地方議会のあれやこれ
議会の時間・議会の時間
はじめに
今般私が所属している議会の定例会で行った一般質問で、直接の議論ではありませんでしたが、話の中で「子どもたちも住みやすい町づくり」のフレーズがありました。
実際には「買い物」をキーワードとした議論なので、直接こどもや子育ての話ではなかったのですが、人口減少で近所にあった商店がなくなり、高齢者が買い物に出かけなくなってしまうことで、外部との繋がりがなくなり引きこもりに近い状態になることは避けなければならないとの思いからの議論でした。
その質問が終わり自宅に帰ってから、「子育て中の家庭でも、同じような事が考えられるのでは?」と疑問に思ったのです。この件に関しては、また別の機会にしっかりと考えていきたいと思いますが、その日の議会は、終了予定時間を大幅に超えていました。
4期目で私は(現在5期目です)議会推薦の監査委員だったのですが、その時の監査で「残業して遅くまで仕事することが良い事じゃない。」「どうしたら定時までに仕事が終われるのか。個人のスキルアップも大事だし、上司のマネジメントも大切だ。」といってきました。
私は、男性でも女性でも同じように仕事をすることは大事ですが、だからといって家庭にその負担を負わせることはちょっと違うんじゃないかと思っています。
まして、小さな子供を遅い時間まで保育園などに預けたままにするのを疑問に思っています。
「ミステリと言う勿れ」という漫画のワンシーンで「メジャーリーガーは子供の成長に立ち会うことを父親の権利だと思い、日本お解説者たちは義務だと思っている。そこには天と地ほどの差があるんですよ。」の主人公のセリフがあり、遅くまで残業することを「良し」とする議会の雰囲気に違和感を持ち、このセリフを思い出したのです。
開始時間、終了時間
さて、どこの議会にも会議規則があり、そこには「会議時間」が規定されていると思います。
以前はどの議会でも開始時間や終了時間の規定は同一だったと思いますが、最近ではそれぞれの議会で「休日開催」や「夜間開催」など時間の規定は違ってきているところもあるようです。
私の所属する議会では、会議規則で「会議時間は、午前10時から午後5時までとする。」と規定されています。また、委員会は申し合わせ事項として「 委員会等の開閉時間等の規程はないが、会議規則に準じて行なうのを例とする。 」と明記してあることから、基本的には議会の会議時間と同じが妥当と考えます。
それでも必要に応じて、時間外の開催は合理的な考えと思います。
しかし近年、明記されている時間外の早い時間から会議を開催したり、オーバーすることを当然のように思っているようで、そこに「なぜ」と疑問を言うと「議員だから」と答えが返ってくることがしばしばあります。
全く議員だけならそれでもいいと思いますが、そこには議会事務局職員をはじめ、多くの職員が関係するのですが、そのあたりに関しては全くと言っていいほど関心がないようです。
職員には職員の都合があり、朝に登庁したら1日の仕事の段取りや予定の確認は必要でしょうし、夜は時間外となれば残業として対応しなければならないでしょう。
当然、保育園等に子供を預けていれば時間までに迎えにいかなければならないし、延長ともなれば保育士さんなどにも負担がかかるでしょう。
絶対にダメだとは思いませんが、いくら議員とはいえそのあたりは気を使うべきだと私は思います。
他の行事や予定について
先にも記述しましたが、以前監査委員をしていた時です。
当時は、毎月定例の月例監査、年に一度の定期監査や現場監査、出納閉鎖後の決算監査、県や全国の監査協主催の研修や総会など、年間スケジュールとして事前に議会の行事予定と共に議員には配布していました。それは現在も行っています。
しかし、そのスケジュール表を確認もせずに予定を組んで、それに対して監査予定があると言うと「しょうがないだろ。」と当たり前のように言ってきたものです。
まあ、当時一緒に業務に当たっていた代表監査委員は議会行事を優先してくれて、関係各所にスケジュールの変更をお願いして対応していました。
また、町の大切な行事があるときに、事前にその行事の確認もせずに予定を組んで、責任ある立場の議員が「当然」と事情の説明もしなかった事もありました。
その時も私が事情を説明し、なんとかご理解をいただいた事もありました。
どうしても重なってしまう事もあるのは十分理解できます。重要性や優先順位から他の行事や予定よりも優先しなければならないことがあることも理解できます。
しかし、年間スケジュールなどでチョット確認すれば余計なトラブルも回避できるのに、「しょうがない」で済ましてしまうその感覚はいまだにわかりません。
最後に
いつも、どうやったら時間内に収まるのか、どんなことをすれば短時間に終了するのか、さらに他の行事や予定と重ならないようにでき、無理な時は優先順位をどこに持ってくるかを考えています。
それでもオールクリアと言うわけにはいきません。
時間が押しそうな時はどのように協力できるのか、責任ある立場ではそのマネジメントやコントロールをどのようにするかを考え、影響を少なくするようにと行動することは大切だと思います。
私が議員になって2年くらい過ぎた時、傍聴に来られた方(当時大変お世話になった方です)に「これから委員長などで会議を進める立場になるんだから、議会の進め方などはしっかりと頭に入れておけ。」と言われました。
また、先輩議員の方々からは「議会はわからないことを聞く場ではない。わかることを議論する場だ。しっかり勉強してこい!」とめちゃくちゃ怒られたものです。
今でもその当時怒られた先輩議員お方と話す機会があるのですが、あの時散々怒られたことは今になって活きてきてきます。
よく子育てなどでも父親が仕事が忙しいと言っていつも帰りが遅く、挙句に寄って返ってきたことで喧嘩になったなんて話も聞きます。
長時間残業が続いたことで、心を病んで、最悪の結果になったと言う話もよく聞きます。
長時間仕事をすることで「あの人は頑張っている」と高評価されることがこのようなことにつながっているのだと思っています。
緊急時などで時間にこだわる事なく、議員としてそこに住む方々の安全と保全のために活動しなければならないし、そう言った事態にすぐに対応できる準備は常にして大金気等ばならないと思います。
それ以外の緊急性もないものまで、議員だから、議会だからと言って朝早くから夜遅くまでしなければならないことはないと思いますし、議員が動くことでそれ以上に動かなければならない職員がいる事も考えなくてはなりません。
議会規定で決められていること、自分たちで決めたことをもう一度よく見直して考えたいと思います。
時間外の全てがダメだとは思いませんが、これからも、どのように時間内に収められるのかを大事にしたいと思います。