刀ミュ明石考察とゲイ向けホストクラブ/葵咲本紀を再鑑賞して思ったこと
長いのでご注意あれ。
あと、ネタバレ配慮もありませんのでバレを浴びたくないかたは注意。
先日あげた記事
に書いたんですが、円盤を見て嫌い度がめっちゃアップだったミュ篭手切への誤解が解けた(笑)ので、葵咲本紀を再鑑賞しました。
うん。
あんなに怒ってた2部の篭手切がちっとも気にならない(笑)
美はそれを見る人の目に宿るとよく言いますが、受け取る側の意識のありかたがこんなにも世界の見え方を変えるのかと苦笑することしきり。
ていうかごめんね篭手切、私やっぱり明石が好きだからきみがあんまり目に入ってこないよw
こうなるとイラっとしてた時のほうが篭手切を見てたことになるので、当人としてはどっちのほうがうれしいんだろうかと思えてきますw
そして、あらためてしみじみ解釈違いというか、明石のこの、違和感というかブレの大きさは、そもそも仲田くんじたいが明石国行という刀剣男士を結局最後までつかみきれなかったからなんじゃないのかしらという印象がいっそう強くなりました。
トリックスターはいると便利だよね。
私とミュ明石は解釈違い、というのは以前から言ってることです。
私の明石はなんとかやさかい~~とか引っ越し屋かみたいなこと言いませんしミュの役者さんは歌う場面が多いからか発声もあんまりオリジナルキャストのボイスアクターさんには寄せないことも多くて、仲田くんもその一人。いや、べつにそれは必須ではないんですが。
でも、声のトーンも、イントネーションもだいぶ浅利くんとはちがう。(関西弁としてのイントネーションもそもそもおかしかったらしくて、うがー!気になるー!教育的指導入れたーーい!!!と明石松平家のあったあたり出身の知人がずっと言ってましたけど、私はそこはわかんなかったのでよかったのかもしれない)
私が私のイメージにある明石国行という刀剣男士を書いても、仲田くんの明石とはだいぶちがうキャラクターになります。
でも、それは私がミュ明石を否定しているということではなくて。
基本的に刀剣乱舞のメディア展開ってそこにすごく気を使ってくれてて、決して「これが正解」というのを出さないのがとてもじょうずだと私は思ってます。
ミュ本丸はミュ本丸でつながっててそれぞれのミュの刀剣男士は同じ刀剣男士だけど、ステ本丸の刀剣男士は別の本丸の刀剣男士で、花丸本丸もあれば活撃本丸もある。
それぞれ全部が、無数にある本丸のうちの1つである、「とある本丸」であって、どの本丸が本家とか公式としての正解とは言わない。あえて時期をかなり近くして4種類の本丸を出したんだと思いますが、おかげでどのプレイヤーも「ミュ/ステ/花丸/活撃本丸はそうかもしれないけど、うちの本丸はこう」と分けて考えることができるようになってます。
この公式あるいは「正史」との解釈違いというのは、とくに二次創作においてはかなり致命的になったりするんですけれど、そのてんニトロはとてもじょうずにそこの齟齬を回避してくれてるわけです。
だから、ミュ本丸はミュ本丸。ミュ明石はミュ明石でそれで問題ない。
仲田博喜くんの明石はとても美しいです。再現度としてもすばらしいできだと思います。双葉さんの絵を人間が再現できるとか誰も思わなかったよねたぶんね。
否定するつもりはまったくありません。
とくに円盤の2部の闘魂歌、脱衣3段階めの歌い出しの時に見える左腰側の鼠径部のくぼみなんかもう殺人級にエロくて最高ですよ!!!!!
あれって水着ルシオの鼠径部ですよ。
人間どうやったって多少の皮下脂肪とかはあるからふつう絵と同等とかなったりしないんですけどね?
水着ルシオこれね。
これですよ。このラインがあるんですよ仲田くんの明石には(>ω<)
まあ、角度とかひねりかたにもよるので常に見えるわけではないですが。
でも、存在するんです。絶対領域なんてもんじゃない。
これが拝めただけで死んでもいいレベル。
なので、それはそれでとても満足はしてるんですが。
でもこう、なんか、あの舞台、ええと葵咲本紀だけでなく、その後にあった歌合まで含めて、ミュージカル刀剣乱舞という世界の中で見ると、明石国行という存在にはものすごいブレがあると思うんですね。
「やる気がない」というフレーズ以外の共通項がない。
しかも、その「やる気のなさ」じたいがぜんぜん一貫してない。
もっというと、正体がつかみづらいがゆえに脚本さんと演出さんにちょうどいいやって好き勝手に都合よく使われてる感が強い。
そもそも明石というのは、おそらく、作者の都合で場当たり的に謎めいたせりふを言わせたり含みのありそうな行動をさせたり、好き勝手に使うのにたいへんに適した、使い勝手のいいキャラクターだと思うんですね。
俗に、トリックスターと言われる存在。
狂言回しとも言いますね。
いるんですよ、作者サイドが動かしやすくてついつい何かにつけてそいつに出てきてもらっちゃうキャラって(・x・)
飄々としていて、目の前の些事にはあまり振り回されない。それでいてじつは目端がきいてものごとをよく見ていたり、すべてを見とおしてたり、全部わかってたりする。
そういう立ち位置のキャラというのはわりとあちこちの作品にいて、みなさんによく使われてます(・x・)
だって楽なんですよね、困ったらそいつ出しとけば、いろいろ停滞が解消できるんで。
でもって、たぶん、刀ミュにおいては、現状、明石がその立ち位置にいると思うんです。
ふだんはやる気のなさを標榜してて、でも、ふだんは右手で刀を握るくせにほんとは左利きで、真剣必殺の時だけゲス顔になって左手に剣持ち替えて振るうキャラですからね(・x・)あからさまな腹に一物裏ありまくりますよキャラ。
まあ、使いやすいですよね。
そして、この使い勝手のいいトリックスターにはじつはけっこう大きな罠があるんです。
どこでもかしこでも便利使いしてると、キャラの軸がぶれる、というか最終的にはキャラとしてのアイデンティティが消滅する(・x・)
ただの、作者サイドの傀儡になっちゃうんです。
たまに、アマチュア物書きさんが「キャラが勝手に動き出しちゃってえー、作者の言うことなんかぜーんぜんきかないんですよー。もーやだーてへっ(>ω<)」みたいなことをおっしゃることがありますが、それってじつは大きな勘違いだと私は思ってます。
キャラが作者の思ってもみてなかった行動をとるのは、キャラが生きて動き出したんじゃなくて、作ってる人間がちゃんとキャラを把握してなくて本来とらせるべき行動を理解してなかったっていうだけです。きゃぴきゃぴ喜ぶとこじゃなくて自分の理解力と想像力と構成力のなさを恥じて地面にめりこむべき案件です。
物語にはあるべき流れがあって、それをきちんと俯瞰できて発見できて把握できて組み立てることができるとちゃんとしたお話が完成します。
同様に、キャラには、ちゃんとキャラが言うべきこととるべき行動がある。
でも、そこまで完全な完成形にならなくても無理やりお話を枠に押し込んでぎゅうぎゅうやって形にしちゃうことは可能です。大傑作レベルだとこういうのはあり得ませんが、ふつうの完成度の作品なら。
同じように、本来のそのキャラクターの言動から外れる言動をとらされても、ぎりぎりチカラ技で枠の中に詰め込むことができちゃう。
でも、そういうキャラって、ちゃんと作者サイドがそれをわかった上で気をつけて運用するか、根本によっぽど強烈な確固たる個性がないと、キャラクター性を保持しておけなくなるんですよね。
そりゃそうですよね、ここでもあそこでもふっと物陰から出てきて、なんかわかってるようなこととか謎めいたこととか、制作が受け手に対して今言っておきたい教えておきたいおさえておいてほしいことを言うためだけにいる存在。
ミュ明石って、まさにこれじゃないですか?
そもそも明石国行というキャラじたい、原典刀剣乱舞でも非常に影がうすいというか存在感のうすいその他大勢キャラです。私は推しですけど、刀剣乱舞という作品の中で重要な位置づけのキャラクターではないと、推しだからこそ言います。
キャラクターデザインは非常に美しいけれど、ほかの刀とのからみがほぼない。来派3人というか来派残り2人の愛染とほたほたとしか接点がなくて、刀じたいにもこれといった逸話もない。ほんとかどうか知りませんけども、国宝指定も「ほとんど使われていなくて作刀当時の美しさが保全されているから」だという話です。
ふくらませるのがかなり難しいキャラクターです。ふくらませるとっかかりがとても少ないんですね。
蛍丸に関してだけはかなり執着があるらしいという設定はあるので掘っていけるとしたらそのへんなんですが(蛍丸じたいにも幻想的な逸話とか、謎というか進駐軍のどさくさで行方不明になっちゃった経緯とかあるし)、ミュには現状、愛染もほたほたもいないのでそこもつっつけない。
今後出てくることが現時点で決まってるなら、みほとせで少年時代の信康にトリカブト持たせてたみたいな伏線も貼れると思いますが、現時点ではそれらしいものは見当たりません。まあ、トリカブトだって葵咲本紀ではじめてあのシーンの本当の意味がわかったわけなのでのちのち同じようにああっ!ってなって顔を覆う日がくるのかもしれません。ていうかきてほしいですけど、現状はせいぜいが「もうしばらくここにいてみましょか」ぐらいしか、明石がミュ本丸と自身について言及してる場面はない。あとは全部場当たり的にその場の状況に対してなんか言ったりつっこんだりしてるだけ。あ、篭手切かばって左腕で敵の刀受けちゃって、エピローグで自分でその傷に巻いた包帯見て苦笑してる場面はあったから、明石が本来左利きで、なんで左袖まくってるのか知らない人はのちのちその設定が明かされた時に「えっじゃあ葵咲本紀で左腕犠牲にしてもいいって思っちゃうくらい篭手切にほだされたんだ?!と、尊い!」ってきゅんっとするかもしれないかな?(・x・)
話を戻して。
ただの、美形の、正体の知れない、でも明らかに何か隠し持ってるキャラ。
ほーら使いやすい。
似たような取り回しのいいキャラとしては鶴丸国永もいますが。
鶴の場合は伊達の刀としてくりちゃん・みっただ・さだちゃんなんかとからみやすいし、よく考えると伊達というとなんで出てくるのかいまいちわからないけどたいていセットで出てくる(笑)織田の刀とも関係が深い上に、驚きを追い求めるという比較的強くてわかりやすい個性もある。また、その設定があるおかげで、ミュにはそれこそ伊達刀も織田刀も出てきてないけど(くりちゃんはいるけど鶴とはからんでない)、誰にどうからんでいっても「驚いたか!」「こいつは驚きだな!」「驚きが足りないなあ」ですませちゃうことができるという利点があるので、あんまりキャラがぶれないんですね。
しかも葵咲本紀においては(私は結局パライソみれなかったのでパライソでどうだったのかは知らない)審神者の密命を受けてるから、基本的に一人だけ別の次元にいて、部隊全体を俯瞰して見渡せる立場にいる。
つまり、鶴丸はすごくブレにくいんです。
そして、作ってる側は、当然ながら鶴が審神者に何を言われた上で部隊に加わってるかわかってるから、要所要所で意味のある謎めいたことを言わせる。なおさらブレない。
で、鶴に言わせられない、あやふやだけどいちおうここはゆっとこうかね、っていう残りは全部、明石がひっかぶるわけです。
だいたいが、葵咲本紀は徳川のほかに信康サイドと貞愛サイド両方の事情も早めに開示しないといけないもんだから6人の刀剣男士を早い時期に2つに割って話を進行させてます。そうなると、どっちにもまとめあるいはツッコミ役が必要で、物語の基本的な軸になる村正と蜻蛉切はどうやってもセットにしかならないし、この2人に対して働きかけができるのは格からいって鶴丸しかいない。
となると、残り3人が必然的にセットになって、自分のことしか考えられないくらい視野の狭い篭手切江と難しいこと考えるの苦手な御手杵、しかもこっちはこっちで2口とも敵がたの人間と刀のそれぞれとしがらみがあって当事者だから事態を冷静に把握も分析もできない。
そりゃあ明石レベルのトリックスターがいないと話になりませんよね。
たとえばここに、明石じゃなく、そうだなーたとえば秋田藤四郎とかが新キャラとして配置されてたら、貞親サイドの物語なにひとつ進みませんね。まあ短刀にはあまりにも任が重いだろうからじゃあ太刀で考えるとして、みつよでも鬼丸でもお数珠でも天下五剣をつれてきたってみつよは自虐してるし鬼丸は韜晦してるしお数珠はお経唱えてるだけだろうし仮にじじいを連れてきたってはっはっはとか言って終わりですよ話が進みません。
便利使いされるトリックスターにもトリックスターたり得る要素が必要なんですよね。
私は葵咲本紀に明石国行って発表されたとき「はぁ?」って言いましたけども、そのあと人間キャストに双子がいるから結城秀康双子説をとりあげるんじゃないかって話になって、御手杵もいるしげっ結城組とか言い出すつもりかふざけんなよなって思った(明石が伝来してる明石松平家は結城家から分家?してそのあと5代だか10代だかさがったあたりで明石を入手してるので、織田組伊達組黒田組みたいになんでもグループ化してくっつける根拠にしたい派が御手杵と明石をセット扱いしようとしてたことがある。定着はたぶんしてない)んですけど、結局明石の伝来及び刀派については一切言及されないまま葵咲本紀終わりました。まあ、御手杵と伝来した家が何十年だか百何十年だかへだてていちおううっすいつながりがないわけでもない、ってレベルのことをあげつらわれても困るんでそれはいいんですけども。
つまり、いざ舞台が幕をあけてみたら明石ってなんでこのメンツに入ってんのかわかんない刀で、同じ本丸にいるんだからみたいなおためごかしはおいといて、別にすべての登場人物になんらかほかの登場人物との濃密な関係性は必要ないとは思ってるけれど、それにしてもほんとに明石である必然性がこれっぽっちも見えない筋立てであり展開。
阿津賀志山異聞の時、なんで三条に加州がまじってんの、ってくらいの脈絡のなさで、加州はたぶん一番人気キャラだから、どうなるかわからない立ち上げ公演に客を呼ぶためにも配置する必要があったんだなとわかるけど(安定して金がとれることわかったらほとんど加州出なくなったし)、今回の明石に関してはほんっっっっっっっっっとに配置意図がわからない。
でも、明石国行という刀剣が必要だったんじゃなく、鶴丸を向こう側に配置しちゃったから御手杵と篭手切をうまくつつき回してそっち分隊を必要な方向へ誘導するトリックスターが必要だという視点で誰が適切か、で選定されたんだとしたら、まあ、ありかな、と思います。
だったらいかにも主役っぽくメインビジュアルで真ん中に配置しないでほしかったなとは思いますけども。なんで明石?は??とは思ったけど推しだからあんな位置に置かれたら期待するじゃん?(´・ω・`)
やる気のなさ というゆらぎ
と、いうようなことを思うようになったのは、でも、円盤を観てからです。
初見とライビュ鑑賞当時は、とくにそこまでは思いませんでした。1部の脚本どうよというのは本会場鑑賞当時から思ってましたけども。
ただ、9月に本会場で観た時と1か月半ちょっとして大千秋楽ライビュを観た時で、明石の印象がずいぶん違った。毎日枕もって舞台裏あちこち徘徊してツイッタに写真あげてたり、MCでのいじりとかを経て本人も自覚しないうちに解釈がじわじわ地すべりしたかなあ、って感じでした。
ライビュ同行した友人(刀は一般教養程度・推し思い入れなし)も「悪いけど私はあれ明石には見えなかった」と言ってました。うん、大丈夫悪くないよ。私もきみに「明石めっっっっっっっっっっっちゃエロかった!!!!!美しかった!!!!」とは言ったけど「明石生きてた!明石はほんとうにいたんだ!」とは言わなかったしょ(・x・)
2.5の円盤には俗にバクステと呼ばれる、バックステージ映像が収録されていることが多いです。作品によって収録内容はちがいますが、顔合わせとかお稽古の時の様子、ゲネプロとか初日の気合入れとか円陣とか上演中どんなタイミングで板の上にはいない誰がどんなことをしてたとか、そういう裏側の映像で、カメラを向けられたキャストさんがちょっとコメントをしたりとかもするんですけれど。
葵咲本紀のバクステを見た時、すごく、仲田くんがやりづらそうにしてるなと思ったんですよね。もちろん私がそう受け取っただけなのでご本人はまったくちがうのかもしれませんが。
これは、明石を演じるのがやりにくい、ということではなく。
なんというか、コメントを求められると、「やる気・・・ない、ですから」とか、なんか口ごもりながらやる気のなさをいちおう前へ出そうとするんだけど、でもほんとにやる気なくてサボることしか考えてないと歌ったり踊ったりもいやがってるってことになるわけで、それはお客さんに対して言っていいことじゃないし、そこをどう役者としての自分の言葉で表現していいかわからなくて困ってるような感じに見えたんですね。
これは約束の空の予約特典DVDでも同じで(ちなみに私これ買い忘れたんですけど、封入の天狼傳先行シリアルのために複数買いしてる人の誰かからたぶんディスクだけなら譲ってもらえるよなーって思ってたら古くからのお友達が複数買いしてて譲ってもらいました(>ω<)いつもいつも気にしてくれてありがとう!!(>ω<))、PVのあとにPV撮影風景+編集でさしこむ用にいっぱい撮影した個人別アップ部分の映像を多めにつっこんだおまけ映像がついてるんですけれど、そこでもちょこっとだけコメントがあって。
やっぱり、なんか、戸惑ってるんですよね。なんて言おうか迷ってるように見える。
そしてやる気ない、しかやっぱり言うことがなさげ。
かろうじて、最後にこれでしばらくおやすみいただきますぅー、みたいなことを、やる気ないにひっかけて言ってましたけども。
葵咲本紀と、そのあと歌合もあって、それなりというか相当な回数、しかも葵咲本紀のあとのミュが歌合でしたから連続で、明石国行というキャラクターを演じていて、明石としてのちょっとしたせりふみたいなものがぱっと出てこない。
これってもう、役者さんの問題じゃないだろうと思うんですよ。
演技指導が悪いっていうか場面場面ごとでやらされることがあまりにもちぐはぐで、どう統合していいかわからないんじゃないのかな。
それで、結果としてあのすごくあいまいな明石ができあがってしまったんじゃないのかな、と思うんです。
とくにミュはステ以上に、役者さんというか舞台じたいがキャラを作る率が高いと私は思ってるんですが。
ライブがあって客降りがあってすごくダイレクトに観客の反応がわかる構造だから、これもまた感想屋の話に近くなってきちゃうけど、ベースがある程度あったとしても観客の反応によってもちょっとずつキャラが変質していく部分もあると思うし、上のほうにも書いたけど歌う場面が多いから、あんまり声も作れない。逆にいうと、自分に寄せないとどうしようもない部分がある。
もっくんの村正も、すわべの村正とはもう完全にちがうものになってますよね。脱ぎましょうか!と太ももチラチラチラ!ばっかり前面に出てきてる。まあ、あれも、ゲームのほうのキャラはFufufuとかナゾっぽくゆってるだけでじつは正体まったく見せてないキャラですしw
そして明石は、2部MCでも「やる気がない」ことだけをとにかくピックアップしていじられてます。ほかの刀剣があるじ(客)にアピールしてる間にひな壇の一番上で寝ちゃった明石をなんとかするために「あっかしいー!やるきだっしてー!」的なせりふを客席に叫ばせると明石がやる気を出す、という、毎度せりふも反応もちがう回がわりの部分です。
MMD刀剣では本丸の縁側に明石のモデルを寝かせる人が多いし、いかにもそれは明石がやりそうなことなので寝てる明石じたいには私も大笑いはしましたけれど、「ほかの刀剣があるじにアピールしてるうちに飽きてきてあくびしはじめて最終的に寝た」結果としての寝てる明石、というのは、これはやる気がないんじゃなくてたんに失礼なやつです。まあ、ここの部分は解釈違いってことでおさめてもいいんだけども。
これが、まあ、お約束だからしょうがないんだけど、客席からのコールを受けて「よっしゃあああああああああああ!!!!!!」とか雄叫びあげてやる気出す、これもまた明石としてはありえない行動。
明石のやる気のあるなしは、たかが審神者ごときが声をかけた程度で左右されるものじゃないわけですよ。根本的な設定なんだから。
もちろん、ミュージカル刀剣乱舞は客商売なんだから、客に媚びる必要はある。だからあの演出も、私はきらいだけどしょうがない部分はあるだろうなとは思う。
でも、やっぱり、あまりにも場当たり的すぎませんかね?別にそこコーレスにしないで、びしっとエロく決めた末にもう休んでもええでっしゃろって寝ようとするのをみんなであわてて引き止めて、って流れでもべつによかったと思うんですよね。わざわざ明石で笑いをとる必要ないと思うんだ。
大倶利伽羅のときはうまくやったじゃん? 群れるつもりはない、俺はひとりでやる、やらないとは言ってない、って、やっぱりいじられパートではあったけどキャラをほとんど崩さないままアピールもしたじゃないですか。仏頂面で俺は群れないって主張しながらファンサするのすごい大変だろうけどwでもがんばってうまくやってたよね。
なんで明石ではそれが作れなかったのか。
なんで客降り曲の最後で階段通路でつまんなそーにだらーっとしてて、それをカメラにとられてげげって顔になって慌てて舞台へ戻っていくために客席から飛び出していくのか。
明石のやる気のなさ、ことあるごとにさぼろうとする性質って、カメラがうつしてないから歌うのやめて踊るのもやめて鼻ほじってあくびしてるとか、そういうことじゃなかろ? あれは隊長にして戦場に出すと「やる気ないとか言ってられまへんな」ってちゃんと刀抜いて先頭に立つし、遠征に出せば「ほないってきますわあ」って言って出てくし、帰ってきたときこそ「いやー疲れましたわーこれで休んでもええでっしゃろ」って言うけど、それってつまり遠征の間は休んでないでちゃんと仕事してたってことでしょ? やる気はないからへしべみたいに自分からなんでもしますよ家臣の手打ちですかやりますよ?!とかイキったりしないけど言われたらやるんですよ国宝ですよ?
なのに、ミュではああいう扱いというか態度をとらされるわけです。やる気ない、というその単語でしか、明石を形容できてないんです。
それって結局、制作陣じたいが明石をちゃんとつかんでない、というよりも明石国行というキャラクターをきちんと描くことよりも場面場面で便利づかいして自分らが楽することのほうを優先した結果収集つかなくしちゃったからじゃないのかな。
いままであえて言及してこなかった歌合にここで言及しますけど、歌合の明石メインエピひどかったよね!!!! ほんっっっっっっっっっっっっとにひどかった。こんななら明石メインエピなんか作らなくてよかったよってレベルでひどかった。
こぎのダブルフェイスエピに背景で出てきてた時はすごく明石らしく使われててめっちゃよかったからあそこだけでよかったのに(エピじたいも明石のとこを抜いてもめちゃくちゃよかった)。
明石なんてそもそもメインに使うキャラじゃないんだからさ。(推しです)
そもそも歌合はぜんたいに脚本がひどいっていうか4人?ライター集めてそれぞれ数本ずつ短編シナリオ書かせたのを寄せ集めたアンソロだったらしいですけども(それじたい企画としてどうよって思うけど)、今までミュを書いたことのないライターにいきなりアンソロ参加させたらキャラなんかまともにつかめないに決まってんじゃん?ジャンル外の作家をなんでもいいから連れてきて絵はキャラを知らなくても見りゃ描けるからとりあえず絵かかせて詰め込む商業アンソロかよ。
まして明石ですよ。原作にはほとんど資料にできる情報がない上にこれという明確な個性もない、というか個性を出せる相方がミュ世界には現状存在してない、たんなる狂言回し。これでキャラつかんでアイディアが基本勝負の短編書けって、無茶ぶりがすぎるだろう。もっと個性が強くてはっきりしてるキャラをメインにしたげなよ。そのほうがライターだってやりやすいだろうし役者だって演じやすいよ。(推しです)
ちなみに、どういうシナリオだったかというと、明石がいまけんに「自分やる気ないんで」を馬鹿の一つ覚えのように繰り返して、それをたてに梅の枝にひっかけた手ぬぐいをとってもらうとその枝が折れてしまう。実際には明石が折った梅の枝なんだけど、それをごまかしたいから、いまけんをむりやり「自分やる気ないんで!!!!!」で動かして、いまけんに自分が折ってしまったと錯誤させる。同じことを小狐丸にもやって、ショックを受けた二人にあれこれ詭弁を弄して言いくるめて審神者にその罪を知られないために梅の木じたいを切らせてしまう(そのことによってそもそもの自分の梅の枝を折ったという罪を隠蔽しようとする)、という、こすっからい上に他人をばかにしまくった話(最後にこれは作り話で、実際にはいまけんもこぎも梅の枝は折ってないし審神者から罪を隠すために梅の木も切ったりしてません、おふたりともそんな悪い刀とちがいますからwwwとまとめる、というわけのわからんフォローオチがつく)なんですが、つまり。
ここでも、明石は「やる気がない」が唯一の売り
というとらえかたをされてるわけです。
ほんと、それしかつかめる特徴がないんだね。
だって葵咲本紀でも、そこ以外はあとは制作のいいように使い回されてただけだもんね。
正直、ライターもひどいと思うしこれにOK出した制作トップもどうかと思うし明石だけじゃなくいまけんもこぎも騙されて枝を折ったと思い込まされた上に明石の詭弁にひっかかって精神操作される程度の頭の悪さってことにされてキャラぶちこわされたわけだし、役者さんたちみんなかわいそうだと思うけど、でも、そもそもは、明石国行というキャラをきちんとキャラクターとして板の上にのせなかった葵咲本紀がまず最大に悪い。
と、私は思う。
歌合という舞台全体は、ライブ部分はもちろん楽しかったし(こまぎれで立ったり座ったりペンラつけたり消したり忙しかったから小話は小話ライブはライブでまとめて前後でわけてほしかったけど)めっちゃできのいい小話もあったし水干で踊る明石は美しかったし、しかもなぜか私のために随所でくりちゃんとかなりくっついて踊ってたし(とある事情により私の中では大倶利伽羅×明石がアツい)いろいろ楽しいところはたくさんあったけれど。
でもやっぱり、あの明石のシナリオはちょっとほんとどうかと思う。
そして葵咲本紀も、あの明石の使い方はどうかと思う。
楽してんなよ。もっと頭使って必死に考えようぜ創作者はさ(・x・)
作る側が楽して適当にすませるほど、完成品はつまんなくなるよ。
ゲイ向けショーありホストクラブ
・・・と、ここまでが葵咲本紀を再鑑賞してさらに約束の空DVDのおまけ映像を観た末の結論なわけですが。
それと歌って踊ってる姿をおいしく鑑賞するのは別腹です。
MCの部分は今まで書いてきたような理由で観たくないのでスキップボタンに仕事をしてもらいながら、2部をリピート鑑賞してた時に思ったことを、ついでなので書いておこうと思います。
2部での明石の動作には特徴があります。
手の甲で喉元を撫でるんですね。
明石の喉には黒い線が3本入ってるんですね。線ゆうなって感じですけどどういうモノなのかよくわからないw ミュのは革っぽいですが、内番服だとついてないんで、明石本体の付属品ってわけじゃなくて胸のばってんバンドとセットの拘束具テイストの装身具なのかなと思いますが。
それを、撫でるというか示すというか誇示するというか。
じかにそこをほんとに撫でるわけではないんですが、とりあえずそこを強調して体をくねっとさせます。1部から、わりと仲田くんの明石って腰から背中をぐっとそらすポーズをよくとって、刀身を模してるのかなあ、とも思わないでもないんですが。
2部衣装は和洋折衷というかぴっちりインナーの上にお尻ぐらいまでの長さの和服ふう前で襟を合わせるトップスに帯ふうのベルトで、だいたい大雑把にわけて半身は単色でもう半身が柄。明石の場合半分は黒半分は黒と赤(基本ですね明石のカラーリングとして)に金糸銀糸の花なんですが。
つまりかなりあだっぽい。
しかも、今まで書いてきたように「やる気のなさ」と実際に振りに合わせて歌って踊ってるののギャップを表現しようとしてるのかとくに考えてるわけじゃないのか、フレーズの合間にふっとすごくけだるげな表情をすることがあるんですよね。
これがほんともうめっっっっっっっっっっちゃエロいんですけど。
絶対これ、商売だよなあ、って思うんですよ。
この明石、ぜったいこの顔と体で商売してる(>ω<)
でも、闘魂歌って、明石も鼠径部のくぼみは見せてくれますけどあの曲基本的に振りがかなり雄々しいんですよね。
客降り曲で片肌脱いでた上を完全に脱いじゃってインナーだけになるし、タオルみたいなフラッグ振り回して投げたり肩にかけて結ぶし曲の振りじたいも四股じゃないけど思っきし膝開いて腰落として片足上げてキックとかすごくプロレスっぽい感じで、それをでっかい男(一人ちっちゃいけど)たちがどすどすやるので、これはとうていジュネじゃない(・x・)
※すでに知らない人も多数いると思いますので解説しときます。BLという言葉が誕生する以前に、ええとたしか昭和52年か53年かそのへんに創刊された耽美系美少年愛を扱う雑誌でした。創刊当初はJUNという名称でしたがOUTでものすごいえぐいパロディをされたせいかJUNEに改称。そういうものに飢えてた一部女子に熱狂的に支持されてその後長くジャンルの代名詞になりました。基本BLよりもっとファンタジックで、風木とか稲垣足穂とかヴェニスに死すとか、そういう方向性。
明石は美人だけど。すごい妖艶だけど。村正と2人は高級ホステスの線もなくはないんだけど、でもあの闘魂歌(・x・)
あそこはどうやってもゲイ向けホストクラブのショータイム(・x・)
よく座組は家族とか言うし、別に座組に限らず登場人物家族パロとかもよくあると思うけど。
葵咲本紀は家族じゃなくてゲイ向けホストクラブだな(・x・)
ってなりました。
これは、ベースのキャラじゃなく、あの2.5のメンツでないとたぶん成立しないけど、私もべつに彼らをホモにしたいわけじゃなくて、たんにおいしい脳内麻薬として楽しんでるだけなのでバーチャルホストクラブってことで。
今作で、みほとせのころは脱いだりいやらしかったりチラチラするばっかりのヘンタイだと思われてたのがじつはものすごい女性性が強くて執着心も感情の起伏も激しかったことが明らかになった村正が、根強いオネエ需要を一手に引き受けるママ。
明石はやる気ないわあとか言いながら売り上げは毎月ダントツに群を抜いてる、店の中での地位的にはナンバーツー、売り上げはたぶんナンバーワン。絶対ね、明石あれものすごい床上手だと思うんですよ。口説くのに手間はかかってむしろ客のほうが熱心にライン送ったり店に通ったり貢物したりしないとなかなかその気になってくれないけど、いざベッドまでこれたらもうめっちゃ天国な思いさせてくれると思うんだ(>ω<)
蜻蛉はフロアチーフ。黒服のトップでどっしりした存在感で店の空気をシメてる村正のダンナ的存在、御手杵は駆け引きとかへたくそ以前の問題で仕掛けられてることさえ理解できないめっちゃいいやつなバーテン、篭手切は入店したばっかりの黒服見習い。せっせとあっちこっちのテーブルに酒やおつまみ運んだりタバコに火を差し出したりしてて、いずれはホストに昇格してショーでセンターのポジションをもらうのが夢。
でもって、鶴丸はたまにしか姿見せない支配人。でもたまに顔出すとなんかとんでもない企画を持ち込んできてみんなにええーっ?やですよーって言われながら支配人権限で強行するとお客さんにはめちゃくちゃ受けるっていうナゾの才能あふれる奇人。
オーナーはもちろんあの、声だけの審神者で(・x・)
あのおっさんほんと、全部上から見てるからめっちゃ約得だよなー。
みたいなことを考えながら2部鑑賞するのすごい楽しいわあ(>ω<)
まほやくのおかげで萌えるという感覚も理解できるようになってきたのでなおさら摂取と反芻がおいしい。
興行業界もっと広がれ
作中のキャラクターとしての明石の扱いにはやっぱりどうやっても不満は残るので、そのうちまともに明石を使ったミュを作ってほしいものですが、パライソに出演がなかったから明石の再登場があるとしたらそのさらに次以降。
コロナの影響でパライソが1年スライドしたからミュの新作スケジュールもすくなくとも1年ずれちゃったわけで、2022年以降ってことになって、なかなか気の長い話。それとも2022年は再演をやめてもともと2022年予定だった新作を出して帳尻合わせとかしてくれるかなあ。
でも双騎と天狼傳は全公演ライブ配信が決まったらしいし、本会場で得られるものってもちろんあるんだけど、たとえば自分の住んでる場所ではない場所での公演はよほどのことがなければ観にいけないのが画面上とはいえ全通が可能になるわけで、へたしたら全国公演全席満席よりも売り上げあがったりするんじゃないかしら。
イープラも無観客ライブ配信システムを確立させたみたいだし、もうさ、刀は今のキャパの半分以下しか観客入れられないっていう感染防止なんちゃらになる以前からステもミュもほんっっっとに希望者に対してごくごくごくひと握りの人間しか本会場にいけないぐらいに客層がふくれあがっちゃってたわけで。
わざわざ映画館まで、めんどくさかったり雨ふってたり、ライビュなんかたいてい土日だからシネコンとかばかみたいに人多くて混んでる中に出かけていかなくても舞台芸術をもっと気軽に鑑賞できるシステムや選択肢がこれをきっかけに増えて確立していくのであれば、コロナも悪いことばかりじゃないんじゃないかなって思う。ついでに投げ銭システムつけておけば公演中にたぶんけっこうなというか相当な額の投げ銭するよ、きっと。みんな公式にお金払いたくてしょうがないからね。
もちろん、そうなると、集客が見込めなさそうな企画は劇場で上演しないで配信専用のスタジオみたいなものを使ったりとか、そういうのもでてくるかもしれないし、そういったホールや、乱立するライビュで各地の映画館もそこそこの売り上げを出してたんじゃないかと思うからそっちの売上減はもっと深刻になるかもしれないけど、いろんなところで今まで惰性でやってたことを見直して、より多くの機会を提供したり新しい興行形態を作っていくことができるなら、それはそれでアリだと思う。
じっさい、双騎再演や天狼傳再演は、それだったら私は配信でいいかなって思うけど、映画館の大画面のほうがやっぱり迫力は違うし、明石が出る新作の上演があるならやっぱり本会場いってあの肌のナマをもっぺん観たいって思うから、人気作なら配信を選ぶ人は増えても本会場での鑑賞希望する人はキャパを割ることはないと思うし、淘汰は多少あるにしても、ライビュも、なんのかんの生き残ると思うし、最終的に選択肢が増えてそのぶん興行収入が増えた、ってところで終わってくれるといいな。
とりあえずね、明石がもう一度ミュに出てくるまでは、続いてもらわないとこまるからね!(>ω<)