経営者が陥りがちな誤った投資判断

大企業で、ある若手社員のAさんは、新サービスの企画を考え投資の稟議を起案しました。

ところが、課長や部長から、今のままじゃこの企画書は通らないよ。来期の業績にどの位インパクトが出るのか?投資回収がいつ終わるのか?全然見えない。

全部試算して作り直して。

若手社員のAさんは市場規模を調査したり、競合の業績を分析したり、数値を捻り出して企画書を完成させました。

ですが、Aさんは心の中で、これは絵に描いた餅。この通りになるのかなんて、全く自信無いんだよなー。うまくいかなかったら誰か責任を問われるのではないか?不安になったのです。

そんな事を考えているうちに日々の業務に追われて企画自体は埋もれてしまいました。

それから一年後のある日。

東日経済オンラインという、人気番組でベンチャー企業による新サービスが話題!という見出しを見たAさん。何やらSNSやネットニュースでも取り上げられる程の画期的なサービスらしく、内容を見てみると、、、ビックリ。一年前にAさんが考えていた企画とそっくりだったのです。

さて、これは架空の話しですが、大企業で何か新たな企画を考えると、色々と躓くポイントというか、突っ込まれる事が多いのではないでしょうか?例えば先に上げた業績の見通し、自社の売り上げや利益も大事ですからね。

また、派閥による足の引っ張り合い。歴史ある大企業であればある程、出る杭は打たれる!みたいな文化が根強く残ってたりします。

個人的には投資をするか?しないか?の判断基準として、短期的な自社のキャッシュフローも重要だとは思いますが、どちらかと言うと、業界や産業に与えるインパクトの方が重要かと思います。

その企画を実行して、誰にどのような価値が生まれるのか?どの位のインパクトが生まれるのか?ここがポイントなんです。

ただし、定量的な指標や数値では表しにくい点が難しいところです。そこは資料の見せ方や工夫。また、決裁者の嗅覚やカン、経営者としての資質が問われるところです。

自社の利益を追求し成長し続けるゴーイングコンサーンみたいな経営や考え方はもう、時代遅れです。

逆説的にもし、その企画の成果が業界や産業にインパクトを与えないもので、自社の売り上げだけが上がるような企画であれば、愚策の可能性が高いかもしれませんし、やるかやらないか?の議論に時間をかけたり、資料を作成するのに労力をかける事自体、価値がないとも言えます。

という、お話でした。



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