TV業界で生き残れない理由
こんにちは!
フリーランスの映像クリエイター、あかさんと申します🍎
普段はTVの映像編集をしていた頃のおはなしを綴っています。
今回は番外編として『TVの映像編集者がどんどん辞めていくのはなぜ?』というところを書いていきます。
わたしが働いていた数年前のおはなしです。現在はもう少し改善されていることでしょう。
*今じゃ考えられない!当時は○○が当たり前だった
以前の記事で書いたとおり、わたしの同期は30名ほどいます。会社全体の社員数は300人ちょっと。10人に1人が新人です。
もう入社してから10年ほど経ちますが、正式に会社に残っているのは1人か2人ですかね...(遠い目)。
そんな同期たちが辞めた理由をまとめました。
余談ですが、わたしはあまりランキング形式が好きではありません。
「50代に聞いた!青春といえばこの曲ランキング!!1位はなんでしょう??!」だとか、何というかどうでもいいクイズが苦手だからです(急に辛辣ですみません 笑)。
従って、理由は箇条書きにしますね。
不規則、長時間労働
体調を崩したから
先輩からの𠮟責に耐えかねて
タバコ
言わずもがな、不規則なシフトと長時間労働はこの業界の最も悪いポイントです。わたしがいた会社では一応、残業代もキチンと出ていたしそれなりのお給料をもらっていました。
労働負担と見合っているかについては否定しますが、一般企業に勤める同年代よりも稼いでいたことは事実です。
しかし、いくらお金がもらえるからとはいえ、毎度の徹夜は相当な負担になります。わたしみたいに「ワ~TVの仕事楽しいナァ~~🤪」なんて人でもしんどいのですから、仕事に楽しみを見出せない人にとってはどれだけ苦行だったことでしょう。
そして無理を続けて数年経つと、体調を崩し始めます。
わたしが初めて退職相談をした部長に関しても、元々は現場にいたものの、体を壊して管理に移ったそうです。この流れは割と多いです。
そんな環境で長く働いている先輩たちは、日頃のストレス・疲労が溜まりまくっています。
その日のご機嫌を伺う必要があるようなエディター様がいたり、何かミスをすると怒鳴る方もいました。
そりゃロクに寝てなくて早く帰りたいところで、他人が失敗をしたらまぁ怒りたくなることもあるでしょう。限度ってものはありますが。
でもね、怒鳴られた人と24時間一緒に仕事し続けるなんてね、想像しただけで胃がねじれますよね。
次は失敗しちゃいけないプレッシャーがかかり、緊張からミスをしてしまう。また怒鳴られる。
…なーんてのに耐えられず辞めていく人も割と多かったですね。
それに加え、当時は編集室での喫煙が当たり前でした。
喫煙者のエディター・クライアントに灰皿を用意するのも、それを捨てに行ってキレイに洗うのも、全部アシスタントの仕事の1つ。
人によってはタバコを買いに行かせる――おっと口が悪くなりました――エディターも。わたしも何度か "お使い" に行きました。
20歳を越えているけれど年相応に見られない顔をしているので、年齢確認されて買えなかったらどうしよう、と始めはビクビク(自分のお財布は持たずに出てしまったので。お金は頼んだ人から事前にもらいます!)。
幸い社用パーカーを着ていることもあってか、都心だからなのか、1度も年齢確認されませんでした。
窓のない部屋で喫煙者と24時間いるわけですから、副流煙が~なんて話じゃありません。自分でも吸ってるのと同じです。
運よく吸わないハコについたとしても、部屋がもうヤニ臭いのです。帰宅時に「ウッ!! アンタ臭ッッ!!!」と何度母に言われたことでしょう。
徹夜(お風呂入ってない)+タバコ臭(服に染み付いている)=クソ臭い
電車で隣の席に座った人には、臭くてごめんなさいと心の中で謝罪しつつなるべく縮こまるのですが、どうせ臭さは変わらないでしょう。
臭い体が接触しないようにと気を使っても、電車の心地よい揺れと共に夢の世界へ。いつの間にか隣の人に寄りかかって爆睡、一瞬で最寄り駅へ到着です。
この経験を通じ、電車で寄りかかってくる人に寛大になれました。
*喫煙については
タバコが原因の退職理由があまりにも多かったため、わたしが2年目になる前(定かではないですが)に編集室が禁煙になりました。
考えてみれば編集機器なんて、1台ウン千万円とかするんですよ。
そんな精密機器にヤニや灰がかかるのは本当によくなかった。
3~40代以降の業界人は『タバコミュニケーション』が染み付いているため、喫煙所は残されました。
世の中が分煙に向けて動き始めたからこそ、会社側も決定できたと思うのです。いやー本当に良かったです。
正直、タバコを吸いながら編集機器をガチャガチャいじるのって、ちょっとカッコイイと思ったこともありましたが(笑)。
でも健康にもお財布にも良くないですからね。
*入社年数別、辞める理由まとめ
1年目で退職する人は、この業界に見切りをつけてサッサと辞める、賢い人。
2年目で退職する人は、この働き方を続けていくのは無理だと気付いた、頭のいい人。
3年目で退職する人は、そろそろ他の仕事しようかなぁと思い始めた、ちょっと変な人。
それ以降で退職する人は、万年「もう辞めるわ~」と言い続けてきて、やっと重い腰を上げた人。
当時の労働環境で辞めていく人はこんな感じでした。
......すみませんちょっと盛りました。
ちなみにわたしは「3年目で退職する人」にあたります。
そして実写からアニメに移った、稀なタイプです。
*あとがき
ということで、これがTV編集者が辞めていく理由(数年前Ver)でございました。
ちょっと攻めた内容になりましたが、いかがでしたでしょうか?
たまには業界のピリっとした話題もいいかなと思って書いてみました。
次回の投稿からは、ドラマの編集のおはなしになります。
11月1日(火)更新予定です。……もう11月!?!?!?
あかさん🍎
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