見出し画像

DTP作業におけるデータの管理・その4(保存形式)

作成したファイルを保存する際は、保存形式に注意しましょう。誤った保存形式を選択すると、新しいファイルが意図せず作成されたり、いったん保存して閉じると編集できなくなることがあります。

また、誤った手順が原因で元のファイルと新たに保存(書き出し)したファイルで内容が異なってしまうこともあります。ファイルを保存する際は、保存コマンドの使い方など、保存手順にも注意が必要です。

ここでは、データを保存する目的と作業の流れについて解説します。各アプリケーションの具体的な操作方法は別途書籍やネットの記事をご覧ください。

作業中のファイルと完成データ

ファイルの保存形式は、作業段階(作業工程)によって選択する形式が変わります。自分の作業がどこまで進んだか、どのような状況なのかを把握することが、正しい保存形式の選択に繋がります。

作業の進行にともなって、ファイルの保存形式は異なりますが、作業中のドキュメントと完成データの内容は必ず同一になるように保存・書き出しを行います。 両者で差があるのは、完成データの保存形式によるカラーモードやレイヤーの統合などの機能差のみです。

作業中のファイルは「ネイティブ形式」で保存

新規にファイルを作成したら、ネイティブ形式(indd形式・ai形式・psd形式)で保存します。

Photoshopでデジカメ画像などの既存ファイルを補正・合成する場合は、オリジナルのファイルを開いた後、ネイティブ形式(.psd形式)に保存(別名保存)します。

完成データは目的に応じて「保存形式を選択」

作業が完了しデータができあがったら、 保存形式を指定して完成データとして保存(書き出し)します。

完成データとして書き出す目的は、①印刷会社への入稿、②レイアウトへの配置用データとして使う、③Webサイトのバナーや画像として使用、などが挙げられます。それぞれ用途(と指示)に応じて完成データを保存(書き出し)します。

完成データの保存方法

保存形式を変更してファイルを保存する際は、必ず元のファイルを保存してから作業を始めてください。元のデータを保存したら、最適な「保存」コマンドを実行するか、「書き出し」コマンドを使用します。

Photoshopでは特定の機能を使用していると保存できない保存形式があるため、保存する形式に合わせてデータを編集する必要があります(レイヤーの統合やカラーモードの変更など)。

「書き出し」コマンドを使用する場合は書き出し可能なようにデータが自動変換されるため、書き出し形式にあわせた編集は必要ありません。

「保存」「別名で保存」「複製を保存」は、それぞれ保存するファイルや別途作成されるファイルの内容が異なります。それぞれどのような挙動なのか、各コマンドを使用する際に把握するようにしましょう。

作業中のデータ(オリジナル)は完成後も保管しておく

完成データを保存(書き出し)した後も、作業中のファイルは必ず保管しておきます。これは、データに修正が必要になった場合に備えるためです(製作作業では、必ずといっていいほど修正作業が発生します)。

作業中のファイルと完成データでのファイル形式

レイアウトへの配置用データ以外では、ネイティブ形式で保存したファイルをそのまま完成データとして使用することはありません。

アプリケーション(と用途)ごとの作業中のファイルと完成データの保存形式は以下のようになります。

※ 印刷会社への入稿に使用するindd・aiファイルは、作業中のファイルと同一ですが「パッケージ」を実行します。 Illustrator(配置用画像)は、作業中のファイルと完成データは同一のファイルです。「複製保存」や「書き出し」はしません。 Photoshop(配置用画像)では、作業中のファイルと完成データの保存形式は同じですが、カラーモードやレイヤーの統合状況などが異なります。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?