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300日間ニートした感想とかかった費用とかの話

2021年の6月末に前職を退職して以来、今年の5月まで約300日ほどニートをしていた。なかなかある機会でもないので、その期間にやったことやかかった費用なんかを文章に残しておこうと思う。

ニートになった動機

ニートになるまでは正社員として働いていたので週5で労働していたのだが、週7日間のうち5日間が労働って多くない?と前から感じていた。昔は週6だったしい。信じられないな?

昨今のバブル相場のおかげで、一生働かなくても安泰とまではいかないがまとまった資産ができたので、ニートになるなら今なのでは?と思い、そのままニートになった。5日間も働きたくない!というのも理由の一つだが、他にもやりたいことがたくさん溜まっていたので、それを消化したい、取り組みたいというのがどちらかと言えば仕事を辞めた大きな理由である。

ニートになってからやったこと

言うまでもなく、ニートというのはとにかく時間がある。なんてたって週7日、24時間フリーなのだ。上述したようにやりたいことがいくつかあったので、多くの時間をそれらに使った(友達と遊んだり、一人で家でダラダラもした時間もたくさんあった)。

本をたくさん読んだ

仕事を辞めたら本をたくさん読もうと決めていた。大きな本屋が家の近くにあったので、ふらっと行っては興味が湧いた本を4~5冊買って読むということをしていた。本のジャンルについてはとくに決め打ちしてはいなかったが、当時は経済について強い興味があったので、経済学の本やそれに関連して行動経済学の本などを多く買って読んでいた。また、自己啓発系の本は意識的に読まないようにしていた。書いてること大体同じだし…。
経済に興味を持ったのは、なんか日本経済ヤバくね?という不安感、焦燥感からで、経済の専門家たちはこの現状についてどう考えているのかということを知りたかったから。

いくつかの書籍を読んだところ、どうやら経済学者というのは一枚岩ではなくいくつかの大きな流派があるようで、主張が完全に対立しているものもあるということを知った。そして残念なことに、現状の日本経済への特効薬はおそらくない(あったら当然実行しているはず)ということも知った。いや、学者ごとにこうすれば日本経済は良くなるはずという意見や思想はあるようだが、自然科学とは違い、経済学の場合は仮定を証明するための実験を行うのが非常に難しいという説明をどこかで見て、確かに…と感じたのを覚えている。

絵を書いた

自分は2021年の1月から趣味の一つとしてイラスト(キャラクターの一枚絵)を描いている。それまでの人生の中で絵を描いた回数は両手で数えられるくらいじゃないかというくらい、絵・イラストとは程遠い人生だったが、新しいチャレンジとして取り組んでいる。
趣味といっても毎日継続的に描いているわけではなく、かなりムラがある。1日8時間描くのを1週間くらい続けることもあれば、2週間全く絵を描かないこともある。それでもニート期間中のある程度の割合の時間を絵に充てたのは間違いない。

趣味として始めるまで絵とは程遠い人生だったので、始めたてのころはそれはもうひどいものだった。これはクリーチャーですか?いいえ、それは人間です、というくらい。人を描くのってなんでこんな難しいの。

ただ、やはり継続は力というか、地道に描き続けることでそれなりに見れる絵を描けるようになってきた。お絵描き用のツイッターアカウントを別に作成して、描いた絵をアップしていたところ、最近は1000リツイートや5000いいねを超える反応をもらえるようになった。ポジティブなフィードバックがあるとそれがモチベになってやる気が出るので、褒められると伸びるというのは真理だと思う。

あと、ネット上ではべらぼうに絵が上手い人のことを神絵師と呼ぶが、いやもう彼ら・彼女らは本当に凄いということを、自身で絵を描き始めてから理解した。これは絵に限らず、なんらかのジャンルでトップ層を走っている人の凄さは、自身で実際にそのジャンルに取り組んでみないと見えてこないと思う。

積んでいたゲームを消化した

積みゲー、積み本は永遠に消化できないなんて風潮もあるような気がするが、せっかくニートになって時間ができたので、積んでいたゲームを一気に消化した。

また、興味のあるゲームを発売日に買って、3、4日で一気にクリアするということもやった。自分はわりとメジャーなゲームしかやらないので、積みゲーを消化したあとは1ヶ月に1本ゲームやるかどうかくらいのペースに落ち着いた。約1年前にどんなゲームをやったかと聞かれるとさすがにパッとは思い出せないが、覚えている限りでは「テイルズオブアライズ」、「ニーアレプリカント」、「新すばらしきこのせかい」なんかをプレイしたはず。

福岡に引っ越した

もともと東京に住んでいたが、コロナの影響でリモートワークが一般的になったこともあって、2022年の1月に引っ越した。福岡を選んだのは、今まで九州に住んだことがなかったから。1そうだ引越ししようと思い立ったのが12月で、そのまま1月に引越ししたのでかなり衝動的な行動だった。

結果、家賃が10万円→6万円になり、部屋の数、広さは約2倍になった。あと徒歩3分のところに温泉施設があったり、コメダ珈琲があったりと、なんかいろいろ最高な感じなのでとても満足している。

車を買った

引越し先は福岡市内から少し離れていて程よい田舎感があるところだが、自転車で10分圏内にスーパー、コンビニやらがあるので生活するにあたって車は必要ない。
ただ、せっかく福岡、九州に引っ越してきたのだからいろんな所に行ってみたい → それなら車があったほうが便利だろうということで車(フィット)を買った。

車を持つのは大学生のとき以来で、運転はおよそ10年のブランクがあるため最初はおっかなびっくりだったが、徐々に感覚を取り戻してきている。自分はいろいろ衝動的に行動するタイプなので、車との相性が良く、好きなタイミングで好きな場所に行けるというのはやはり非常に便利だ。GWは登山に3回行き、さっそく車の側面下部をコンクリートに擦った。車体になかなか趣深い傷ができたが、まぁ乗る分には問題ないので気にしない。

300日のニート期間にかかった費用

自分は家計簿をつけていないので、ニート期間にかかった正確な費用を算出することはできない。ただ、クレジットカードの履歴や貯金残高を見直してみると、およそ450万円ほどを生活関係に使ったようだ。生活費用が300万、引越しに50万、車の購入に100万という内訳だと思う。

貯金が450万円減ったと考えるとなかなかインパクトがあるが、それで300日の時間を買ったと考えるとまぁ良いんじゃないかと思う。人生でそう何回もあることでもないし。

ちなみに↑の計算は税金や社会保険を含めていない。そのため実際には貯金は450万円よりもう一段どーんと減っている。

ニートになると出費は増える

週5で働いていると、平日はお金を使う機会はそんなに多くない。週末や祝日に出かける際なんかの出費が主になる。
ニートになると週7で休日になる。どう過ごすかによるが、やっぱり何かを消費する時間が増えると思う。自分の場合、毎日とはいかないまでも、週の半分以上はなにかしらでお金を使うようになっていた。本の価格にしたって1冊の価格は2,000円から3,000円あたりがボリュームゾーンだが、週に数冊のペースで読むと月当たり3~4万円は飛んで行くことになる。

幸い、金銭感覚はおそらくまともなほうなので、生活費の上昇は1割〜2割程度で済んだ。ニート=無収入なのに、一方で支出は増える。これは非常に良くない。

創造的な趣味があって、暇になった時間を全てそちらに充てるのであれば、ニートになってもそこまで支出は変わらないかもしれない。自分の場合はイラストを描くのが趣味だが、毎日そればかりやっているわけでもないのでやはり支出は増えた。

生涯安泰な資産を築いて隠居生活に入ることをFIREなんて言ったりもする。ただ、本当に生涯安泰な額でないと、かなりの我慢を強いられる生活になるんじゃないかと思う。

ニートを1年弱やった結果、結局働きたくなった

ニートになって最初の3ヶ月くらいはかなり最高の毎日だった。なんてたって週7日、好きな時間に好きなことができるのだ。何時に寝て何時に起きようが誰にも怒られはしない。

ただ、最初の頃こそ「あー、もう一生働きたくねーわー」なんて思っていたが、半年くらい立った頃から「なんか働きたくなってきたな?」と少しずつ思うようになってきた。ニート中は基本的に消費アンド消費アンド消費の一辺倒だったが、だんだん創造的なこともやりたくなってきたのだと思う。
あと、孤独を感じていたのも大きい。遊び仲間や飲み仲間はいたものの、彼らのほとんどは当然平日仕事なので、週末にしか遊べない。すると毎週誰かと遊んだとしても、月に4~6回程度しか人とまともに会話しないことになる。それでも全然平気!という人も当然いるだろうが、自分は無理だった。

ということで、3月の末あたりから仕事探しをし、5月から晴れて社会復帰(?)をした。ニートを続けるには才能がいるなんて半ば冗談のように言われたりもするが、自分はこれは真実だと思う。少なくとも自分にはニートを数年単位で続けられる自信はない。いや、毎日遊べるだけのお金があって、毎日遊んだり飲みに付き合ってくれる友達がいたりしたら可能かもしれない。でもそれって「5000兆円欲しい!!!!」と同じくらい不可能では?とも思う。

まとめ

自分にはニートを長く続ける才能がないなんてことを書いたが、仕事を休んで好きなことをして過ごす期間を取ったのは我ながら英断だったと思う。仕事を辞める前は労働への意欲、プログラミングへの興味がピークに比べるとかなり低下してしまっている状態だったが、今は両方ともとても充実している。そういうわけで、まだバッテリー切れを起こしそうになったときは再度
ニート期間を取れれば良いなと考えている。




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