「Conduct DELUXE!」を350時間やり込んだ話
「Conduct DELUXE!」は2017年にSteamでリリースされた、「あなたの中の車掌を刺激する(原文ママ)」リアルタイム列車運行アクションパズルゲーム。先に「Conduct THIS!」の名で公開されていたブラウザゲームの製品版である。
操作はクリックで列車を停止および走行再開と、線路のポイントを切り替えるのみと至ってシンプル。駅でお客を乗せては目的の駅で降ろすことを繰り返し、制限時間以内に衝突事故を起こすことなく既定の人数を送り届けられればステージクリアというルールになっている。
1010円という値段の割にステージ数は全81面と豊富。舞台はのどかな平野から雪国、南国、山林に大都会、果ては中世ヨーロッパや西部開拓時代のアメリカ……と多岐に渡る。ワンプレイも平均2分程度と短く、繰り返しプレイするのも苦にならない(このたった2分がプレイ中はやたら長く険しく感じるのだが)。
なおストアページでは日本語も実装とあるが、翻訳の質が低い上にステージ名は三日坊主レベルで投げ出されている。もっともゲーム自体は文字が読めなくても問題なくプレイできるので、設定(SETTINGS)をいじるのに困った時だけ日本語に変えるくらいでよい。
客にはそれぞれ色が付いていて、同じ色の駅へ届ける必要がある。各駅に毎秒一人ずつ自動的に客が集まってくる……のだが、いつ何色の客が来るかは完全ランダム。そして何色の客を列車に乗せるかはこちらでは選べず、その時点で駅に一番多くいる色の客だけが自動的に乗り込んでくる。
これらにより同じステージでもプレイするごとに展開が変わるため、その都度違った対応が求められるのが本作の醍醐味。解法が一定でないため毎回新鮮かつ真剣なプレイを楽しむことができるのだ(駅と客の色が制限されているため、ランダム性のないステージも序盤などに一部ある)。
もっともこの仕様はクリアまでの所要時間や難易度も不特定にしてしまい、運次第で必要以上に苦戦させられたりする短所もあるのは否定できない。中にはノルマの設定がやけに厳しく、プレイヤーの腕と客の引き運もよくないと最高評価が出ないステージも少数ある。
また列車を止めようとしたはずがすぐそばのポイントを触ってしまったなど、誤操作が生じやすいのも難点。リアルタイムで駆け回る列車や、判定が見た目より大きかったり小さかったりするポイントを正確に捉えるマウスさばきも要求される。
(アプリ版のConduct THIS!(有料)はこれよりも後発の作で、ノルマ設定が甘めに見直されているとのこと。またさらに後発のNintendo Switch版「Conduct TOGETHER!」は操作性も再考されているらしい。「DELUXE!」もブラウザ版「THIS!」よりは改善されてはいるのだが……)
要約すると複数の列車の状況に常に目を配る動体視力と集中力、それらの最適な行き先と経路を瞬時に見極めると共に臨機応変に修正する状況判断力、そのための列車運行をミスなく実現させる精密操作がプレイヤーには求められる。ローポリゴンでカジュアル(または子供向け)な見た目とは裏腹の、かなりガチめの高難易度アクションゲームと言ってよい一作である。
気軽に万人に薦められる代物ではないが、やり込み派のゲーマーには何度も噛んで味わえる良作と私Akasataは確信している。
……と、ここまでが前振りに当たる。本題はここから。
「Conduct DELUXE!」のレベルエディタで35ステージ作った話
Conduct DELUXE!の何が「THIS!」よりデラックスなのか? それはレベルエディタ、すなわちプレイヤーが自分でステージを作成できる点にある。
作ったステージは自分で遊ぶだけでなく、アップロードして他のプレイヤーにもプレイさせることができる。もちろん我々も他のプレイヤーの作品を遊べる(正直な意見として、プレイヤーの年齢層の低さゆえ良作の数というか割合はお察しと言わざるを得ない。自分で検索して探す努力は必要(作者名で検索できないのがもどかしい))。
で、私もステージを作ってみた。大量に。
1作目を作ったのが22年5月で、同年6月に一旦やめるまでの間に18作。同年8月に制作を再開、9月までに17作品と作りに作りまくった。以下はその自作ステージを羅列しドヤるだけの文章である。
ステージ名の後ろの☆は作者としての自己評価。★が2個以上なら合格点、★1つも不足はあるがまあお出しできるかといったところ。
文中におけるステージの好評や不評はゲーム中でのダウンロード回数が基準。8か7いけば及第点ということにしている。2022年ではプレイ人口もこんなものなのだ。
(以下の大半のサムネは手元のエディットデータのテストプレイ画面を撮ったもので、実際にアップロードしたものとは若干の差異がある場合がある)
No.1「Living with Forest」★☆☆
No.14「Redwood Territory」★☆☆
「森と生きる」「アカシアの領域」。
記念すべき1作目。緑のある風景が好きなので、まずは山林エリアの素材を使ったステージを作ろうと思い立った。
2本の貨車(制御不能な障害物キャラ)がぐるぐる周回する路線の中に割り込んでいくという、処女作にしては攻めた……いや攻め過ぎたステージ構成。貨物線から離脱する際にポイントを元に戻し忘れると実質アウト確定というシビアさからか受けは微妙だった。
アイデア自体は悪くないはずと思ったので何とか高評価に持っていきたかったが、レイアウトの改善点は思いつかず(十字路から黄駅に直接行けるようにしたくらい)、貨車を1本に減らしたり、ガワを飾り立ててみたりしたが悪あがきの域を出ず。匙を投げた。面白くなりそうなのだが……
No.2「The Return of the Dragon」★★☆
「竜の帰還」。
お次は迷路っぽい複雑なレイアウトに挑戦。迷路といえば上にもサムネを載せた、路線がスパゲッティめいた中世エリアの大トリ・Dragon Den。これをそのまま題材として拝借した。
「あのドラゴンが雪辱戦を挑んできた! よくぞ戻った勇者たちよ、再びドラゴンを倒すのだ!」というノリで、プレイヤーの激励に来たがごとく王様を廃城の入口に配置してみたりしている。
元ネタ同様に難易度は高くするつもりだったが、いざ作ってみるとそこら中で事故が多発。難しい以上に面白くないステージになってしまう。といって交差点を減らしたら画面の右半分でしか事故が起きないというこれまた残念なことに。
もう仕方ないので、雰囲気だけ味わってくださいということでそのまま公開したら前回よりもDL数は微増。ちょっとだけ手応えを感じられた。
その後一番奥の赤駅から他の駅へ振り分ける分岐を思いつき、ようやくまともな形になる。再アップしたところ評価も上々で一件落着となった。
No.3「Central Park」★★☆
「セントラルパーク」。ニューヨークは関係ない。
高難易度ステージが続いたので、少しライトなものも作ろうかと思い製作した(実際にライトかどうかはまた別)。レイアウトはシンプルだがポイントが多く、上手にやらないとすぐ想定外の方向へ連れていかれる。回る回る~とパニックになるのも楽しかろうというお遊び感覚のステージに仕上がった。
ただこれだけでは芸がないということで、外周を時計回りに巡った場合「ある駅ではその次の駅で降りる客が現れない(例えば赤駅では青客は出ない)」という仕込みをしている。このギミックは本編のステージ「Rotunda Ranch」がそうなっているのに気付いて自分でも使ってみた。パクリと笑いたくば笑え。
No.4「Join the Gold Rush!」★★★
「ゴールドラッシュに参加せよ!」。
ロズウェル風味の高難易度ステージ「Harvest Haul」のような、あみだくじ状のレイアウトで何か作ってみたくて挑戦した。
一攫千金を求めて次々鉱山に吸い込まれていく、鉱夫で満員の列車たち。代わりにトンネルから吐き出されるのは金塊を満載した貨物車。そんな設定が思いついたのでテーマ(舞台設定。地面の色とBGMが変わったり、一部のテーマでは雨や雪が降る)を西部開拓エリアにした。
制限時間150秒はこのゲームでは(私の自作の中でも)長い方だが、一度に画面上に出てくる列車は1~2本(+貨車)止まりなのでそこまで肩肘張らずにプレイできる。あまりまごまごしていると後続に追突されるが、猶予時間自体はそこそこ長く余裕はある。ほどよい気楽さと緊張感を両立したお気に入りのステージ。
紫駅から赤駅ルートに入る時に貨車との出会い頭事故が理不尽と思う人はいるかも知れないが、SE消してなければ走行音が近付いてくるのが聴こえるので察知は可能。使える情報は何でも使うのだ。
No.5「Invaded Lunar Base」★★☆
「侵略された月面基地」。
本来はクリスマスエリアで登場する、止まった駅の客を根こそぎ奪い去る邪魔キャラ「Grinch Train」をエイリアンに見立てて起用したステージ。プレイヤーは月面基地の内外をうろつき回るこいつを駅から遠ざけつつ平常運行も実施しなければならない。
いやこのGrinch Trainの、光を全て吸収するかのような黒一色は生理的に気持ち悪い。印象がまんまゴキ〇リである。
キャッチ―な題材とタイトルが受けてか、DL数が初めて10を超えたメモリアルなステージなのだが、作者としては何かもう一つ物足りなさがあったりする。何が足りないのか?
列車を3台に増やすべきかは結構悩んだが、それだろうか。景観をもう少し頑張るべきだったのだろうか。よく分からない。ちょっと小骨が刺さった感が抜けない一作。
No.6「Delivery to Remote Villages」☆☆☆
「僻村への配達」。
都会から遠く離れ、買い物にも不自由する集落群に荷物(に見立てた乗客)を届けるというシチュエーションのステージ。街の赤駅3つで荷物を受け取り、3色の駅で降ろすという工程をひたすら繰り返す。
赤駅を出てすぐトンネルに入り、出ると同時に分岐路に出くわす構造になっている。このため列車の色を視認できる時間が短く、急いでポイントを切り替え通過に備えなければならないのがミソ。また青駅に停まると列車が分岐路にはみ出して後続の邪魔になるので、行くタイミングも考えなければならない。
……いや、充分時間あるでしょって? うんそうなんだ。駅とトンネルの間の距離を縮められなかった。というか利用する駅の順番を固定させてしまえば後は作業になるだけだった。
特定の色の順番で駅に入れないと時間不足で最高評価にならないという仕掛けもしてみたが、それも少し試行錯誤すれば後は脳死で同じ工程を繰り返すだけである。難易度が上がり過ぎるかと思い、客の色を駅ごとに一定にしたのがまずかったんだろうなぁ……
いやDL数は10いったのだが。自分としては納得いっていない作品。
No.7「Golden Labyrinth」★★☆
「黄金色の迷宮」。
金は実った麦の金。農場エリアは広々とした解放感とシンプルなレイアウトのイメージがあるので、単純な四角を並べてポイントで迷路を作ってみた。その真ん中をゴトゴトと突っ切っていく貨物列車。のどか。間違いなくのどか。
ただこれだけだと少し単調そうなので(そうでもない?)、追加の列車の出し方に軽いネタというか初見殺しを仕込んでみた。上の画像でもちょっと顔を出している。
No.8「Rail Connection Restrictions」★☆☆
「路線接続制限」。
テレビでかネット上でか忘れたが、未開の部族集落のそばに鉄道を敷設したところそこを起点に集落の外との文化交流が期せずして始まり、その結果部族固有の文化が消滅の危機に瀕しているという話を聞いた。そこから着想を得て作ったのがこれ。
島内で開発が進んでいる東西南部に対し、少数部族の村がある北部は保護区に指定されている。そのため列車の乗り入れは最小限に制限されている……という設定。紫駅へは青駅からしか行けませんよ、という訳である(そもそも駅を作るなって? いやそういうゲームだし……)。
そんなコンセプトのもと作ったのがこのステージだが、当然というかこの構成だと頻繁に列車が青駅へ集中し詰まりがちになってしまう。あまり愉快なステージではなかったかも知れない。せめて青駅は紫客を無しにすべきだっただろうか?
No.9「Overcrowding Valley」☆☆☆
No.10「Polar Star on the Rail」★★☆
「ギチギチ山峡」「レールの上の北極星」。
Delivery to Remote Villagesの失敗(Akasata視点)は私を焦らせた。ここまでまずまず評価を得ることに成功していた私は、全11エリアのそれぞれの素材で最低1作は良作を作るという目標を立てていたからだ。雪国エリア代表となるべきだったDelivery to Remote Villagesがしくじった今、これに代わる雪国ステージを作らねばならない。
……という経緯でまず作ったのがOvercrowding Valley。山の内部で90度カーブする変則十字路を真ん中に据えたステージ……まんま本編の「Lost at Sea」である。真似たつもりはなかったのだが。
で、こんな分かりづらい物をお出しすれば低評価が下る。Lost at Seaは一本道だから許されていたようなものなのだ。焦りで目が曇っていたか私。
ということで慌ててリメイク。まず覆いの山を取っ払い路線の構造を明らかにすると、交差点に星っぽい形があるのに気付く。ここから『Polar Star on the Rail』という宣伝効果の強そうな名前を付けた。再アップすると一転して高評価が得られめでたしめでたし。
No.11「Production and Distribution」★★☆
「生産と流通」。
この辺であんまり難易度の高くない、かつ分かりやすい楽しさのあるステージを作りたいと思い立つ。お客をジャンジャンバリバリ景気よく稼げるみたいな。
で出来たのがこれ。構造は左右対称の単純なもので、しかし駅の色は左右で逆というところでゲーム性を確保。またGolden Labyrinthと同じ小ネタを使い回しっているが、今回はより分かりづらい形になっている。一応ポイントは画面内に映ってますよ。一応。
工場で作った製品を黄駅&紫駅から赤駅&青駅へと運び、そこから貨車とトラックで外部へ搬送……という舞台設定なのだが、あんまり工場っぽく見えないのはレーダーやら通信アレイ(というものらしい)やら、衛星通信用と思しき施設が林立しているせいだろう。
このエリアはIndustrial Complex=工業団地を名乗っていながら、本編のステージでは舞台が何もない砂漠であるせいかそういうものがいっぱいある。普通の屋根がギザギザした伝統的な工場もあるのだが(「Clover Works」のサムネを見直してみてほしい……というか、地面の色も違うのは何故だ)、エディット用の素材には何故か含まれていない。
まあそういう事情があって、仕方なく有り物で場を埋めることにした……いやこれは、半分は嘘だ。単に大きな建造物の素材を使ってみたかったのだ。Living with Forestの巨大アカシアとか、Central Parkの大きな公園もそういう動機が最初にあったりする。おかげでレールが見づらくなってしまったが、このくらいは難易度ということで勘弁してほしい(言い訳)。
No.13「Xmas Dream Party」★★☆
「クリスマス・ドリームパーティー」。都合上先にNo.13を紹介。
クリスマスエリアは素材が元々少ないのだが、これが結構由々しき問題だったりする。イメージが湧かず全体の画作りがしづらいのだ。そこはちょっと苦戦しつつ、やや殺風景かも知れないながら形にした。
路線自体もやや複雑で迷子になりやすいが、慣れれば充分手に負えるレベル……で終わらせる気がないのが私の悪い癖。後半戦に大きなドッキリを仕込んである。サムネにもチラ見えしてる、このエリア定番のアレですアレ。初見殺しで撃沈したプレイヤーに必死で対策を考えさせ、「ここの無意味そうな路線ってここで使うんだ!」という気付きと驚きを与えられたらしてやったりである。
分かった後で実際に事態に対処しつつ列車3本を扱い切れるかがまた難題だが、そこは腕次第ということで。
No.12「Xmas Holiday Parade」★★☆
「クリスマス・ホリデーパレード」。
広さにしてはやや込み入ったレイアウトの中で、広さにしては多めの列車を駆るステージ。各駅で4色全ての客が登場し、出発した駅に即引き返して今乗せた客を降ろすという、よく考えると意味不明なことをする場面も出てくる。小世界内でのわちゃわちゃ感を楽しんでもらえればよかろうという一作である。
ゲームとしての解説は以上だが、このステージはXmas Dream Partyと密接な関係がある。色々と似てないだろうか?
題名の響きが似ている。線路の形状も何となく似ている。駅そのものに至っては配置が完全一致である。中央の広場のクリスマスツリーとプレゼント箱の配置もだ。そしてParadeの方の各所にある小さな燭台みたいなオブジェ! これらの位置はPartyの各所に立っている、大きな杖型キャンディの位置とこれまたぴったり一致する。
つまりどういうことか。Xmas Holiday ParadeとXmas Dream Partyは表裏一体で、PartyはParadeという現実の世界に対する夢の世界だったんだよ!! な、なんだってー!?
……いや、だったらどうしたという話ではある。100%完全な自己満足だ。両方を遊んだプレイヤーに「なんか似てるなぁ」程度に思わせることができたら御の字である。
No.15「CE2999 Train and Silent Rain」★★☆
No.16「The Road to Reconstruction」☆☆☆
「西暦2999年:列車と静かな雨」「復興への道」。
また順番飛んだ! という人へ、No.14は先のRedwood Territoryである。
前者はTrain and Silent Rainと韻を踏んだタイトルなので、訳すとしょぼくなるのはやむを得ない。
当時の(今も?)私の目標のひとつに、複雑かつ乗客ノルマが多い大作を一本作るというのがあった。大都会エリアの高難易度ステージ「Downtown Jam」のようなやつである。
またそれとは別に、Ghost Train(上のサムネで青緑の煙を噴いてる汽車)をメインに据えたステージを作りたい願望もあった。そこで思い付いたのが遺跡や廃墟を幽霊列車が走るという、都市伝説めいた雰囲気のやつである。
で、それら両方を満たすべく作ったのがCE2999 Train and Silent Rain。ポストアポカリプス気味に壊滅荒廃し緑に還りつつある都市に、雨のそぼ降る中を亡者の如く彷徨う時代錯誤の汽車。この汽車をいずれの駅からも隔離するルートは存在しないので、一般車両と干渉しないよう上手に駅を通過させる必要がある。
……という意図で作り始めたのだが、難しい。何よりスペースが全然足りない。何故Downtown Jamのようにいかないのか。それはエディタには縮尺を変える機能がないから。本編(原作)は縮尺をいかようにもいじれるから、広く複雑なレイアウトでも一画面に収められるが我々自作者はそうはいかない。というか一生懸命詰め込んでいる途中で気付いたのだが、これって構造がDowntown Jamを上下逆さにしただけじゃないのか。どうにかせねば。どうにもならん。
もう煮詰まって煮詰まったので、恥を忍んでこれで公開することにした。結果は低評価。まあ予想通りだ。予想通りだが悲しいものは悲しい。
……ところでこのステージの青駅と黄駅だが、ここに停まった後にどちらでも好きな方向へ選んで行けるよう、あえてこの2駅は客のいない無人駅にした。無人なので駅をボロいものにした(西部開拓エリアの駅)。あとフレーバーとして、画面の端っこに柵でHELPなんて文字を書いてみた。で、ふと気付いた。青と黄色のボロボロの駅……廃墟……HELP……
もしかしてこれはヤバイのでは? 何かを皮肉ってるように見えはしないか? 国際情勢的に? 私は世界規模で囲んで棒で殴られるのでは?
……と過剰な恐れをなした私は、大慌てでリメイクした。評価の挽回のためでもあった。
テーマを雨降る山林から平野にして陰気さを消した。UFOの残骸を置いてフィクション色を高めた。もちろんGhost Trainは廃止、代わりに「復興だ!大勢人集まれ!」とばかりに列車の数を増やした。題してThe Road to Reconstruction。
が、これも大した評価は得られず。いよいよスランプに陥ってしまった。
と、いうのが当時の心境だったのだが。この記事を書くにあたり2作品の評価を再確認したところ、CE2999の方はいつの間にかDL数が9になっていた。もうちょっと自信を持ってもよかったのかも知れない、という訳で当初★1のつもりだった評価から★2にランクアップ。手元にCE2999のデータが残ってなかったこともあり、サムネ撮影も含めてつい遊んでしまった。そのためDL数が今は2増えている。
一方Reconstructionの評価は低いままだった。まぁこっちは今見直しても順当に思える。列車5本は普通に多過ぎた。
No.17「Forgotten Village」★☆☆
「忘れられた村」。
こうなったら一度、リハビリのつもりで奇をてらわない普通のステージを作ってみたらどうか。ということでこんなのを作ってみた。
テーマはまたも山林。Living with Forest(Redwood Territory)もCE2999 Train and Silent Rainも未だ成功していない(当時の認識)。どうにか挽回したい。
貨車はない。追加車両もない。トンネルもない。あるのは3本の列車とやや狭めのレイアウトだけ。いや狭過ぎるかも知れない。だが何の張り合いもないステージでは楽しさがない。多分いけるだろう。
……そして普通のステージには、当然普通の評価しか付かないのだった。それともやっぱり狭過ぎて遊びにくかったのか。ともあれ及第点はならず。
というか傍から見たらネタ切れの作にしか見えないだろうなこれ。実際そのようなものだが。
No.18「Graduation Work」★★☆
「卒業制作」。
名前の通り最後の作品。いよいよモチベが衰えてきたので引退を決意し、その前にお別れのつもりでもう一作取り組むことにした。というより、ラストにやる予定で用意しておいたネタを実行した。
それは全11エリア――平野・雪国・クリスマス・農場・工業団地・南国・大都会・山林・中世ヨーロッパ・西部開拓時代・月面――の各テーマの素材をどこかに各1個以上使うというもの。南国とクリスマスが一画面外にはみ出てしまっているが、投稿ステージは何故かドラッグで画面を動かせるのでそれで確認できる。端っこに申し訳程度に収まっているのが。あと月面がかなり強引。
肝心のステージだが……コンセプト上ビジュアルを最重視してはいるが、それとは別にシンプルなレイアウトにもう一度挑んでみようと思っていた。だがシンプルだから手を抜けるというものでもない。実際今改めて遊んでみたところ、やけに列車同士がぶつかりがちな場面が多くストレスが溜まりやすいように思えた。こういうのも路線の構造次第なので……★1寄りの2というところだろうか。
ともかくこれにて、一ヶ月間の投稿ラッシュもおしまい。さらばConduct DELUXE!……となるはずだった。
だがならなかった。構想だけで作らずじまいだったネタがまだいくらか残っていたし、その後も新たなアイデアが色々思いついてしまったのだ。なので結局制作活動を再開するのだが……いい加減記事が長過ぎるので、続きはページを改めたい。