Never Awakeのボス達を考察する(ネタバレ注意!)
※本投稿はneotro開発の全方位STG
「Never Awake」のネタバレが多分に
含まれておりますので、ご注意ください。
悪夢の中で戦う本作は全方位STGというSTGの中でも少々マイナーなジャンルに位置するも、道中やボス戦が細かく仕切られていたり、丁寧な攻略のヒントやプレイする度に追加される様々な強化アイテムの存在などで非常にユーザーフレンドリーな作品となっている。
今回はそのシナリオ面での考察を自分なりに行っていこうと思う。
ステージ内の演出の他、収拾要素であるアルバムの写真や日記などで、色々と考察が出来るようになっているのだ。
各ボスのトラウマの原因推測
ゲームを始めると最初にとても丁寧な基本操作のチュートリアルを受けることになるが、それが済むと訳も分からず悪夢の世界に放り出される。
襲い来るモンスターを撃退していき、時には攻略のヒントを見ながらステージを進めていき、ワサビやらナスやら、犬やら歯医者さんやらを倒していくことになる。
これらのボスはレムのトラウマになったものが悪夢として形を歪めたものが大半であることがアルバムの写真で明かされる。
寿司を食べてワサビが辛かった、やたらと犬に吠えられた、歯医者さんが怖かった……などなど。
以下にボスとレムの関係性を容易に推測できたものを挙げていく。
ワサビ……アルバムに寿司の中のワサビを嫌がる姿がある。
ナス……直接の描写は見当たらなかったが、多分嫌いな食べ物なんだろう。
ベジスクラップ……というか野菜全般が嫌いらしい
チェイサー……犬に追い掛け回された。
ウォッチドッグ……やたらと吠えられた。
メルちゃん……ポーチを持ってかれそうになったらしい。
歯医者さん……虫歯の治療が大変だったらしい
コンパスと跳び箱……それぞれ学校で比べられる学力と体力のメタファーか?
トイレのカナコちゃん……クラスの人気者。別にレムをいじめてたわけではないようだが……?でもなんでトイレ?
カバードコアMk-II…じゃなかった、マッドホイール……そりゃ車にひかれる事故に遭えばねぇ
メガウェポン……おばあちゃんから聞かされた戦争の話?
スマホ……姉が自慢げに見せつけてた
シータ……レムは何でもできる(レム視点)姉がコンプレックスだった
両親……子供の前で夫婦喧嘩するもんじゃありません
ガベちゃんと白いレム(オリジナル)はイマイチ分からなかったが、まあレムに深く関連する架空のキャラクターという共通点はあるよね。
トラウマの原因が分かりにくいボスたち
その一方で、一見レムが何故怖がっているのかが不明瞭なボスもちらほらと散見される。
そういうのは大体家族のようにレムにとって特別な存在だったりするのだけれど……一部その条件にすら当てはまらないボスもいるのでその辺りを考察する。
クマムシは何のトラウマ?
まずはWORLD3の「TARDIGRADES」。日本語に訳すと「緩歩動物」。
クマムシみたいな種類の生物であり、肉眼では見られないほど小さい生き物らしい。
無理矢理アルバムの内容に繋げるとするなら、レムが腕を骨折した時に病院でレントゲンを撮ることになり、その時、病院のどっかで見たでっかいクマムシ的な見た目のホルマリン漬けが怖かったとかそんなとこだろうか?
確かに「TARDIGRADES」戦は何故か一緒にデーモンコアみたいなのも漂っており、コイツに撃ち込んで作動させると、まるでレントゲンのようにボス本体の弱点が一定時間露出する。
このボスの倒し方は、レントゲンで露出した弱点を撃ち込んでソウルを集めるというものであり、それ以外の方法では倒せないようだ(つまり完全撃破できない)。
それにしてもレントゲンは放射線を用いる事とか、デーモンコアも放射線に関係するものだとかを知ってるレム(小学3年生)っていったい……?
意味が分かると怖い猫
他にもレムのトラウマと関係なさそうなボスがいる。
WORLD5の「SPLIT CAT」。一つ目の猫がスプリットの名の通り分裂した体のどこかに頭を生やし、他の胴体でショットを阻んでしまう難敵だ。
コイツもアルバムや日記にそれらしい描写がない……いや、あった。
あったけどコレを認めてしまうと、とても惨いことが起きていたことになる。
アルバムの中で父親がわき見運転をしてるという写真があり(シータのリアクションから明らかに何かにぶつかりそうになる寸前)、日記でも車のスピードを出し過ぎて怖かったという文面が。そして胴体がバラバラになった猫である。
親父さん、この時に猫をひいたんじゃ……?
そしてその惨状をレムが目の当たりにしてしまったとしたら……!
倒せるボスと倒せないボス
まるで某地下のお話の「Gルート」である。
Never Awakeといえばソウルを一定数集めてクリアする……というルールがボス戦にまで適用されてるのが特徴であり、ボス限定だが「誰も死ななくていいSTG」という側面もある。
逆に従来のSTGのようにボスを完全に倒すことも出来る。
興味深いのはほとんどのボスの最終形態がやたらと弱いというもの。それだけではなく、明らかに降参してたり、こちらを怖がってるような仕草を見せるボスも多いのだ。
ナスや番犬、メルちゃんは頭を抱えて怖がるし(泣いてるようにも見える)、同じくコンパスも膝から崩れ落ちて泣き叫んでるように見えるし、ガベちゃんも転びながら駄々っ子みたいに手足をばたつかせる。
カナコちゃんに至っては明確に泣きながら逃げてるし(涙も敵弾判定なのでやたらとめんどくさい)、全身武器のメガウェポンとか何故か持ってる平和マークの旗をまるで白旗を振るように掲げたりする。
……とまあこんな感じで、完全にボスを倒すということは戦意を失った相手に無慈悲な弾丸を浴びせることを意味する。
この某「地下のお話」のGルートみたいな展開だが、最終ワールドの真相が分かるとそれも納得がいくのだが、そちらについての考察は後日行うこととする。
倒せないボスたち
基本的にボスは完全撃破できるのだが、いくつか例外も存在する。
ここでは、その理由も考察しようと思う。
まずはシータ。最初に邂逅した時は記憶がないようだが、アルバムを集めていくとレムの姉であることが分かる。
まあ姉をぶっ飛ばすわけにもいかないので、これはなんとなく察しが付く。
同じ理由でワールド6は夫婦喧嘩する両親がボスとして出てくるが、コイツらはレムの手で倒すことはおろかダメージを与えることすらできない。
上手く攻撃を巻き込んで共倒れさせるというのが正攻法であり、これは完全撃破を狙う時も同じである。
以上のことから家族は完全撃破不可能ということでいいだろう。
その一方でガベちゃんは完全撃破可能だったり、最終ワールドに登場するガベ様になると途中で回避不能の全体攻撃を仕掛けてくるのでそれまでにノルマを達成しないといけなかったり(つまり完全撃破不可能)と立ち位置が不安定である。
プレイヤーの操作するキャラはレムがかつて描いたものであるらしいことが分かるのだが、そのキャラのオリジナルもボスとして登場する。
コレは……どうなんだろう? 一応2周目以降が存在してるので撃破したってことになるんだろうか?
……で、問題は「TARDIGRADES(クマムシ)」である。ストーリーにもロクに絡んでこないし、レムとも何の関係もなさそうなコイツ。コイツもまた弱点を散々撃ち込んでも完全撃破される気配が全く見られない。
どういうことなのかとしばらく頭を抱えたのだが、コレはそもそもクマムシ自体がものすごい耐性を持ってるのが由来なのだろう。
なんでも真空の中でも生きていけるし超低温でも100度の高温環境下でも生きていけるとか放射線も人間の1000倍耐えるとか……。さすがに乾燥すると生命活動を止めるらしいが、再び水を得るとまた動き出すとか……お前は黄金バットかっ!