【二次創作】公式から設定がほぼ名言されていない推しの部屋を想像で描くしかない【KOUGU維新ファンアート】
はじめまして。あかつきはるかです。
私はKOUGU維新というコンテンツが好きです。
その中でも、『マイナスドライバ』と『メス』というキャラがとても好きです。
今回はそんな二人のデフォルメイラストを描いてみたいと思います。
描きたいと思ったきっかけですが、手持ちのスマホのカバーをよくある透明のものに変更し、何かステッカーなどを挟みたいな〜と思ったからです。
ひとまず、完成したイラストがこちらになります。
本記事は、イラストのメイキング及び、普段私がどんなことを考えながら絵を描いているのか、などをゆる〜く書いていけたらと思います。
また、構想〜色塗りまでの作業は全てiPadで行っていきます。
よろしければ、お付き合い頂けますと幸いです！
■ キャラクター紹介 (ざっくり)
今回描いていくキャラクターのざっくりのご紹介です。
既にご存じの方や、メイキングだけ知りたい方は、読み飛ばしていただいても構いません。
(著作権の都合上、ファンアートでのご紹介になります。一部説明にはWikipediaを参考にさせて頂いております。)
◇ メス
…この『メス』という男、公式からあまり設定やストーリーが語られていません。ストーリーでの登場回数も2回(そのうち1回はセリフ一言のみ)ととても少なく、セリフの合計文字数も原稿用紙一枚ギリ満たないくらい、本当に謎の男です。
◇ マイナスドライバ
この二人、「工具リベリオン」という同じ組織に所属してはいますが、公式ストーリーでの絡みはほぼありません。
今回は、そんな二人を完全に想像と捏造で描いていきます。
■ 構想・資料集め
一概にステッカー、といっても色んなものがあります。
キャラクターだけが映っている、デフォルメイラスト。
周りを切り取って使ったり、正方形に切り取って使える。
昔描いた一枚絵を、そのままカードのようにしたもの。
このときは名刺の裏側に印刷し、ひとつひとつ違う絵柄の名刺をお配りしました。
まずは、自分がどんなものを描きたいのか、どんなステッカーを作りたいのか、Pinterestで資料を集めつつ、個人の希望と照らし合わせてみました。
◇ Pinterestで資料集め
集めた各画像から、これいいかも…という要素を抽出してまとめ、イラストを描くときの参考資料にします。
色味はこんなイメージかな、構図・図法はこういうイメージかも...といったざっくりとしたものです。
(まるまる真似するわけではなく、あくまで参考資料です！)
=======
◇ 個人の希望(こんなものを描きたい！)
・かわいい雰囲気/デフォルメ
・デフォルメだけど、しっかり描きこみたい
・見応えのあるもの じっくり見れるもの
・色にこだわりたい
以上、資料集めと自分の描きたいものを照らし合わせて、イラストのコンセプトを決定しました。
◆ イラストのコンセプト
ストーリー性のある、見応えのあるかわいいイラスト
以上のコンセプトを踏まえ、今回はメスさんのお部屋が舞台のイラストを描いてみることにしました。
お部屋は、自身の性格や職業、バックストーリーや本人のことがそのまま分かるモチーフであり、部屋に置いてある家具や小物などで、他キャラクターとの関係性についても描くことができます。
昔描いた油画のキャンバスが床に直置きしてあったり、PCが日夜開きっぱなしであったり、
棚に本があふれかえっていたり、机の上がなんかごちゃごちゃであることから、
この部屋の主は、ずぼらで整理整頓が苦手だということがわかります…。
また、イラストの複雑度が増し、見応えのある画面も表現できると思いました。
コンセプトや、描きたいものが決まったところで、次はイラストのストーリー性や、メスさんのお部屋について想像を膨らませていきます。
■ イラストのストーリーを考える
普段趣味でイラストを描くときは、パッと頭に浮かんだものや、これ描きたい！！！って思ったポーズや場面を直感的に描くことが多いです。
色気のあるメスさんが描きたかった
ペタン座りするマイナスさまが描きたかった
ですが、今回はイラストにストーリー性を持たせたかったので、ストーリーやキャラクターについて、今一度掘り下げて考えてみました。
マイナスドライバ(右上)と、その敵であるダイヤモンドカッター(左下)が南蛮の地で戦っている。
屋根や煙突の上で攻撃をするダイヤを避けて、カウンターを与えようとしている。
シンプルな構図であるが、表情とシチュエーションで絵にストーリーが生まれている。
メスさんとマイナスドライバさまがお部屋で何をしているか、を考えていきます。
まずはメスさんが過去何をしていたかを振り返り、そこから色々広げていきます。
(メスさんってサイリウムを新しい実験材料としておもしろがってたな...なら後々研究とかもするんだろうな...、普段人前に出ないってことは夜活動してるのかな...、マイナスさまも同じ組織の上司として、たまには様子見てやったりしてたらいいな...) …など、自分の好みも混ぜ合わせて、
「これやっててほしい！」という希望を文字や落書きで残していきます。
そして、最終的に決めたストーリーが以下になります。
◇ ストーリー
■ どんな場面？
メスの研究を、マイナスドライバが手伝ってあげている場面。
■ 何の研究？
→サイリウムの発光のしくみについての研究
■ そのサイリウムはどこから手にした？
→工具祭で人間からぶんどってきた
▢ ストーリー詳細
――任務終わり。
夜遅くの研究。なかなかメス一人では成功しなかった課題だったが、マイナスドライバが加わると、一瞬だけだが液体が明るく光った。「時間の無駄だ」と、初めは研究に乗り気でなかったマイナスドライバの表情が、驚きへと変わっていた。
キャラ同士のストーリーを考える工程がとても好きなので、時間とのバランスを見て楽しく作っています。
このストーリーを踏まえ、メスさんのお部屋について考えていきます。
◇ メスさんのお部屋を考える
メスさんを端的に表すとマッドサイエンティストです。
マッドサイエンティストのお部屋、色んなものが想像できます。
こちらの画像はライトで大きめの部屋ですが、
ものによっては、培養液がうようよ...変な生命体がにょきにょきしていたり、
人間をも実験材料としてしまうメスさんには、そういったイメージも合います。
メスさんは必殺技が錬金術っぽそうなので、こういうのもアリ...？
全く手入れされてない、廃墟みたいなお部屋。不気味。
私は、メスさんには『不気味』『不思議』『魔術』、どのイメージもあると思っているので、上記の3つのお部屋も割と住んでいそう・合いそうだなぁと思ってしまいます。
これはこれで良く、メスさんの不気味なイメージだったり、医療のイメージとも合っています。
ですが、今回描きたいイラストは『かわいい』イメージです。また、KOUGU維新のストーリーが明治時代の日本を舞台にしているのもあり、以下のようなモチーフで描くことにしました。
◇ 明治村にある、清水医院
また、モチーフが病院ということもあり、いくつか現代の診察室の画像も資料として集めました。
資料を集めている間も、「メスさんってもしお医者さんだったら何科だろう...？」
「メスさんはお部屋に何を置いているだろうか...」など、楽しんで考えます。
メスさんは公式から設定が語られていませんが、裏を返せば、『無限の可能性がある』ということです。その数多ある可能性を絵として表現するべく、解釈違いを臆せず、たくさん想像していきます。
メスを演じている中の中の人の要素で入れられそうなものがあれば、
小ネタやおまけ程度として入れていきます。
以上、大体のお部屋の構想とストーリーが決まったので、やっと下書きに入っていきます。細かい点や置物は、実際に描きながら足したり引いたりして、調整していきます。
■ 下書き
お部屋...の描き方は色々あると思うのですが、デフォルメということもあり、見下ろし型で部屋全体がパッと見で分かりやすい構図にしました。
Blenderや3DCGのお勉強をしたことがある方は、
一度は目にしたことのある構図ではないでしょうか。
部屋の構造を考えるにあたり、基本はパースや二点透視図法を使用して描いていくと思うのですが、私はそれがとても苦手なので、3DCG空間内で考えていきました。
プリミティブを配置するだけで、簡単に部屋っぽいのが構想できます！
部屋のどこに何を置くのかが大体イメージがついたところで、3DCGのパースに沿って下書きを描いていきます。
色の完成イメージも掴んでおきたかったので、色も簡単に塗っておきます。
ほぼイメージが変わっていないのがお分かりだと思います。
お仕事で絵を描く時は、ご依頼主さまに、まず画面左のような色ラフ段階で提出し、完成イメージをつかんでいただいたり、これで問題ないかご確認頂きながら、イラスト制作を進めていきます。
色はPinterestで集めた資料を元に、ポップでケミカルなイメージで配色していきました。色味だけで科学っぽい雰囲気を感じていただけたら幸いです。
完成までのイメージが掴めたところで、線画・色塗りに入っていきます。
■ 線画
下書きに沿って線画をしていきます。
今回はデフォルメのイラストなので、背景にはGペンのように入り抜きがあるブラシではなく、筆圧が一定になってくれるブラシを使用しました。
画面の手前側、奥側だったり、ディテールのこまかさなどに応じて、画面上で潰れないように線の太さも変えていきます。
(キャラに隠れて見えていないところも全部描いています。)
(線が無い場所(メスさんのショルダーなど)は、色のみで表現したり、
線がはみだしているところは、後々マスクで消していきます。)
色を置いてから、必要に応じて後々線画の色も変えていきます。
■ 色
パーツごとに色分けしたレイヤーに、先ほど描いた色ラフをクリッピングし、その上から塗り込む形で塗っていきました。
色ラフにはありませんでしたが、背景のビル・ランドマークタワーや、ガラスの質感を追加。
そして、あらかた色を塗り終わりました。改めて、背景の小物やオブジェクトにはこういった意味合いが込められています。
このままでも充分良いのですが、もう少し画面の雰囲気をアップするために加工していきます。
■ 加工
ここからはPCで作業していきました。
印刷用データの作成であったり、境界線にフチを付けたりなどの加工作業が控えていたため、PCで作業する方が最適だっただからです。
レイヤー効果は、カラー比較や、ビビッドライトで重ねていきます。
■ ひとまず完成！！！
少しの加工で、雰囲気がグッと出て絵本のようなイメージに近付きます。
推しについて自由に想像し、自分だけのイラストを制作できました。とても楽しかったです！
こちらの倍速メイキング動画をYouTubeにアップしました。詳しい塗り方や、イラストができていく過程が気になる方はご覧下さいませ。
(お好みで倍速などでご覧ください…！)
イラスト制作は以上になります。
引き続き、印刷用にデータを編集していきます。
◇ 印刷用にデータ編集
この縁でハサミなどで切り取って、ステッカーとして使用したいです。
◇ おうちのコピー機で印刷
データができたら、お家にあったL判写真紙に印刷します。
切り口の白い側面が目立ってしまっています。
◇ かわいい！！
印刷だと少し色が白飛びしてしまっていたり、折角描いたお部屋のディテールが潰れちゃったりしているので、
うまいことトリミングしたり、色味調整などで試行錯誤するのも良いです。(色味については、プリンターとも相談しながら...)
今回はなるべく家にあるもので手作りしたかったのですが、予算や時間がある方、こだわりたい方は、業者さんに頼むのが一番だと思います...。
こっちの方がステッカー映えするかもです…！！
■ 最後に
ここまで読んで頂き、ありがとうございました。
推しについて想像するのは楽しいです！
推しについて想像し、そこから創作することは、一番楽しく省エネな推し活だと時々思うことがあります。
私は旅行に行くとよく『ここに旅行へ来た推しってどんなのだろう...』
って想像を膨らまして楽しんでいます。
最後に、二次創作においてよく『解釈違い』という言葉を聞きますが、これを恐れ表現を渋っていては、作れるものも作れないと思っており、可能性を潰していると思っています。
また、人によって解釈の度合いはそれぞれです。
ましてや趣味においては、他人の評価や解釈違いなどは気にする必要は全くないです。
世に出せる/出せないや、万人受けする/しないなどの、コンテンツの細かいルールは置いておいて、自分の好きなものが楽しく表現できれば、それが一番最高だと思っています！
「推しはこんなこと言わない」よりも、「推しはこんなことを言う可能性がある！」というスタンスで二次創作するのが一番かと思います！
…以上になります。
改めまして、ここまで読んで頂きありがとうございました！
楽しんでいただけましたら幸いです。
そして、今回描いたキャラクターの原作である『KOUGU維新』にこの場を持って最大級の感謝をさせていただきます。
最高のコンテンツをありがとうございます。大好きです！
◇【おまけ】ネップリやってます！(～2025,3/1まで)
本記事で制作したイラストのネットプリントをやっています。(3/1まで)
詳しくは下記画像をご覧ください。
(多忙により、執筆時点でプリントしたときの色味などは確認できておりません…。
あくまでプリントできるよ～という宣伝になります。もしよければどうぞ…！)
ステッカー、シール、観賞用など、常識と法律の範囲内でご使用ください。