もしも地方勤務が決まり泣く泣く彼女と別れた湖月が2年ぶりに大人っぽくなった彼女と再会して復縁したらどうするべきかタロットで占ってみた
※本コンテンツは塔果さんの創作キャラ「湖月」をタロットカードで占い、自分なりに解釈をしてみたものとなります。
まずはこちらの漫画を見てもらいたい。
彼らは湖の底にある「選ばれなかった可能性」が沢山沈んでいる不思議な「ホテル・ラーブル」の支配人「冥」とコンシェルジュ「湖月」なのだが……って、なんだこの尊い二人の関係性はっ!? 心の臓あたりにこみ上げるものがあってしばらく占いどころじゃなかったぞ!
こんなの占うまでもないやろっ! 行けっ、湖月っ。行けぇっ! ここで行かなきゃ一生ヘタレという名前の十字架を背負って生きていくことになるぞ!
……とまあ、それで結論付けてしまったら企画もへったくれもないし、漫画を見てる我々は冥の深層心理もバッチリ分かってるいわば「神の視点」というやつなので今の湖月にそんなこと言うのは酷であろう。
今回も実際に「もしも占いを依頼してきたら」という体でこんな文面まで用意して貰った。
「先日好きだった彼女と復縁できました。今度は絶対に手放したくないのですが、積極的に接しても大丈夫でしょうか?まだ復縁してすぐなので、もう少し様子を見た方がいい気もします...」
というワケでタロットをまぜまぜしケルト十字スプレッドの形にしてオープン!
う、う~ん……。全体的に良い雰囲気を感じないぞ。しかも塔のカード出てきちゃってるし……。
現状:ソードのナイト(逆)
勇猛果敢に剣を掲げて突き進む……。それが逆位置で出ているということはそれが裏目に出てしまうことを表している。
今のまま突き進んでも、つまり積極性を出しても良い結果は得られないであろうことが分かる。
なぜそうなってしまうのか、周囲のカードから解釈していこう。
原因または障害:ペンタクルの5
ケルト十字スプレッドではこの部分は正位置逆位置にとらわれず両方の可能性でリーディングするものらしいので、今回はその方法で解釈していく。
厳しい状況、そして助けが来ない。湖月はどうやら自分でそう思ってしまっているのだろう。
また居場所がないと感じているという意味もあり、湖月が新しい勤務先でどう身を振ればいいのかよく分かっていない状況も透けて見えてくる。
この調子だとシグの手によってお泊りイベントが発生したことにも気が付いていなそうである。
顕在意識:ペンタクルの2(逆)
2つのコインを巧みに操ってる曲芸師の絵らしい。逆位置ということはその巧みさがない。慣れない職場の中、これまた彼女とよりを戻したという目まぐるしく変わった状況に湖月がまるで対応できていないことが分かる。
具体的にはアフターストーリーの方でこれからのことを話そうとしてまとまりがつかなくなっていたシーンのことを示しているのだろう。
また人を楽しませる曲芸師が逆さまということは、湖月が現状を楽しみ切れていないらしいとも解釈できる。
これまたアフターストーリーから引用するが、冥に「今までのことよりこれからのことを話したい」「これまでのことは取り消せない」と口にしてる湖月から過去のことに相当負い目を感じているという側面も感じた。
そんなアンバランスな心の内なのに直後のキスシーンはカッコよく決めるんです。ほんとズルいですよこのイケメン。だって見つめ合って口づけして終わったかと思ったらより蕩けた顔して見つめ合ってまた口づけするんですよ。「湖月さんの……そういうところ、ずるいです」ええ、筆者もまったくもってその通りだと思ってます。
潜在意識:ペンタクルの4(逆)
コインを抱え両足でもコインを踏みしめてる様子。豊かさへの執着を示したカードであり、逆位置なので強欲さ、すべてを手に入れモノにしたいという気持ち。
今回は恋愛絡みの悩みを見ているので、その湖月の深層心理は……冥を束縛して支配したいと心の底で思っていることになる。一度手放してしまっただけあって異常に膨れ上がった執着心が見て取れる。依頼する際にも「今度は絶対に手放したくない」なんて言ってたし……。
「これからは冥ちゃんとの時間を大切にしたいと思ってるんだ」って台詞もなんだか意味深に聞こえてくる……?
過去:ワンドの10(逆)
重荷を背負っているカード。逆位置なのでそんな重圧から解放されたいと思っていることを示す。
これは実にわかりやすい。地方勤務が決まり、冥との遠距離恋愛は現実的でないからと一方的に関係を切ってしまった湖月のことを示している。冥の将来を気遣ってのことらしいのだが、これでは無責任に重圧から逃げているだけとも取れる。
未来:ワンドの6(正)
ワンドを掲げ勝利の凱旋を行ってる様子。凱旋なので褒めたたえられているという意味もあり、恐らくシグやキユからもお祝いされる、つまり正しい方向で恋愛関係が進展することを占める。
勝負ごとに勝つという意味もあるにはあるのだが、この場合のライバルは一体誰になるのだろうか……? 他でもない湖月自身なのかもしれない。インモラルな恋人関係になりかねないことは潜在意識のカードが示していたが、そんなほの暗い欲望に打ち勝てるということを示しているのだ。
本人の立場:塔(逆)
崩壊するバベルの塔を示す正位置でも逆位置でも破滅的な意味を示す塔のカード。ガツンとした強烈な衝撃で一瞬にして最大のショックが襲い来る……のが正位置だが、逆位置だと最初の衝撃は小さいものの、ジワジワとボディブローのように効いてくることを意味する。
恐らくは冥を振った後の湖月の心理を示しているのだろう。最初のうちは「これでよかったんだ」と自らを鼓舞するように言い聞かせていたものの、手放した愛はあまりに大きく、2年間ずっとずっと後悔し続けていたのだろう。その結果、湖月は2年間で他の彼女を作ることもなくただただ一途に冥を想い、なんなら危険なレベルで執着心が膨れ上がっている。
周りの環境:カップのキング(逆)
ユラユラと揺れる玉座にデンと腰掛ける王様。正位置なら何が起きても寛大でいられる器の大きさを、逆位置なら翻弄されてユラユラとあっちこっちに行ってしまう不安定さを示す。
急に振られて翻弄される冥を示しているのだろうか?
周りの環境ではなく相手がどう思ってるかと解釈するのなら冥が湖月のことをそう見ていると解釈できる。
つまり冥の目には日和ってる湖月が映っていたということに……。劇中でもお泊りを(余儀なく)提言する湖月相手に「でもそういうの……好きな人以外にはダメだと思います」とピシャリと一言。湖月自体は2年間ずっと冥のことを思い続けていたのに、当の冥からはとっくに他に恋人が出来てしまったのだろうなと思われていることに。
願望:司祭(逆)
秩序やルールを意味するカードが逆位置。秘めたる欲望に身を任せモラルに反したことをやろうとしてますねぇ……。
深層心理で冥を束縛したい疑惑が上がっていたが、冥ちゃんを束縛したり監禁しようとしてる。この世界線の湖月は一途を通り越してヤンデレというやつのようだ。まあ2年間も思い続けてるんだもんなぁ。
地方で2年間も仕事してて、本社へ栄転できたってことは会社員として優秀な成績を残してきたのだろうことは容易に想像がつく。そしてこのイケメンっぷりだ。モテない筈がないのに、でも冥と再会するまではフリーだった。それだけ冥に固執していたか、あるいは本人も知らない危険な側面を醸し出していたのか……。
結論:ワンドの3(正)
新しい目標へ動き出すその時を待ち構えている姿。誰かが背中を押しさえすればすぐにでも決意が固まる状態であろう。そう、2年間も連絡も取らなかったであろう相手のことをひたすら思い、再会してからその気持ちに冥も応えてくれたのだ。「最後の準備」さえ整えればもう積極的に接してしまっても構わない。
ところで筆者の使用してるタロットの絵柄だと、白い猫の内側に黒い猫がいるようにも見える。ここからは完全な筆者の妄想というやつだが、内面にいる黒い猫は湖月自身の心中にある過剰な支配欲を示しているようにも見えるのだ。
そのどす黒い己の気持ちと決着をつけること、自分が押さえつけなくても冥はついてきてくれること、それを信じることこそが「最後の準備」なのではなかろうか?
まとめ
建前は彼女の未来を尊重するため、しかし本音はこの恋を良い思い出として終わらせるため、そんな無責任とも捉えられかねない別れ方をした(ワンド10逆)湖月はやはり内心スゴク後悔していた。自責の念に2年間苛まれ新しい彼女も作れない程に(塔逆)。一方の冥はそんな湖月の無責任さをしっかりと見透かしてしまっていた(カップキング逆)。
見知らぬ土地での初めての社会人としての生活は大変で、シグ経由で近況聞けばいいじゃんという発想も生まれない(ペンタクル5)。
紆余曲折あり復縁出来たもののこれまた急な転勤と復縁という環境の変化に翻弄され、現状をまるで楽しめていない(ペンタクル2逆)。
自責の念に駆られた2年間はあまりに長すぎたか、それとも一度手放したことで執着心が膨れ上がったか、もう冥を手放したくない、たとえどんな手を使ってでも……と危険なレベルで執着し始め(ペンタクル4逆)、二人の関係がなんともインモラルになりかねないことを暗示している。具体的には冥を束縛・監禁してしまうだろう(司祭逆)。そんな状態で積極性を見せても臨んだ結末にはならないだろう(ソードナイト逆)。
その内に秘めた不健全な心に湖月は打ち勝つことができる(ワンド6正)。
そしてその時は意外とすぐそこにまで迫っているであろう。2年間冥を想い続けてきた湖月と同じで、冥も湖月のことを(日和ってるなぁとは思いつつも)想い続けていたのだから(ワンド3正)。
実は……
今回のタロット占いなのだが、カードをシャッフルして回収する際に1枚だけ回収しそびれてしまったものがある。そのカードというのが……
女帝である。カードを並び終えて片付けようとした矢先、手元に1枚だけカードが残っているのに気が付き、手に取ってみたらそれが女帝だったのだ。
つまりこの占いの結果の大前提に「女帝」の存在があるのではないだろうかと考えた。その意味は溢れんばかりの愛や豊かさ、そして落ち着ける関係……。恋愛的な意味に落とし込むと、愛し合う関係や思いやり出会いを育むというもの。
湖月ヤンデレ説が出てきたが、2年間の寂しさがその一途さを歪めてしまったのだろう。
そう、占う前から既に結果は出ていたのだ。「行けっ。湖月っ、行け!」と。というか一緒にお泊りして2度もキスしといて「もう少し様子を見よう」だなんてムーブをかましたら、それこそ冥ちゃんに優柔不断な男と評されてしまうぞ!
ただし絶対に手放したくないという気持ちが強く出過ぎて冥ちゃんを必要以上に束縛する傾向にあるのでそこだけは注意!
ここからは完全に余談だが……
それで背徳的な湖月の内面との決着の付け方なのだが、湖月にとって身近な「あふれんばかりの愛」を振りまくという存在というのは実はシグとキユのことなのではなかろうか? この世界線のシグキユがいつから恋人同士だったのかは分からないが、恐らくカップルとしてはこづ冥よりも先輩にあたるだろう。
恋人の何たるや、どうやって愛すればいいのか、どうやって楽しいと思えばいいのか、頭が凝り固まってしまい迷ってるというのなら、もうこの4人でダブルデートと洒落込んではどうだろうか? お互いに仲良さそうだし、シグだったら喜んで企画してくれそうであるし、キユも面識のなかった冥と仲良くなれるいい機会になる。ペンタクルの5、つまり助けになる存在が身近にいるけど気付いてないという意味にもかかる。
そう解釈すると未来のカードに出たワンドの6の「ライバルに勝利」というライバルというのはシグキユのこと説明がつく。
実はワンドの6の前を描写してるワンドの5は争ってるカードなのだが、どちらかというと「スポーツで競う」みたいな健全な闘争心を意味するものなのだ。それに勝つということは、そう、シグキユ以上にラブラブになる。
ラブラブな先輩シグキユに導かれるぎこちない後輩こづ冥。4人で出掛けて楽しんで、イチャイチャっぷりでしのぎを削り合い、それで4人の親睦が深まる。で、終わってみればあんだけぎこちなかったこづ冥はシグキユもビックリするレベルであまあまになってる……っての、見たくないですか、塔果さーん!