編集はなぜ必要?映像編集のギモン~前編*~
『あなたは映像編集をしたことがありますか?』
という質問に、現代では何人が「NO」と答えるでしょうか。
自分の結婚式のプロフィールムービーを自作した、旅行の記念に写真で動画を作った、TikTokやYouTubeをやっている…
そんな大それたことでなくとも構いません。
たとえば、飼っている猫の動画Twitterにアップするとき。
そのままだと長すぎるから尺を短くして、この部分は見せたくないからサイズをトリミングしよう、テレビの音が入っちゃってるから音声はオフのほうがいいかな?
…なんてTwitterのアップロード機能でできることだって、動画編集だといえます。
昔は実際のテープやフィルムを切り貼りしていた技術も、パーソナルコンピュータ(PC)でできるようになって、それが主流になりました。
特別な技術者でなくても扱える編集ソフトができ(しかも無料!)、と思ったら気軽に持ち運びができるスマートフォンでも可能に。
わたしは物心がついた頃からPCに触れてきたので(今じゃネタになるほど厚みのあるモニター時代から 笑 )、技術革新を目にすると「こんなことができるの!? スゴーイ! 次は何ができるようになるんだろう!」とテンションが上がります。
かといって機械オタクではないのですが。。
動画編集はますます身近になり、副業として稼ぐ人もたくさんいらっしゃいます。
また、AIが発達すれば仕事はなくなるのでは? という意見もありますね。
普及するかはともかく、絵師の個性を反映したイラストが描けるAIも登場しましたし。
個人的には映像編集の仕事は完全にはなくならないと思いますが、今回の主旨とは外れてしまうのでこれ以上は書きません。
というところで、一度編集のキホンに立ち返ってみました。
『映像はなぜ編集するのか?』
*好きな番組の生放送回、面白くない
編集の大切さに気付いたのは小学校の中学年。
ご飯を食べながらテレビを観るのが定番だったので、何曜日はこの番組を観るというのが決まっていました。これは現在も同じです。
そして好きな番組のひとつが、クイズ番組『脳内エステ IQサプリ』でした。学力ではなくIQを測るクイズ番組で、5年にわたって放送されていたようです。
答えが予想のナナメ上というか意地悪な問題が多く、解答席のタレントが「いやいやソレはないでしょう!?」と思ったら『モヤっとボール』を投げます。
MCの伊東四朗さんの頭上にあるカプセルにどんどん溜まっていき、番組のラストに「美しさは脳から。美脳~」というセリフで開放。四朗さんがその日のモヤモヤを一身に受ける、という流れでした。
わたしは低学年からミステリー小説にハマったのをきっかけに、毎週欠かさず観て、真剣に問題を解いていました。
そんな番組が放送100回を迎える記念で、2時間半の生放送をやるというのです。放送時間はいつもの倍以上だし(普段は1時間)、ってことは問題もたくさんあるし、何より出演者とリアルタイムで回答スピードを競えるんだ! と大興奮でした。真面目。
しかしその期待は外れました。
出演者も番組初の生放送に浮かれていたのかもしれません。
とにかくトークが…長かったのです。
問題VTRの中でツッコミポイントがあれば、解答時間いっぱいその話。
ひっかけ問題の回答が出ると、いつもの倍以上クレームで騒ぐ。
席を立って解答する問題(たとえばマッチ棒パズルのように、実際にモノを動かして答えるものなど)では、おもしろトークで盛り上がりすぎて、なかなか問題出題に至らず。
今のわたしがもう一度見れば、記憶ほど長いトークではないかもしれません。生放送ってこんなもんだよねと思うでしょうが、当時はまだ小学生。
純粋に「クイズを解きたい」気持ちだけで見ていたのですから、ダラダラ続くつまらない話(言い方が悪くてすみません)にうんざりしてしまいました。
ここで初めて気付いたのです。
そうか。
普段のこの番組って、編集されてるから面白いんだ。長い話があってもカットされて、問題を解くことに重きを置いた構成だから楽しいんだ。
…編集ってすごいな。
*まとめに
もちろん、生放送には生放送でしか得られない楽しさもあります。生放送中にTwitterで呟いた感想を紹介したり、dボタンで投票に参加できたり。
しかしここ数年はショート動画が流行しています。
1本の映画をたった10分にまとめる動画があったり、配信サイトでは2倍速で見るどころか、飛ばし飛ばし見る人も多いそう。
そういう人にとっては、編集されているのが当たり前ですよね。
テレビやアニメを作る一端を担ったわたしとしては、たった数秒のカットでも何時間も(もしくは何日も)かかることを知っているし経験もしているので、やはり等倍でじっくり見て欲しいところではありますが。
今のニーズがそうなのですから、致し方ありません。
というところでまとめると
編集は限られた時間内で必要な情報を得るために必要、ということが言えそうです。
余計なところがカットされていて見やすい、音が整理されていて聞きやすい、テロップがあって分かりやすい。
すべったネタが途中で切られていて大爆笑、なんて編集もありますね。
さて、ここで少し話を進めます。
編集作業の当たり前の作業である『テロップ入れ』は、なぜ必要なのでしょうか?
考えてみたことはあるでしょうか。
これについては次回に投稿する後編に書きたいと思います。
つづく
ここまで読んでくださり、ありがとうございます。
編集についての質問、記事へのご意見・ご感想をコメントしてくださると大変嬉しく思います😊💕 ぜひお気軽にお寄せくださいませ!
わたしが普段書いている、テレビ編集・アニメ撮影で8年間いたテレビ業界のはなしはコチラから。
興味のある方はお読みください。
あかさん🍎
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