【vol.01】ビジネスモデルキャンバス編
こんにちは。
今回は、本格的なUXの提案を形にするべく、「UX戦略」で得たノウハウを元に、社内のディレクターを巻き込んでワークショップを実践しました。
題材に選ばせていただいたのは、弊社のホームページです。このサイトをリニューアルするにあたって、最適なUXを実現するために必要な工程は何か?必要な資料は何か?を順を追って詰めていきました。
サイトのリニューアル時期は未定ですが、今よりずっといいものを作っているのでワクワクしてお待ちください。
ワークショップは単発ではなく既に様々なフレームワークを実施しており、記事公開時点で着手した資料は
ビジネスモデルキャンバス
ペルソナ
競合分析表
バリュープロポジション
MVP(Minimal Viable Product)範囲策定
ストーリーボード
MVP
とかなりの数になりました。
本シリーズは各資料の種類ごとに記事にしていく予定です。
その中で、今回は「ビジネスモデルキャンバス編」となります。
ビジネスモデルキャンバス
最初にすることは、ざっくり言うと「自己分析」です。会社なら「自社分析」でしょうか。
この自社分析には、「ビジネスモデルキャンバス」というフレームワークを用います。
これを番号順に、付箋などで埋めていきます。番号順にやることが大事です。(でも埋まらなければ飛ばしても大丈夫です。)
テンプレートによっては若干数字が前後することもありますが、概ねこの順番になります。
また、「この項目は何を書けばいいの?」ということが多々あると思うので、他社の事例などを見ながら埋めていくといいでしょう。
私たちは、下記記事のUberのビジネスモデルキャンバスの例を見ながら進行しました。
1.顧客セグメント
ターゲットの属性、または今いるクライアントの属性を記入します。幅広く要素を浚いましょう。
弊社では、
ホームページなどをはじめとした、Webコンテンツを制作して欲しい会社
協業目的の会社
人材調達担当者
などが主に挙げられました。
2.価値提案
後の工程でも重要な、バリュープロポジションにあたる部分です。
バリュープロポジションとは、「顧客が求めている、かつ競合が持っていない自社の価値・強み」です。
ワークショップでは、挙げられた内容の精査を行いました。
まず挙げられた内容を「機能的」か「情緒的」かで分類しました。
さらにその中でも、競合と明確に差別するため「機能的」な価値で重要なものをピックアップする、といった形です。
グループワークをすることで、新しい視点を得たり、理解を深めたりするきっかけがあったり、いいことが沢山ありますね。
こういったワークショップ、もといUXの最適化には、クライアントも混ざれると理想的だということを感じました。
3.収益の流れ
「クライアントはどんなお金を自社に払っているか?」
「どのように払っているのか?」の部分になります。
起業や新サービスの立ち上げに際しては、プリペイド、サブスクリプションなど、課金形態や課金メニューなども浚う必要があるでしょう。
ここまで埋めると、
誰に(1.顧客セグメント)
何を売って(2.価値提案)
儲けているか(3.収益の流れ)
が、見えてきます。
4.チャンネル
「顧客との接点として何を経由しているか?」
「何を通じて顧客に価値を届けるか?」の部分になります。
位置的にも「顧客」と「価値」の間に挟まっていることがわかりますね。
弊社では現状は「紹介」が多い傾向にあり、今後はSNS・求人媒体で発信を強化し、Webサイトの問い合わせからの獲得も増えるよう改善する方針です。
5.顧客との関係
見出しから掘り下げて、顧客との関係性をより具体的に表す要素を書き出します。
この中でも特徴的なのは「友達」、「相談しやすい相談相手」あたりでしょうか。弊社の特色のひとつだと思います。
お金だけの関係よりも気安いとでも言いましょうか、個人レベルの交友関係からお仕事が発生したりすることが多々あります。
6.主要活動
「価値を提供するためにどんな活動をしているか?」の部分になります。
会社でどんな仕事をしているか、どんな労働を提供しているかという内容を書ければ良いかと思います。
あくまでこのフレームワークは自社分析ですが、
「これもやれるようになりたい」
「将来はこの事業を拡大するぞ」
といった展望が見えてきたりします。
現状分析と未来設計を混在させないように棲み分けてメモしておきましょう。
7.リソース
「価値を提供するのに必要なリソースは何か?」の部分になります。
資材や機械といった物理的な資産以外にも、知的財産や人的リソースがあれば書きだしましょう。
ふと、仕事で使っている「ノートPC」は物理的なリソースとして書くべきだったかも、と思いました。
しかし、現状出向している社員や協業しているパートナーが多いので、自社が抱えるマストのリソースとしては記載する必要もないのかな?とも考えられます。
このあたりの匙加減はもう少し慣れが必要そうです。
8.パートナー
ここでのパートナーの定義は、「外部リソースと活動を担うサプライヤー(供給者)」にあたる人です。
弊社ではWebサイトの制作案件がメインなので、「自社とクライアント以外で案件に関わっている人や組織」が主に該当するでしょう。
弊社では、現状はクリエイターか、仕事を紹介してくれる個人・会社が主になります。
稀に印刷物の案件がありますが、その際は「印刷会社」「輸送業者」なども該当します。
9.コスト構造
今までの要素を全て踏まえ、「このビジネスモデルを運用することで発生するコスト」を書き出します。
ワークショップの段階では「人件費」一択でしたが、もっと書くなら
機材代(PCや印刷機)、メンテナンス代
オフィスの家賃、維持管理費
ネットワークや社内ツールなどのサブスクリプション
なども含めても良いかもしれません。
今回のまとめ
ビジネスモデルキャンバスを埋めた感想としては、会社の実態が明文化され、理解が深まりました。
自社を客観的に見つめ直すフレームワークとして、とても有効なものだと感じます。
参加したディレクター陣も「これは良い、業務上で大事なプロセスだ」と好感触で、このワークショップだけでもUXの最適化に価値を見出せた様子でした。
次回は、このビジネスモデルキャンバスを元に私がペルソナを制作し、ワークショップで社内レビューを行った様子を記事にします。