画的なものではなかったのかもしれない。緻密な計画を練る猶予もないほどに湖月は現状を何とかしたい、冥をこの手でさらいたいと情熱の炎を燃やしたのだろう。
キスだけの接触にするのが彼の最後の理性だったのかもしれない。きっとキスはキスでもディープなやつだったのだろうことは想像に難くない。
顕在意識:ペンタクルの8(正)
コツコツと努力を積み重ねている様子。そこに愛はなかったが実業家の妻としていい仕事はしていたらしいことが分かる。でも実業家の妻の仕事って何? 経理でもするんだろうか? 秘書としてスケジュールの管理? うーむ確かに冥さんに似合いそうであるが……。
ところで「冥さんは前夫と営み経験あり」との情報を貰っている。ま、まさか営みの腕前のこと言ってるんじゃなかろうな……?「でも愛なし」なのでペンタクルですとかいうオチ……?
冥を気遣ってキスどまりにしていた湖月だったが、実はより情熱的に迫っていたのは冥さん側だったのでは……!? だとしたらよく耐えたぞ湖月!
潜在意識:恋人(逆)
前にシグとキユのことを「まるでタロットの『恋人』みたいだ」と口にしたことがあるのだが、まさかこづ冥でこのカードが出てくるとは……逆位置だけど。
このカードのキーワードは「快楽」や「魅了」。逆位置なのでそれがあまり良い方向に影響してないらしいことが分かる。
そもそもが冥のやろうとしていることは不倫だし、愛を教えてくれた相手である湖月にも「彼と良い関係を築きたいとは思っているのですが、また蔑ろにされる日が来るかもと思うと怖くて...」と恐れている。その迷いを示しているということなのだろうか?
湖月との逢瀬があまりに心地よくて感情のままに流されているとも見れる。迷いながらも快楽に身を任せ……。やはり、この二人に計画性が見られない。相手は実業家だぞ? 金も権力も(あと執念も)スゴそうだぞ? そんな無計画で大丈夫?
顕在意識で実は冥さんの方から迫っていた説を取り上げたが、それを裏付けるカードという考え方もある。
占いを依頼する冥さんの台詞の一部に「これまでの経験から私は消極的になってしまってうまく彼に愛を伝えられません」というのがある。すっかり委縮した冥さんが選んだ愛情表現はもっとも原初的かつ控えめな……いや、控えめでは足りなくなってより深い深い口づけを……!
過去:愚者(逆)
自由を意味するこのカード。それが逆位置ということはノープランっぷりが裏目に出ていると考えられる。愛もなしに嫁ぐという意味も知らぬままこの実業家(前夫)の家に入ってしまったのかもしれない。富や地位に目がくらんでしまいよく考えずに選択してしまったのだろう。その結果が悲惨なものであることも知らずに……。
未来:女教皇(正)
過去から一転してなんとも聡明な感じのカードが出てきた。過去の無鉄砲な自分を反省し今は物事を正しく判断することができる。
一方で恋愛面では神職のカードであり、またカード全体のドッシリと構えた雰囲気から湖月とは相変わらずプラトニックな関係が続いているのかもしれない。未だに湖月相手にはキス以上のことはしていないのかもしれない。
あるいは「愛のない結婚で苦しんでいた所を救ってくれた彼がいます。」とのことから、肉欲以外の愛情を湖月から教わったことを暗示してる……コレだ。
実業家は性豪であり、愛情表現は常にベッドの上だったということだったのだろう。最初はディープキスで湖月を誘惑しているようにも見えた冥だったが、そうではなく、その方法での愛情表現しか知らなかったということなのだ! つまり最初に恋に落ちたのは冥!
本人の立場:ワンドのペイジ(正)
冥さんがこの愛の逃避行にこれ以上ない情熱を燃やしていることが分かる。前夫と一緒にいるのが余程嫌だったのか、不安定ながらも新しい生活にこの上ない希望を抱いているのだ。
どうやらこの世界線の冥さんは色々な意味で「若い」のだろう。将来のことをロクに考えておらず、望まぬ結婚生活を続け、でも愛というものを教えてくれる「王子様」がやってきて自分の「やり方」で気を引いた。湖月こそが本当の意味での初恋というのも若々しいペイジのカードとも合う。
周りの環境:ペンタクルの5(逆)
貧しい人が教会の前を通り過ぎる絵柄、でもプライドがあるから教会の力を借りたくないという状況……らしい。本来は生きることの厳しさを示したカードなのだが、今回は逆位置。その意味は……意外や意外、そんな悪い状況を打破できることを示している。
やはり喧嘩を売る相手があまりに悪かったようで、あの手この手で湖月を次々と追い詰めていく実業家の男。冥を連れ戻そうとする刺客が現れるのかもしれないし、湖月の会社にも魔の手が伸びて重要なプロジェクトから降ろされるとか何かしら不利益を被るようなことがあったのかもしれない。ペンタクルのカードだし後者が有力か。
だがそんな困難に二人は打ち勝てるであろうということを示しているのだ。
ポイントは一人だけで何とかしようとせずに助けを求めること。湖月は早いところ実業家の息がかかっていないであろう信用できる仲間の手を借りてみましょう。湖月に負けない凄そうなビジネスマン……シドあたり?
願望:カップの4(正)
なんとも退屈そうな顔をしていて雲からニュっと差し出されたカップにも気が付いていない様子。愛のない結婚生活に心底ウンザリしている冥さんの気持ちを表してるといったところでしょう。出来ることなら「白馬の王子様」にさらってもらいたいけれど、その存在にも気が付けない様子。
そんな中差し出されるカップ(愛情)はもちろん湖月のこと。惚れたのは恐らく冥さんからなのだろうが、どうやら一目惚れではなさそう。「ご都合出会いイベント発生」とやらが一体どんなものだったのか想像が膨らむばかりだ。
結論:ペンタクルのクイーン(逆)
尽くすことを意味する。それが逆位置であまり良くない影響を及ぼしているという意味なので……。
冥は初めて知った愛の対象である湖月に依存し過ぎている状態になっていることを示している。そうやって離れられないでいながらも「こづを信じたいけど、信じすぎたら捨てられた時のショックが大きいからダメ...!」とも考えてる。
捨てられないように、裏切られないようにと冥が必要以上に湖月にかいがいしく尽くしている様子を暗示しているのだろう。まるでDV夫から物理的には逃げきれたものの、未だに心は囚われたまま……みたいな。
つまり依存している割に正しい形で湖月に甘えられていない。前夫との結婚生活で余程人間不信になってしまったのでしょう。どれだけひどい目に遭ってきたんだ……?
まとめ
まだまだ若い冥はある日実業家の男に言い寄られ、彼の富と地位に目がくらんでしまい、好きでもないのに……いや、「好き」という感情を理解する前にプロポーズにOKを出してしまう。
晴れて実業家の妻になった冥だが、愛のない結婚生活は実に退屈で苦痛。しかもこの実業家が無駄に性豪だった説まで。冥は冥でそっち方面の才能が飛びぬけていたので、ますますベッドの上で求められる有様。
金銭的には満たされていても本当の愛のない鬱屈したそんなある日、湖月と出会う。一目惚れではないが何度も仕事のために通う彼に次第に惹かれていく。冥は初めて感じた人を愛する気持ちに突き動かされるがごとく、湖月にアピールするがその方法はよりにもよって口づけだった。恐らくその口づけの前後に「私をさらって」とでも囁いたのだろう。
コレに目を白黒させるは湖月。もちろん取引先の妻に手を出すわけにはいくまいと湖月は無視を決め込むはずだったが……まあ大変そうだということを知っていくうちに(あと二人きりになるたびに交わす接吻があまりに心地よかったので)彼女のことを心から救い出そうと思う。
ちゃんとした計画は思いつかないなか、ある日湖月は海外赴任が決まる。このままでは冥ともう会えないと焦った湖月はこれを好機と見て、冥に海外へ愛の逃避行をしないかと持ち掛け、飛行機のチケットを渡す。
最初はためらうも、現状を打破するためには……と冥はチケットを手に空港へ。
そしてイラストの通りに。惚れたのは冥側なのに「全て僕のしたことです」と涼しい顔して全てを被る湖月はやはりイケメンである。
いざ海外に出ると冥に逃げられたことを察知した前夫はすぐさま湖月が犯人だと突き止め、己の金と権力で湖月達を次々と追い詰めていく。海外でのプロジェクトを急に降ろされたとかしたのかもしれない。
湖月はその国で成功してる古い友人(シドか?)の手を借りて何とか持ち直す。紆余曲折はあるものの状況を打開して異国の地で一応の安寧を得る事は出来た。
しかし冥は今も湖月にいつ裏切られるのかと心から信頼できておらず、縁も所縁もない異国の地で捨てられないようにと必要以上に甲斐甲斐しく接する。このままでは健全な夫婦関係とは言えないだろう。
空港で罪悪感から泣きながら湖月に抱き着いたとき、実は不倫をしてしまう事以外にも、その不倫相手である湖月のことも心の底から信用しきれてなかった罪悪感もあったのではないだろうか? 潜在意識の逆位置の恋人にもそういったどっちつかずで選べない状況という意味があるのだ。
つまり今の冥さんに必要なことは心の底から愛するということを教えてくれた湖月のことを、行き当たりばったりで不安定とはいえ希望にあふれたワクワクとした旅に誘ってくれた湖月のことを、いろいろ追い込まれた時も見捨てずにプライドも何もかなぐり捨ててシド(推定)に頭を深々と下げて助けを求めた湖月のことをもっともっと信頼し、ちゃんとした形で甘えること。
大丈夫、アナタが心から選んだ素敵な男性です。女教皇のカードが示す通り、冷静に清らかに理知的な判断は出来ている。あるいはこれから出来るようになる。ならばその選択を信じてみましょう。次は笑顔で抱き合う事が出来ますように……。
この占いで出た結末、その続きも占ってみました。
困難を乗り越えたのにどこかギクシャクとした二人。どうすれば本当の意味で心を通わせることができるのかを「ハートソナースプレッド」で占ってみました。