今更ながら人類滅亡後の小世界をPinocchiaたちと歩いた話・4機目
第四階層:居住区
「鬼が出るか固定砲台が出るか」
第四階層に到達した主人公サンとお供たち。第二や第三到達時と違い戦力的な余裕はあるが、荷物がパッツンパッツンである。
また冒頭で回想シーンが発生する。父親と娘のようだ、すなわち主人公と娘。察するに二人で地上が平和だった頃の映像を見ているものと思われる。雪を埃と勘違いする娘。どうやら核狂乱からシェルターに逃げ込んだ後の生まれのようだ。娘もやはり、もうこの世にはいないのだろう。
ここの拠点にも転換炉の強化装置があった。その横には新たな設備が。
その施設――修復カプセルでは、アンドロイドのHPを最大HP依存の量だけ回復できるらしい。回復量が現在HP依存だった応急修理キットと違い、こっちは例えHPが1しかなかろうが無条件で最大値の20%分回復できるのだ。従来は壊れ過ぎたら廃棄するしかなかったアンドロに、新たな復活手段がもたらされた訳である。
ただし修復カプセルを利用する際は、一旦パーティーから外れてもらわなければならない。でパーティーが探索に行ったり主人公が寝ている間に回復が行われ、後で引き取る形になる。欠員が出ている間をどうするかが課題という訳だ。うーむ。一筋縄ではいかない模様。
なおこのカプセル、絶賛故障中である。まず復旧させなければならない。素材を投じればいいのだが、誰がどうやって直してるんだろうこれ。精密機器の修理スキルを持ってる面子なんているか? 主人公? 主人公か?
また新アイテム・栄養剤を拠点で拾う。飲めば一日に2回探索に行けるようになるそうだ。修復カプセルでの回復を促進するのにも使えそうだが、ご禁制の品ゆえ自動工場では作れないとか。そりゃそうだろう。分解すると鉄2とカーボン2とリチウム1になるみたいだし。無理やり解釈するなら鉄は鉄分、カーボンは……炭酸か? リチウムは……Wikipediaによると、炭酸リチウムまたはリチウム塩というのが医療用に処方されることがあるらしい。過剰摂取のリスクが高い劇薬とも。……これ絶対、気軽に栄養剤呼ばわりできるような代物じゃないな。別の何かだ。何とは言わないことにする。
ジャンクはあちこちにたくさんあったが、新しいアンドロイドの設計図はここにはなかった。つまり運搬型を造る時だ。これで持ちきれない素材を捨てることも無くなるはず。シルエットを見ても明らかにデカいので、名前はサターンで確定。造ってみたら色も何となくそれっぽかった。
残るは情報。かつていたシェルター内の住民が色々文句を言っている。軍による圧政への不満。昼夜照明が逆になってるとかどーでもいいだろみたいな不満。第三階層の回想と合わせて考えると、軍と住民との関係は泥沼というか悪循環のようだ。日々の不満から凶行に走る者が現れ、それを抑えるための無茶な政策と武力統制でまた不満が募る。軍士官を施策の例外にするような、明確な不平等感を生む処遇など落ち度も見られる。
あと凶悪事件の犯人の血中から見つかったという、由来不明の物質に関する記述もあった。生物を知能と身体能力の両面からブーストし、かつ思考を特定の行動に「なんとなく」誘導する作用があるんだとか。軍に教団に寄生体に、このシェルターの背景が今一つ捉えがたい。今は風呂敷が広がるターンのようだ。
まぁこんなところだろう。後はアイテムを調達、余った素材をほどほどに転換炉の強化に注ぎ込む。あとムーンがレベル10に達していたので即時育成キットの確保のため解体、再製造する。育成キットはこれで充分か? どうだろうか。
残り18日。
居住区の探索に乗り出す。狭い廊下の右は立ち並ぶ部屋の入口、左は割れたガラス窓。まさに廃墟だ。BGMもホラーを煽る。
少し進むと情報を入手。レーザー砲を撃つ固定砲台が扉の向こうに隠れているらしい。他にも新しい敵が出現。丸っこい敵性機械だ。ビームとも何ともつかないやけに派手なエフェクトの攻撃をするが、威力は死にかけたニワトリの自爆程度。HPも手榴弾にギリギリ耐えるくらいで、弱くはないが強くもない微妙な敵である。ああでも防御力はあるか。ムーンやマーキュリーの攻撃は後衛ということもあってか全然通らない。ジュピターの曲射砲撃+がありがたく感じる。
さらに歩くと部屋が出てきた。入るかどうかの選択肢が出たので入ると、噂の固定砲台が出没。もちろんレーザーをチャージ、こっちは閃光手榴弾で対処。高いHPも赤熱刃+が一気に削り落としてくれる。単体なら別に強くはないが、出るたびに閃光手榴弾を使わされるのは面倒だな。
とここで、今度はヴィーナスがレベル10を達成する。会得した守護+は守護発動中に自身の防御力が1.5倍になるというもの。これはうれしい。アンドロイドたちの成長を感じる……!
固定砲台の後ろには情報があった。何者かへのインタビューの内容だ。どうも相手は寄生体を、宇宙の数学的奇跡やら神の手やらと崇める人物のようである。言動が明らかに常軌を逸している。狂信者だ。寄生体は異常な数列の中に存在する……って前にもどこかで見たな。実は今はもういないらしいが、軍は寄生体を口実に圧政を続けていると憤慨もしている。狂信者の言うことだしどこまで事実か怪しいものだが。
ん? てことは、この先も部屋の中で情報とか出てくるのか? いくつ? ……8/20とか出たぞ。これは入手済みの数だから残り12個も情報が残ってるらしい。取りこぼしが出ないか心配だ。まめに数をチェックしなければ。
と言ってるそばからまた部屋。今度は固定砲台は無く、情報があるだけだった。んー……この量だといちいち拾った情報の中身書いてたら切りがなさそうだ。どこかのタイミングでまとめて触れることにしよう。
拠点から45歩。またも敵の予告情報、今度は多脚戦車らしい。かなりの強敵だが途中で逃げても与えたダメージは残り続けるとのこと。つまりよっぽど硬いのだろう。
さらに5歩進むとその多脚戦車が現れた。何だこのHPバー、自陣の方まで突き抜けてるぞ。こいつも初手レーザー、その次は2連射を2ターン行ったのちレーザーに戻る。やってることは大型機と一緒だ、攻撃力も多分大差ない。しかし硬い。マーズとヴィーナスが同時に小破した、マーズは赤熱刃+の使い過ぎで。煙幕手榴弾を焚いて一旦戦略的撤退し、安全な所でしっかり回復させてから再突撃。完全に叩き潰した。
……ドロップしょっぱいなおい。中型機や丸形機の残骸と一緒じゃないか。ジャンクコアは無いのかジャンクコアは。まぁ経験値が500ももらえたので、これがメイン報酬なんだろう。
余力もアイテムもまだあるので先へと進む。新たに見つけた部屋の中で情報ではなく、「速攻型」アンドロイドの設計図を手に入れた! ……だからコア無いんだって。再びのお預け展開である。今度は一体どこで手に入るのやら……また終盤に大型機でも出てくるのか?
問題はまだある。あと最低、もう1種類アンドロイドがいるでしょ? 何故分かるかって? 拍手のお礼画像でそれっぽいアンドロの絵が出てくるから。でそのアンドロを含めると少なくとも8種類。パーティーから1機はあぶれることになる。全員で仲良くゴーール! はさせてくれないらしい。とことん味方を切り捨てさせるゲームやでぇこれは……
さらにさらに進むと、今度は部屋の中ではなく外で情報発見。色んな技術資産を盗み出した不届き者がいるそうで、部屋を探ると見つかるかも知れないとのこと。さっき拾った速攻型の設計図もその一部らしい。他にはシールド装置と即時育成キット……汎用型以外からも即時育成キットって作れるのか。即時育成キットと言えばこれ、分解するとコアが手に入るんだな。つまり設計図があっても製造にはコアが要る。いやそうじゃなく……今、手元に1個あるのよ即時育成キット。どうする? これバラして速攻型造るか……?
などと悩みつつ進んでいたら、応急修理キットの在庫が尽きた。撤退。
熟考の結果、即時育成キットはもう少し温存することにする。とりあえずもう1日探索し、それでもコアが出てこなかったら分解して速攻型製造に宛てることにしよう。今日は寝る。
残り17日。
今日は情報のコンプを目指す。あわよくばコアも手に入れたい。
部屋を漁る! 漁る! どうにか全部の情報を無事確保できた。シールド装置と即時育成キットの設計図も込みだ。部屋では情報ではなく、まとまった残骸や救急箱、手榴弾の入った武器箱と出くわすこともあった。救急箱からは噂の栄養剤も手に入った。
またサターンがレベル10に到達。積載量増加に+が付き、重量上限がさらに25.0kg増えた。うん知ってた。予想してた。だからサターンには即時育成キットは使わなかったのだ。ありがたいはありがたいが今すぐ欲しいという効果でもないし。総積載量100kgもあればそうそう荷物はパンクしないし。
さらに道中で大型機と遭遇。例のシールド発生装置(アイテムの方と紛らわしいので、敵の方は今度は斥力装置と呼ぶことにする。情報によるとそういう原理らしい)も連れている。まぁ2ターンあればシールド有りでも充分倒し切れる。
最近やっと気付いたのだが……主人公のターンで攻撃する相手を選ぶのって、あれ主人公だけじゃなくメンバー全員の標的を指定してるんだな。で、選んだ敵を全員で集中攻撃してると。もっと早く気付いてればもう少し効率よく戦えたのか……
さて、大型機はジャンクコアを落としてくれた。野良の大型機も落とすようだ。うーんこれだったら、第二階層の終盤で遭った大型機も無理してでも倒すべきだったのか。そうすれば運搬型も速攻型もスムーズに製造できたはずなのだ。
その後さらにもう1体大型機が出現、こいつからも危なげなくジャンクコアをふんだくる。うれしい。これでもうコアに困ることはあるまい。これでもう後顧の憂いは断たれたので、そのまま第五階層へと進む。
第六階層まであと一歩。そこまで着けばシェルター内の配偶子バンクと遺伝子データベースにアクセスし、人間を再び増やしていくことができるらしい。明確な目標物が見えてきたぞ。
最後に公約通り、道中で得た情報のうち大ネタっぽいものに触れてみる。
まずはすでに先述した、寄生体を奉ずる人物の話。この教主――おそらく「教団」のトップ――は元は寄生体の研究者だったらしい。研究に没頭し過ぎた果てに妄想に憑かれた……というのが精神科医(?)の見解だそうで。私も同意見である。
大体だ、数式を数千回いじると寄生体が出現すると主張して、で第三者の前で実演したら急に現れなくなった? 何故かと聞いたら「寄生体はちょうどその日に宇宙から消滅した」と「確信した」? それ妄想が妄想に過ぎない現実と向き合わされて、慌てて現実逃避のために自分好みの辻褄合わせをしただけじゃないのか? 「ある日を境に宇宙の数学法則が変化した」なんてのも嘘だ。そんなものが本当に起きていたらそれだけで人間社会は破滅だろう。無論そんな話はどこにも見られないし、にもかかわらず「あなたも同じように思ったはずです」とくる。うん、話にならん。
非常に厄介な患者だが、ともかくこの教主率いる教団が軍を「すでに消えたはずの寄生体を口実に悪政を行っている」と喧伝したことで民衆の支持が集まったのだろう。かくして教団は事実上の反政府組織と化し、軍から危険視され始めた。
ただ寄生体が現存しているのかどうかは置いておいて、軍の方も寄生体を口実に手荒な真似をしていたのもまた事実。のように思える。
セ・キ・ローダーは相当前から治安が地に落ちたディストピアと化していたそうで、政府である委員会(議会)もろくな統治を行えていなかった。汚職の疑いが持たれていた委員も複数いた。で、軍がクーデターを画策、委員をほぼ皆殺しにし武力と強権による秩序の回復に乗り出したのだが、この委員殺害の名目が「寄生体に侵されていたから」という。文中でも疑問視されていたが、実際さすがに苦しいだろう。唯一殺されなかった委員が軍司令となれば。
でその後、主に教主のパラノイアで軍を非難する教団とそれに扇動される住民との対立が悪化。教団関係者に主人公夫人が殺され……って、つまり主人公は軍関係者ということになるのか。それもえらい人。まぁそれも今は置いておく。
軍内部で書かれたと思しき、教団の悪事の数々をまとめた文献もあった。昼夜照明への細工による障害、違法アンドロイドを従えた無軌道青年による大量殺人、畜産区画でのテロ、「栄養剤」と称した違法薬物の売買……やっぱり違法じゃねぇかオイ。いやそれも今はいい。というかなんで次々話を脱線させるネタが出てくるの?
これらの全ての裏で教団が糸を引いているという報告だが、少なくとも大量殺人については教団はシロに思える。というのもこの犯人自身が書いたらしい日記も見つかっているのだが、教団が軍がというよりはシェルター全体の無法地帯ぶりに毒されたような印象を受けるのだ。というかそもそもセ・キ・ローダーそのものがヒャッハーな事態になっている以上、乱暴狼藉を働く輩は教団の中にも外にも、それこそ軍の中にもいるんじゃなかろうか。どこからどこまでが本当に教団の仕業なのか?
軍と教団が互いに憎しみ合い疑い合う。そんな修復不能な関係の末、軍は教団本部を制圧、教主らを逮捕。するや住民が全力で暴動を起こし始めたため一旦釈放するも、「ごめーん部下が勝手に教主殺しちゃったー☆」となおも教団を攻撃する軍。結局住民との確執は決定的なものとなり、治安の維持という目的は全くもって果たせていない。前委員会と大差ない立場になっているのが実情であった。
――というのが第四階層で分かった過去の出来事である。途中から寄生体そっちのけになっている感があるのは気のせいなのか。一連の騒動に寄生体は関係しているのか、それとも全てが人々の疑心暗鬼の産物なのか?