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「子育てエンジニアのためのキャリア会議」で話したこととエア質疑応答

先日↓こちらのイベントに登壇したので、このイベントで話したこと、質問が来ていたけど回答できなかったことなど書いておきたいと思います。後日動画も公開されるのかな。

なんだかめっちゃ長くなったので、かいつまんで読んでいただくと良いかもしれません。

自己紹介

軽くどんな人物か書いておきます。

高校      文系
2014年 筑波大学情報学群知識情報・図書館学類卒(学部卒)
2014年 ソフトウェア会社にエンジニアとして入社
              Webアプリ開発、自然言語処理、iOSアプリ開発を担当
201x年 転職(iOSアプリ開発)
201x年 転職(iOSアプリ開発。ほんの少しAndroidアプリも開発)
201x年 転職(Androidアプリ開発。iOS/Flutterも状況に応じて担当)
2021年 出産、約1年産育休
   (産後3ヶ月目から、育休しつつ月15時間程度勤務)
2022年 フルタイム復帰
2023年 転職(Androidアプリ開発。iOS/Flutterもやりたい)
2023年 出産、約半年産育休
2024年 フルタイム復帰(今月!)

エア質疑応答

産休・育休をキャリアのブランクと考えますか?

はい、そう思います。実際の開発現場でコードを書く、レビューをしてもらう、仲間と意見を交換し合うという経験がごっそり抜けるので、「なまり」を感じます。

産休・育休中に企業からどのようなサポートが助かったか、あったらよかったか?

  • 会社の制度の変化や出来事のまとめ

    • 第二子育休時はSlackの未読消化を諦めてしまったため、要点がまとまっていると嬉しいなと思いました。

  • オンラインランチでもいいから誰かと話す機会

    • 普通に大人と話す機会がほしいし、上記のような会社状況を聞くことができると、復帰時に浦島太郎になりすぎなくて安心です。第一子の時はたまにオンラインランチや飲みに参加してました。

復職後、スキル面で不安に感じることはありましたか?

第一子の時はそんなに感じませんでした。隙間時間に勉強ができていたし、短時間ではあるものの実務もしていたので。不安だったのは、8時間仕事をするスキルが衰えてないかでした(一応大丈夫だった)。

ちなみにもし短時間勤務してなかったらかなり大変だっただろうなと思います。というのも、育休中にモバイルエンジニア全員がFlutterで新規アプリ開発をすることになったので。幸い私は育休中にFlutter新規アプリの開発にも携われました。

第二子の今は結構不安です。まとまった勉強時間が全然取れず、技術情報のキャッチアップやコーディングが全然できていなかったので。コーディングの感覚が鈍っていたり、新しく使えるようになった技術を知らなかったりという状況が発生しそうだなと思ってます。

育休・産休に関して参考にしているもしくはSNSアカウントや参加しているコミュニティはありますか?

技術に関係ないところで言うと、

  • Xのママ垢

    • 同じくらいの月齢のママをフォローして情報を得たり、会話を楽しんだりしていています

  • Code Polarisの子育てチャンネル

    • 女性エンジニアコミュニティCode PolarisのDiscordに子育てチャンネルがあるので、テキストで会話したり、オンライン雑談会を開いて話したりしてます

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ここまでがイベント中にみんなが回答した質問です。ここからは、イベント中にsli.doに来ていた質問への回答です。
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在宅勤務時における子供との向き合い方

(熱を出した子供がいる状態で在宅勤務をする場合と解釈して回答します)

前提として、私は家に自分の仕事部屋があるので、いつもそこで仕事をしています。熱を出して保育園を休んだものの、なぜか元気に走り回っている子が家にいる場合(よくある)は、

  • 自分の仕事部屋で仕事しつつ、扉を開けておいていつでも子の様子を見に行ける状態にしておく/いつでも傍に来ていい状態にしておく

  • 子供部屋に設置している見守りカメラで様子を見る

  • YouTubeをつけておく

  • 新しいおもちゃを出して遊んでてもらう

などで対処してました。子のお昼やおやつの時間で中抜けした分、夜に仕事をすることもありましたが、基本的にはいつもと同じように仕事をしてました。一応なんとかなります。

現実的には、家に子どもがいて起きてる状態で仕事するのは困難ではないでしょうか?起きていたらPCを開いていても必ず邪魔されますよね・・

まあ猫みたいですよね、子供って(猫も子供もdisってません)。

0歳を横目に育休中に仕事してた時は、そこそこ可能でした。ちょこちょこ泣くんですが、うちの子は用件(おむつ等)が済むとわりとすぐ泣き止む子だったので…。

1,2歳になって、よく物事が分からないけど歩き回る時期になるとそこそこ大変です。が、先に回答した手法を駆使してなんとか仕事できてます。うちは旦那も在宅勤務で、分担して世話をしているというのも大きいかもしれません。

子どもの発熱などの対応をお伺いしたいです。親も休むのが理想ではあるものの、毎度休むと有給も足りなくなりそうですし。在宅勤務されているのか、完全にお休みになるのかなと、どのようにされていますか?

毎度休んだら大変ですね。長男は3歳になり、在園歴約2年ですが、未だに月1くらいは休んでるんじゃないでしょうか…?

その日のMTGの重要度、仕事の多忙度、有給の残日数、子の様子などを総合的に加味して、休むかどうか判断しています。

ちなみに病児保育を使うという手もありますし、内閣府のベビーシッター補助なんてのもあったりするので、外部に頼るのもありかなとは思います。

スキルアップのための時間をどのように確保しているのか

子供が夜寝た後、もしくは仕事中に頑張る、かなと思います。ゆうて夜は自分の趣味などにも時間を使いたかったりするので、なかなか多くの時間は取れません。

現在未就園児がいて自宅保育をしています。未就園児を見ながらお仕事やスキルアップのための学習をしたいのですが、なかなか時間が確保できません。みなさんはどのように育児家事以外の自分の時間を確保されましたか?

自宅保育お疲れ様です。毎日面倒を見ながらのスキルアップ、結構大変ですよね。イベント中にも話がありましたが、託児サービスを使ってみるのもいいと思います。

自治体にもよりますが、無料、もしくはかなり安い値段で子供の面倒を見てくれるサービスがあります。また、託児所併設のカフェや一時保育もあったりするので、そちらを利用してみるのもいいと思います。

私は旦那も育休だった期間が長いので、仕事してる時は見てもらうこともありました。

子どもが大きい年齢になっていないと就職/転職で不利になるような実感はありましたか?

子供の年齢云々という意味ではそのようなことは感じませんでした。子育てに理解のある会社は結構あると思ってます。

妊娠中の転職活動という意味では多少不利になる実感はありました。入社してすぐいなくなるのはちょっと、というかんじです。また、入社1年以内は育休を取れないという規定がある会社もあります。

私は第2子の時にほぼやむを得ず妊娠中に転職活動、転職してます。入社して半年後に産育休という形です。その時の話はこちらのnoteに書いてます。

メンバーとして、子育て未経験のEMに配慮してほしいことなどあれば聞きたいです

私個人は特にないです。逆にあまり配慮されたくないかなという思いも少しあります。例えば(これはEMの範囲外かもしれませんが一例として)「納期キツめだけど絶対面白い案件があるんだよね。でも子育て中だとちょっとの残業でもキツいだろうしxxさんはアサイン候補から外しておこう」を勝手にやられてしまうと、いつの間にか子なしエンジニアと格差みたいなものができてしまいます。子育て中でも、例えば親や公共サービスの手を借りるなどしてカバーできることもあるかもしれないのに、です。家庭によって、子によって状況はかなり変わってくるので、メンバーに子育て中の方がいる場合は、どうしてもらいたいかを個別にヒアリングするのが良いのかなと思います。

子育てしていない同僚に比べた時に差を感じる部分とそれとの向き合い方

「子がいなかったら、パートナーが専業主夫だったらどんな人生だっただろう」はたまに考えることがあります。子がいなかった時は(海外含めて)自由に勉強会やカンファレンスに行けて、好きな時間に好きな勉強ができて、先の予定もある程度自由に組み立てられて。それに比べると不自由やもどかしさ、その他「差」を感じることはあります。

が、人生全てを手に入れることは出来ません。子がいる人生を選んだわけなので、その中でベストエフォートで動ければいいのかなと思います。「できないこと」に目を向けるより「できたこと」に目を向ける方がいいかなと思うので、子がいたからこそできた体験を楽しめるといいですよね。

どうしても仕事ができない時間(17時以降の家事や朝送る等)ができると思いますが、会社でそこの理解は得られても、キャリアへの理解は表向きはそこを理由にキャリアを閉ざすというのはNGかと思いますが、実際難しいように思いますがどういう部分でキャリアを形成していくのでしょう

子育てしつつどうキャリアを築いていくかという質問と解釈します。

会社やなりたいキャリア像によるとは思います。

以前の会社の上司は保育園や習い事の送迎も含めて子育てしつつ、たくさんのMTGやその他仕事をこなしてました。カレンダーに「育児」みたいな予定が入っていて、基本的にはMTGを入れないようにしてました。

また、自分がそれを良しとするならば、キャリアの方向性を変えるのも良いと思っています。「最前線で、最新の技術をゴリゴリ盛り込んで開発する仕事からはしばらく離れようと思う。でも技術広報的な動きが得意だから、開発もしつつ、技術広報の仕事もしよう」みたいに。

自分の目指す方向性や自分の強み、セールスポイントは変わってくると思うので、それは明確化して周囲に共有するのがいいのかなと思います。

復帰してからどのくらいの期間で従来のように働けていると感じられるようになったか、産後ボケなどはあったのか

「従来の働き方」の内容にもよりますが、仕事のスピード感に慣れる、8時間労働に慣れるという意味では1ヶ月くらいかかったかもしれません(もはや覚えてない)。

産後ボケはそこまで感じませんでしたが、言葉がすぐ出て来ないなぁとは思いました。

月15時間で完結のタスクを割り当て可能な職場(または職能)というのは、結構限られてきそうですね・・

どうなんでしょうね。私は当時自社開発の会社で、細かな不具合修正を中心に担当してました。新規機能開発もやらせてもらいましたが、遅れたとしても他の機能に大きな影響を与えないような部分を担当させてもらってました。

受託開発だとなかなか厳しそうですね。。。

第1子出産し復帰から3年経ち、2人目を考え始めました。しかし、仕事を休む申し訳なさが勝ちなかなか踏み出せずにいます。職場に報告する際どのように伝えたらいいでしょうか。

職場に報告するというのは不妊治療とか(急に病院に行く用事が入る)でしょうか。または産育休の長期休みでしょうか。

いずれにしても、申し訳ない気持ちはあるかもしれませんが、自分の人生は自分でコントロールすべきものだと思っているので、自分が思うタイミングで2人目に踏み切るのがいいと個人的には思います。もし職場に難色を示されたら、その職場とはおさらばでもいいと思います。その方が将来的にいい選択だったと思える気がします。

正直に、自分が伝えられる範囲でプライベートや仕事をどうしたいと思っているかを話すといいのかなと思います。

第2子、第3子のタイミングについて、仕事の都合も加味されましたか?第1子のときに仕事のことを考えずに失敗したので、第2子を躊躇しています。。。

加味してませんでした。当時自社開発の会社で、「客先がー」とか「納期がー」などとほぼ無縁だったからできたことかもしれませんが。

自分、パートナーの年齢と、子の発達具合を基軸に考えてました。

1,2年以内に出産を考えている女です。業務で発生するコミュニケーションに働きがいを感じているため、産休中に社会的に孤立する不安を一番懸念しています。akatsukiさんのように産後少しずつ仕事をもらって働いたほうがいいのでしょうか?それとも、社外で新たな女性コミュニティなどに参加するほうがいいでしょうか?

社会的な孤立、怖いですよねー。意外と簡単に孤立できてしまいます。

産後のことは産後になって考える、でもいいかなーとは思いますが、居心地のいいコミュニティは今からなんとなく探してもいいと思います。

会社の情報を得つつ話がしたいのであれば会社のオンラインランチに参加するなり、オンライン勉強会に参加するなり、仕事をするなりの方法があると思います。

普通に話したいのであれば、Xでママ垢を作ってみたり、常時動いている技術コミュニティに所属するのもいいと思います。

コミュニケーションやオンライン会話、オンライン飲みに関してはどのくらいの頻度であると嬉しいですか?

心や時間の余裕がある時期とない時期があるので一概には言えませんが、個人的には月一くらいあると社会的な人間として安定するかなと思います。

パートナーや両親のサポートはありましたか?ワンオペ状態で効率よく仕事と家庭を回して行くために工夫されたことはありますか?

両親、義両親の手は借りませんでした。そこまでの必要性を感じなかったので。

パートナーのサポートはありました。旦那は第1子、第2子ともに約半年の育休を取得してます。ので、ワンオペ状態での工夫は回答できません。

たまにパートナーが仕事&飲み会に行くことはありましたが、職場に「今日はワンオペです」宣言をしたり、私のお風呂中に子がどこかに行かないようにバウンサーを活用したりしてなんとかしてました。

2児の子育て中の父親です。産休育休中、育休後にパートナーはどの程度子育てを分担されていましたか?もっとこうしてほしかったというものはありますか?夫婦で工夫できたことはありますか?ぜひ忌憚のないご意見をいただきたく。

授乳以外は基本的に全部できるようにしました(まあ結局離乳食の献立を考えること、離乳食作りは私がずっと担当してましたが)。ので、基本的に半々の育児量になっていると思います。

「もっとこうしてほしかった」という話で言うと、うちの場合は第1子の時は生後半年くらいから1歳台くらいまで、第2子の時は生まれて以降、夜間の育児は私1人で行っていたので、私は睡眠時間が足りなかったり、睡眠の質が悪かったりします。ので、私が十分睡眠がとれるよう、名のない家事育児も含めて積極的に巻き取ってくれるといいなぁと思ってます。

夫婦で工夫できたことで言うと、長男の育児の主担当を旦那にできたことでしょうか。次男はまだまだ授乳で手がかかるので、次男の育児主担当は私にせざるを得ないなか、長男が常時「ママー、ママー」だと大変そうなのでこれは良かったと思ってます。具体的にどうこうしたというのはないのですが、積極的に旦那が長男の相手をしてたのが要因なのかなと思います。ということで長男はどちらかというとパパっ子です。

休業中のキャッチアップが自発的な学習の必要性に帰結してしまうのがなんとも。IT業界で長期休業を取る人の少なさを示していますよね。

まあ難しい話ですよね。
技術のアップデートや社内の知見を定期的にまとめる勉強会や記事があればちょっと楽だなと思ったりします(そのキャッチアップができる気力があるかどうかはまた別です)。

育児休業期間が不安です。休業をしても1年未満の方が多く、1年以上取得された方もいらっしゃるのでしょうか?

1年未満の人が多いのは保活の関係でしょうね。。。0歳で保育園に入れないとその後ずっと入れないという話はよく聞きますし。リアルな知り合いだと1年以上育休を取得した方はぱっと思い当たらないですが、Xのママ垢には「幼稚園入れるまで自宅保育」という方はちょこちょこいます。

子育て関係ない話題ですみません。エンジニアにとって学習は重要ですよね。CSとか、競プロとか、どこかで一度ちゃんと勉強しておくべきか、そういういわゆるお勉強ではなくて、目前の課題に直結した分野を日々勉強していくべきか、どうなんだろう、と思うことがあります。思うところがあればコメント伺いたいです。

やっておいた方がいいんだろうなと思いつつ、私自身はそのへんにあまり興味がないのでやってないです。時間が限られているので、興味がある分野の勉強がしたいです。。。

「産休・育休取得の心理的ハードルを下げるために企業に求めること」というスライドで、「成功事例」「上司や同僚への支援研修」「復職支援プログラム」といったことが挙がっていましたが、具体的にどんな内容が期待されているでしょうか。

これは私にはわからないので回答しません。

最後に

Xの反応などを見ている限り、みんな同じように悩んでて、そして日々頑張ってるんだなという気がします。このようなイベントやその他の機会で、いろんな人がいろんな体験をシェアできるといいですよね。

あと、「保育園にいるうちはいい。小学校に入ってからが大変。」という話をよく聞くので、そんな人たちの話をいろいろ聞いてみたいなぁとぼんやり思いました。





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