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キー部9%忘年会に参加した話


はじめに

12月21日に恵比寿にてキー部9%忘年会という自作キーボードイベントが開催され、このイベントに参加してきましたので、感想をまとめていきたいと思います。

私の展示内容

今回は、私が設計した面ファスナーマウント方式のキーボードと、私が愛用しているJizaiStyleさんのTRRSケーブルを展示させていただきました。ただ、大変申し訳ないことに、展示時にケーブルとネームプレートが逆になってしまっていました。正しい対応は以下の通りです。

  • 左側:ブラックのケーブルは、ハリのある質感の「HUE

  • 右側:シルバーのケーブルは、とろみのある質感の「DENSE

それでは、展示会場で撮影した写真をいくつかご紹介しながら、詳細をお伝えしていきます。

集まった人のレベルが高い

今回のキー部は定員が30人と、過去のイベントの中で一番少ない人数だったのではないでしょうか。そのため、初めてキー部に参加された方が3名ほどいらっしゃいましたが、それ以外の参加者は界隈で名の知れた方々ばかりでした。

展示されていたキーボードのレベルも非常に高く、アイデア勝負のキーボードを展示していた自分としては、少し恥ずかしい気持ちにもなりました。どれも、メーカーから販売されていてもおかしくないような素晴らしい出来栄えでした。逆に言うと、そのような素晴らしいキーボードばかりが展示されていたので、見て、触れて、聞いて、本当に楽しい時間を過ごすことができました。

過去1番の話の内容の濃さ

無線キーボードは「設計段階から消費電力を考慮する必要がある」とか、「このショップの電池が良い」といった話など、聞いていても難しく感じる部分が多々ありました。無線化には興味があるものの、話を聞いているとやはりハードルが高そうですね。ただ、その難しさがむしろ楽しいとおっしゃる方もいらっしゃいました。
さらに、光栄なことにai03さんと直接お話しする機会をいただき、さまざまな事を教えていただくことができ、とても勉強になりました。また、作成されている基板は非常に美しく、思わず見入ってしまいました。
ちなみに、バリバリキーボードの打鍵感が好みだったようで、「好きです」と言ってもらえました。とても嬉しい!

JizaiStyleさんのケーブルはやはり良い

自分の展示スペースに常にいるわけではありませんでしたが、展示物をご覧になっている方がいれば積極的にお声がけさせていただきました。その際、JizaiStyleさんのケーブルをおすすめしていたところ、以下のような反応をいただきました。

  • 2つとも全く違うので、両方欲しくなりますね

  • 見た目がとてもかっこいいと思います

  • ケーブルが柔らかいので、取り回しが良さそう

  • これは良いですね、USB-Cケーブルとかも作って欲しい

特に最後に話題に上がったUSB-Cケーブルについては、私自身もぜひ作っていただきたいと思っております。よろしくお願いします!

JizaiStyleさんのケーブルは、実際に手に取って触ってみてこそわかる魅力があります。その独自性とクオリティをぜひ体験していただき、唯一無二のケーブルの素晴らしさを感じていただけたら嬉しいです。

バリバリキーボードは期待を裏切る

最初からネタとして扱っていたこともあり、「楽しんでいただければそれで良いかな」と思っていましたが、実際に打鍵していただくと「おや?意外と良いぞ(笑)」という感想を多くいただき、良い意味で期待を裏切ることができたようです。お手軽に試せる方法なので、ぜひ一度お試しいただきたいです。ただし、打鍵感はやや硬めですので、硬い打鍵感が好きな方には特におすすめです!

ちなみに、この面ファスナーマウントは2020年にすでに考案されていたことが判明し、私はどうやら世界で2番目だったようです。詳しくは下記をご覧ください。

30人しかいないのに時間が足りない

参加者が少人数だったおかげで、じっくりと濃密な話をすることができた反面、時間が足りないと感じてしまう場面もありました。もっとキーボードの話や、裏話をたくさん聞きたかったです。また、3Dプリンターを購入される方が急増していることもあり、3Dプリンターに関する話題が増えたように感じます。

正直なところ、5人くらいで集まって、1日中キーボードについて語り合う会を開きたいなと思いました。多分それでも「1日じゃ足りない!」と言い出すことでしょう(笑)。いや、本当にキーボード馬鹿ですね。

設計者じゃなくてもイベントを楽しめるか?

キーボードを設計していなくても、キーボードや電子工作に興味があれば十分楽しめるイベントです。家電量販店ではまず見かけない、個性あふれる素晴らしいキーボードが数多く展示されています。また、気になることがあれば、その場で設計者の方に直接質問できるのも魅力のひとつです。

参加者のこだわりもさまざまで、打鍵感や打鍵音、美しいデザインを追求する方から、ユニークな発想で「ネタ」として楽しめるキーボードを持ち込む方までいらっしゃいます。こんなに多様で素敵なイベントは他にはないと思いますので、ぜひ一度足を運んでみてください。

これから設計しようと思っている方へ

キー部では、設計者の方々と直接お話しできる貴重な機会があります。ネット検索では得られない実践的な知識や裏話を聞くことができるので、これからキーボード設計を始める方には特におすすめです。設計者の方々は基本的に「教えたがり」で、気さくな方ばかりなので、気軽に話しかけてみてください。成功談から失敗談まで、惜しみなく教えてくれるはずです。

たとえば、基板の発注先や設計に使用するソフトウェアについてのアドバイス、さらには設計のコツやトラブル回避法など、どんな質問でも答えてくれるでしょう。ぜひ、この機会を活かして知識を深めてみてください。そして、次回のイベントでは自分が設計したキーボードを完成させ、みんなに自慢しちゃいましょう。

番外編

今回はキーボードだけでなく、ヘッドホンの展示もあり、実際に音を試聴できるブースが設けられていました。いやー、本当に素晴らしいヘッドホンばかりで感動しました。

特に、今回初めて視聴した「SR325X」というヘッドホンが、私の好みにピッタリの音で、すっかり気に入ってしまいました。キーボードのイベントに参加したはずが、まさかヘッドホンが欲しくなるとは思いませんでした。

おわりに

運営の皆さま、本当にお疲れさまでした。そして、「天キー」も含め、今年1年を通してのイベント開催、本当にありがとうございました。

今回、憧れの方と直接お話しする機会があったことが何より嬉しかったです。普段は「雲の上の存在」と思っている方だったので、緊張のあまり変なことを言っていなければいいのですが…。

キーボード設計者にとって、このようなイベントは開発のモチベーションを一気に引き上げてくれる貴重な機会です。イベントから帰宅するとすぐにKiCADを開いて基板設計を始めたり、感じたことを忘れないうちにSNSやブログに書き起こしたりと、次の設計に向けた勢いが止まりません。また、イベント直前には「あのイベントに展示するキーボードを完成させなければ…」という焦燥感が生まれ、設計速度が通常の3倍にまで上がるという不思議な効果もあります。

運営はきっと大変だと思いますが、本当に素晴らしいイベントですので、ぜひこれからも続けていただけると嬉しいです。私は参加者として応援することしかできませんが、心から感謝するとともに、末永く続くことを願っています。

この文章はバリバリキーボードのTruneoを使用して書きました。

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