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最初に読んだ『ニンジャスレイヤー』が「ノーホーマー・ノーサヴァイヴ」だったヘッズの話

 ドーモ、ニンジャスレイヤーを読み始めてもうすぐ六年目のヘッズです。

 この記事は、2014年の夏、ニンジャスレイヤーが無料で読めるとも知らなかった人間が「ノーホーマー・ノーサヴァイヴ」を最初に読んで、連載に追いつくまでの思い出話です。

 その頃「ノーホーマー」が初心者向けとして紹介されていたんですが、実際そこからニンジャスレイヤーを読み出した人の当時の印象とかが伝わったら嬉しいです。

 結論から言うと、ツッコミどころの多いエピソードをニュービーにぶつけるとツッコミ所が分からなくて、ヘッズが期待するような新鮮な驚きは正直薄いです。が、ハマる人にはハマると思います。ただ「ア・ニンジャ・アンド・ア・ドッグ」はニュービー向きではないと思います。


◇正直どこからニンジャスレイヤーにたどり着けば良いのか分からなかった◇

 なんとなくニンジャスレイヤーに関心を持ったのがいつの頃だったか覚えていません。ツイッターで流れてくる「アイエエエ」とか「ドーモ、○○=サン」の元ネタなんだなぁという認識から、だんだん興味を持っていったんだと思います。

 「ドーモ、◯◯=サン」をツイッターとかでネタ的に使いたいけど、間違った使い方はしたくないから元ネタは知っておきたいというきっかけでニコ百の忍殺語の項目を読んで、「テストに出ないよお」でなんだこれはと大笑いして、なんか面白そうだしニンジャスレイヤー読むか! という気分になりました。割とよくある流れだと思います。

 が、ちょうどその頃通りがかった品川駅構内の本屋の新刊スペースにニンジャスレイヤーの一部の四冊が平積みされていたのを見て、どれが一巻だか分からなくて困って結局買いませんでした。ちゃんと番号書いてあるよ! と今なら思うんですが、品川サラリマンに囲まれて表紙をマジマジと見る勇気はなかったです。


◇最初にニンジャスレイヤーに触れたのは「ノーホーマー・サヴァイヴ」◇

 内容のことは知らないし、物理書籍は買わなかったんですが、それでもやっぱり気になって、ググったりなにかをした時に「初心者向け」として知った「ノーホーマー・サヴァイヴ」を読みました。

 どこのどなたか分かりませんが、「ノーホーマー・ノーサヴァイヴは初心者向け」と書いてオススメしてくださった方ありがとうございます。あなたの布教のおかげで無事ヘッズに育ちました。

 とりあえず読み始めたものの、Togetterを使うことがほとんどなかったため読みにくいな……と思っていたのを覚えています。あと当時は全部無料で読めると知らなかったので、違法な手段で読んでるんじゃないよね? これ公式だよね? と少し不安でした。

 「ノーホーマー・ノーサヴァイヴ」といえばなんかもう色々と面白いしニューロンが焼かれるし最高だと今は考えるんですけど、当時の私は「あー、やっぱり忍者といえば野球だね!」とニンジャと野球の組み合わせに納得していました。

 というのも、実家にある唯一の忍者関係作品が漫画『伊賀野カバ丸』だったからです。

 『伊賀野カバ丸』とは金玉(キンギョク)学院に通う忍者のカバ丸くん(カワイイけどバカ)を中心として、不良の派閥争いや時期総理候補が暗躍する学園物ギャグ少女漫画なのですが、その物語の後半は高校野球(甲子園ではない)の試合が中心となっています。で、ライバル校との決勝戦で、相手校の天才野球青年が忍者の魔球を投げてくるせいで味方が全滅で、カバ丸君がとにかくホームランを打って点差を抑えるしかないという展開があってですね。

 そうしたこともあり、私にとって元々ニンジャと野球はしっかりと結びついていて「ウワーッ! ニンジャが野球してる! やっぱりホームランが中心だね! タノシイ!!!」と心ウキウキ読みました。

 ある意味で、とても相性が良かったのかもしれません。

 128点はさすがに多いな……とは思ったんですが、スゴイ勢いで大真面目に野球場をグルグルしているニンジャスレイヤー=サンが面白くて、きっと真面目で良い人なんだな、という印象が強かったです。ここらへんのあっさり受け入れてしまった部分が、今思えば作品のツッコミどころでした。とはいえクローンヤクザの命の軽さにはかなり面食らいました。

◇次に読んだのは「ア・ニンジャ・アンド・ア・ドッグ」◇

 そのままオススメ続きで「ア・ニンジャ・アンド・ア・ドッグ」も読んだんですが、犬との意思疎通についてはハットリくんの獅子丸の感覚のせいで違和感を抱くことなく、ただナンシー=サンがフジキドとギスギスしていたために「本当にこの人は長年の相棒なのか?」と不信感を抱いてしまいました。

 この後、時系列順でタヌキ回を読むまで、この時の印象があとを引いて正直あんまり彼女のことがなかなか好きになれなかったです……。この流れだとフジキドとずっとギスギスしているので。タヌキ回で一気にナンシー=サンのこと好きになりましたが、それまではキツかった。ある意味でフジキドが彼女に対して信頼を抱くに至る気持ちはよく分かりましたが、それまでは「この後もずっとギスギスなのかな?」と恐々読んでいました。

 特派員シリーズの面白さって、普段クールなフジキドやナンシー=サンが面白い方向(拷問じゃないインタビューとか着ぐるみとかマンゴーの罠とか)に進んでいき、その流れで突然二人の関係がちょっと危うくなるところがあってなんでそんなことになるんだと笑えるんですが、ニュービーにはそこら辺が分からなかったです。

 ということで、犬回は少なくともナンシー=サンが大活躍して相棒としての地位を確立するタヌキ回読んでからの方が絶対に良いと思います。


◇「ノーホーマー・ノーサヴァイヴ」は初心者向けか?◇

 このように割と素直に忍殺の世界観を楽しんだのですが、実はこの時ちょっと勘違いをしていて、ニンジャスレイヤーは「毎回野球とか、なんか色々面白いことをしながら敵のニンジャを倒すんだな」と思ってしまったんです。

 多分センタ試験とかバレーボールでも戦うと思ったんじゃないですかね。この勘違いがあったので、原作追うようになった頃にショーギ回来てめちゃくちゃ嬉しかったです。

 「ノーホーマー」って変化球の「ニンジャが出て殺す」エピソードなので、同じような勘違いをする人もいるのではないかと思います……わたしだけだったら恥ずかしいから、他にもいて欲しい。

 このように、初めてニンジャスレイヤーに触れる人にとってニンジャスレイヤーにおける斜め上の展開(ブッダとかマグロとか)というのは伝わりにくいです。古事記にも載っているニンジャの存在にそもそもびっくりしているから、どこまでが正常運転で異常事態なのか分からないんですよね。ニンジャスレイヤー内での比較ではなく、他の忍者作品との比較になってしまいますし。そうなるともうなんでもアリな感覚になってしまいます。

 実際、友人(忍殺はタイトルしか知らない)にブッダ回を勧めたんですが、「このブッダってレギュラー登場している人なの? 本物の仏陀なの?」と聞かれてしまい布教挫折しました。

 とはいえ自分自身が「ノーホーマー・ノーサヴァイヴ」からハマったので、最初に勧める作品として魅力がないということはないです。だってニンジャスレイヤーってどのエピソードも面白い!

 でも「あのフジキドが一人で野球をしていて、ホームラン打ってる!?」という笑いがこみ上げてこないのは仕方がないです。「ニンジャスレイヤー=サンは良いホームランを打つし、足速いし、クローンヤクザっていっぱい死ぬんだなぁ」って感じになります。

 ちなみに原作を読みニンジャヘッズとなりニンジャスレイヤーの流れを知った後でちょうど「ノーホーマー」の再放送があり、「そういえばナンデ野球してるの?」「ハンコ!? ハンコナンデ!?」と遅ればせながらとんでもなさを理解しました。みんな勧めたがるわけですよ。そしてグラキラの最終回は泣けた。そう言う意味では一話で三度おいしかったです。


◇まとめ◇

 「ノーホーマー・ノーサヴァイヴ」はニュービーが読んでも楽しい作品ですが、新鮮な驚きを求めて読ませてもいい反応が返ってくるとは限りません。でもハマる人はハマる。ただちょっと内容を勘違いする人もいます。
 「ア・ニンジャ・アンド・ア・ドッグ」はニュービーに勧めるのはやめた方が良いかもしれないです。

 ヘッズにはヘッズごとにハマったきっかけは違うんでしょうが、最初が野球のケースもあるんだよという話でした。


 最後に、ニンジャスレイヤー連載十周年オメデトウゴザイマス! こうして振り返ると、本屋の前で悩まずとりあえず赤黒いニンジャの巻を買っておけば良かったし、それよりも最初の四年間読み逃したのが悔やまれます。あとニンジャスレイヤーという枠だけでなく、ダイハードテイルズの作品を読んだり、逆噴射映画祭でみんなで映画やドラマ見るのも楽しいです! ハマって良かった六年間でした。


◇おまけ:その後連載に追いつくまでのながれ◇

 ここからは割とよくある流れなので、ただの昔話です。

 とりあえず二本読んで、ニンジャスレイヤーって面白いし楽しい! もっと読みたい! と思った私はようやくニンジャスレイヤーwiki にたどり着きました。

 そこでようやくニンジャスレイヤーは全部無料で読めると気付きました。ありがたや、ありがたや。

 やっとちゃんと読む土台は整ったものの、当時の時点でも分量がかなりあり、時系列順か公開順どっちで読むという問題もあったりで、どうしようかと迷っていました。

 ちょうどタイミング良く、当時連載スタートして一巻が出る前の漫画『ニンジャスレイヤー殺(キルズ)』が読めたため、そこから外連味溢れる「ゼロ・トレラント・サンスイ」「メナス・オブ・ダークニンジャ」を読みました。ダークニンジャのVTOLからの発射からのメナスの展開にテンション上がって、「ウワッ、ニンジャスレイヤーって面白い!」と一気にテンション上がって、キルズが時系列順の連載だったのでそのまま続けて原作を読むことに決めました。

 そのあたりでようやく「ニンジャスレイヤーは野球とかではなく、基本的にカラテで戦う」のだと理解しました。ちょっと残念でしたが、もともと超能力バトルやアクション小説系のラノベ好き(『ブギーポップ』、『ラグナロク』とか)なので、これはこれで嬉しかったです。こう考えると、ハマるべくしてハマったという気がしてきました。

 忍殺の原作を一気に読み始めたのは2014年の8月終わりの頃です。当時夏休みだったこともあり、忍殺wikiの時系列版のTogetterで読み、部屋に閉じこもりほぼ一日半で一部を読み終えました。二部からはNJRecallsを利用し一週間くらいで、三部は最終的に三、四週間かかったような気がします。

 とにかく夢中でした。好きなエピソードを読み返したり、早く次のが読みたかったりと、とにかくヘッズとして忙しい時期でした。一日中ニンジャしていた。

 それでも当時連載中だった「ロンゲスト・デイ・オブ・アマクダリ」に一日でも早く追いつきたかった私は、大急ぎで追いかけつつ、三部をぽつぽつ読む頃に「メニイ・オア・ワン」の「「「古代ローマ三闘士!」」」が最新ツイートだった公式アカウントをビビりながらフォローしました。あまりのインパクトで忘れられないです。

https://twitter.com/NJSLYR/status/508986517176332288?s=20

 その頃はまだ古代ローマカラテの出番がそこまであるところまで読んでなかったので、「これがあの有名な古代ローマカラテか……この三人もカラテ描写ないのかな……」と思った記憶があります。

 そして、2014年9月15日の【ロンゲスト・デイ・オブ・アマクダリ10100326:メニイ・オア・ワン】#3で初めて連載をTwitterで読みました。大興奮の中、いきなり古代ローマ三闘士が東京タワーに刺さっていたり、スパルタカス=サンがフジキドのスリケンを踏み越えてきたのにはショックを受けました。

 その後は平穏に連載を追っていたのですが、その直後、
「アーバン・レジェンド・アブナイ」
無印コミ「アトロシティ・イン・ネオサイタマ」
「デストロイ・ザ・ショーギ・バスタード」
と、ヤクザ天狗=サンの気配が濃厚だった時期が来て、連載があるたびにヤクザ天狗=サンのことばかり考えていました。おかげで一番好きな男性モータルはヤクザ天狗=サンです。

 「ジ・アブソリューション」楽しみです。​


 おわり