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流れ星の正論【短編小説#17】

全く勘弁して欲しいね。
願いを託されてる身にもなってほしいよ。

だいたいね。みんな勘違いしている。
俺ら流れ星に願い事しても意味ないんだよ。

俺も詳しく知らないんだけどさ、なんでもルーツがあるらしくて、旧約聖書に書いてるらしいのよ。

神様が天国のドームを開けて地上の世界を見守る時に流れ星が流れるって。

だから、俺らじゃなく、天国にいるとかいう神様に願い事をしなくちゃいけねーのよ。

それを大事なところすっかり忘れて俺らに祈られても、実現なんてできないよ。全く勘弁してほしーな。

それにさ、俺らのスピード知ってるだろ?秒速71キロだよ?そんな一瞬の時間に3回唱えられたやつを、そもそも一人も見たことないよ。

もし、流れ星が出た数コンマ数秒に願い事を咄嗟に思い出して、唱えられる奴がいるのなら、そいつは、四六時中そのこと考えて動いている奴だから、その内、間違いなく願いは叶うよ。

願い事を3回唱えられなかったって、嘆く暇があるなら、それくらい真剣に考えて、動いてみるんだな。

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