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PR2040 Zeroを使用した自作キーボード基板の回路図の作り方

蓮乃 紫_Murasaki

はじめに

自作キーボードの基板設計本では「Pro Micro」を使った解説が多く、初めての基板設計でも「Pro Micro」を選ぶ方が多いのではないでしょうか。しかし、「Pro Micro」はピン数が多い一方で、基板サイズが大きく、メモリ容量も少ないため、他のマイコンを使いたくなることもあると思います。
そこで今回は、「RP2040 Zero」というオススメのマイコンを使った回路図の設計方法をやさしく解説します。

対象となる人

  • Pro Microで基板設計をしたことがある

  • Pro Micro以外のマイコンボードを使用したいと考えている

  • KiCadを使用している

  • 電子工作の知識がない

RP2040 Zeroとは

Waveshareという会社がRaspberry Piが開発した「RP2040」というチップを使用して設計・開発した小型のマイコンボードです。詳細については以下のリンク先をご確認ください。

また、RP2040 Tinyという製品も販売されています。
こちらの製品は、チップ部分とUSB-C端子が別々の基板になっていて、付属の8ピンFPCケーブルで接続します。そのため、USB-C端子をマイコン本体とは別の位置に配置したい場合など、設置や配置の自由度が高く、さまざまな用途に対応しやすいのが特徴です。

RP2040 Zeroの良いところ

  • サイズが小さい

  • 購入しやすい価格

  • メモリー容量が2MB

  • ResetとBootスイッチが付いている

  • 豊富なGPIOピン

  • USB-C端子

PR2040 Zeroの写真

BootとResetボタンが搭載されている
RP2040チップ内の数字部分は念のため加工してあります

RP2040 Zeroの回路図

RP2040 Zeroについての基本が分かったところで、回路図の設計方法を解説していきます。

シンボルとフットプリント入手する

まず、シンボルやフットプリントがなければ回路図を作成することはできませんので、データを用意します。
幸いなことに、isw-kbd-libさんがこれらのデータを以下で公開してくださっているので、感謝して活用させていただきましょう。

データをダウンロードするには、緑色の「Code」ボタンをクリックし、「Download ZIP」を選択してください。ダウンロードしたZipファイルを解凍し、KiCadでシンボルおよびフットプリントライブラリに登録すれば準備完了です。

Codeボタンをクリックし、Download ZIPからデータをダウンロードする

回路図の説明

以下の画像がRP2040 Zeroのシンボルです。「5V」、「GND」、「3V3」の他に、「0」から「29」までのピン番号が記載されています。ただし、「16」から「25」は別の箇所に配置されているため、シンボルには含まれていません。

RP2040 Zeroのシンボル

5Vの説明

5Vピンは、RP2040 Zeroボードへの電力供給に使われますので、回路図では「5Vピン」と「VCC」のシンボルを繋ぎます。

5VピンとVCCを繋ぐ

GNDの説明

回路内の電気が帰ってくるための場所です。電気が流れた後、GNDピンを通って戻ることで、回路が正しく動きます。このGNDピンが正しく動作するようにするため、「GNDピン」と「GND」のシンボルを繋げます。

GNDピンとGNDを繋げる

3V3の説明

RP2040 Zeroボードの3.3ボルト電源を供給するためのピンです。このピンを使用することで、ボード内部や他の部品に3.3Vの電力を供給できます。例えば、LEDなどの部品に使用されることがあります。私自身はまだ使用したことがありませんが、以下の記事で詳しく解説されていますので、ぜひご確認ください。

私は使用していないので、×マークをつけています

あとは、PWR_FLAGとGNDのシンボルを配置して接続し、Pro Microと同様に「row」や「col」のラベルをお好みで「0」から「29」のピンに付ければ、RP2040 Zeroの回路図は完成です。

PWR_FLAGとGNDを繋ぐ

Pro Microではファームウェアの書き込み時にResetスイッチが必要でしたが、RP2040 ZeroにはResetボタンとBootボタンが搭載されているため、別途Resetスイッチを追加する必要はありません。

回路図の全体

ファームウェアの書き込み方法

  1. 「Boot」スイッチを押す

  2. Bootスイッチを押しながら「Reset」スイッチを押す

  3. デスクトップにRPI-RP2アイコンが表示される

  4. 表示されたアイコンにファームウェアをドラッグ&ドロップする

  5. 完了

Macではファームウェアをドラッグ&ドロップした際に、「不正な取り出し」と表示されますが、無視で構いません。

さいごに

RP2040 Zeroの回路図作成について解説しました。
私自身、電子工作に関する知識はなかったため、初めは別のマイコンボードを使うのは難しいと思っていました。しかし、一つ一つ理解していくうちに、RP2040 ZeroはPro Microよりも簡単に使用できると感じました。
LEDやロータリーエンコーダーなど、さまざまな機能を追加することでピン数が足りなくなることも考えられますが、通常のキーボードを作成するには非常にオススメのマイコンボードです。ぜひ、RP2040 Zeroを使用したキーボード設計に挑戦してみてください。

ちなみに、さらに小型の「Seeed Studio XIAO RP2040」もあります。
私はまだ使用したことはありませんが、公式WikiにはKiCadのデータも配布されているので、興味がある方は確認してみてください。ただし、ピン数が少ないため、主に左手デバイスや分割キーボードに適していると思われます。

また、先述した通り、電子工作に関する知識がある訳ではないので、各ピンの説明が間違っていましたらスミマセン。

この記事はAkashaを使用して書きました。

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