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番外編 耐震補強工事
2月21日
今日の日記は一昨年行った耐震補強工事について群馬県の大家の会の方向けにまとめてみました。
素人のまとめなので、間違いがあったらご指摘下さい。
1 耐震補強は何をするのか?
設計事務所が専用のソフトを使って建物の強度を計算して点数を出します。
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点数は評点という言い方で1.0以上なら一応倒壊しないという判定です。
1.0点に不足していれば1.0点が取れるような補強をします。
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補強についてはいろいろやり方があるようですが築古戸建の場合は筋交を入れるのと構造用合板で壁を補強するのがスタンダードみたいです。
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よく分からないですがこの補強を入れると1.0をクリアするようです。
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筋交用の材木は節がある物は補強に適さないと判断されるそうで、私はパワーコメリで一本一本確かめて購入しましたが疲れました。店の人にもちょっと嫌な顔されてたのではないかと思います。
また短い材木を継いでは強度が出ませんので1本4メートルの材木が必要になります。
4メートル物は普通に軽トラに積むと前に突き出しすぎで警察に捕まるらしいです。
パワーコメリの人にきちんと積み込んでもらえましたが。
知り合いの材木屋さんが言うにはホームセンターの材木は節が多かったり質があまり良くないとのことで確かに結構節が目立つ物が多かったように思います。
構造用合板も近所のパワーコメリで購入しました。
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金物は数が多いのでネット通販で購入しました。
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今検索してみたら50個入りで13000円ぐらいに値上がりしていますね。
2 工事費について
肝心のコストですが日本建築防災協会という団体が目安を出しています。
耐震補強の計算をしてもらった設計事務所でもらった資料です。
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この計算だと私の物件は
27000×(1.0-0.29)×115
となり約220万円になります。
今の単価だと多分300万ぐらいになるかと思います。
ただ、この計算は仕上げ工事も入っているようですね。
私の実際にかかった費用は設計事務所に33万円、工事に112万円でした。
工事は大工さんに直で頼んでいるので工務店に頼むよりは安いと思います。
とはいってもDIYでもできる内容かと思います。
材料代は今でも全部で20万程度で収まるのではないでしょうか。
ただし壁を壊して補強して仕上げ工事をするのでそこまで入れると大幅に金額は上がります。
耐震補強工事の多くは付帯工事や設備の新調が占めていると考えていいと思います。
私が行った物件は床壁天井全部やりかえて間取りもいじる状態でした。
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もちろん床は抜けています
それなら耐震補強するかと取り組めましたが、クロス張り替えぐらいで賃貸に出す物件を耐震補強するのはちょっと現実的ではないかなと思います。
3 おすすめできる耐震補強
耐震性のある建物を貸し出すのに越したことはありませんが賃料の安い物件でフルリノベみたいな事はできないのが現実ですし借り手もそこまで賃料を出せないでしょう。
それでも南海トラフ地震のように100%起きることが予測されている大地震もあることだし耐震性はできればあげておくに越したことはないでしょうが。
そうするとやはりやらなくてはいけない工事のついでに補強するのがいいと考えます。
今回行った工事では構造用合板についてはそのまま上からクロスを貼りました。
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築古物件だと砂壁の仕上げ工事がよくありますので外壁に面した砂壁があればそこを解体。
筋交を入れて補強して合板の上からクロスにするのであれば石膏ボードにしてクロスとそれほど価格差はなくなるのかなと思います。
もちろんDIY前提です。
穴が空いているような砂壁であれば補修しないといけないのでちょうどいいかなと思います。
とは言え耐震補強しても入居力につながるかというとなかなか難しいと感じます。
築浅物件は耐震性もいいし断熱性や気密性にも優れていますがそこまでの性能を旧耐震物件で作るのはいわゆる『新築そっくりさん』になりますので実需で再建不可の物件ぐらいではないかと感じます。
また設計事務所を入れると当然カネはかかります。
今回ご紹介した筋交と構造用合板の補強の方法を知っていればそれを可能なところに入れるだけでも耐震性は上がると思いますのでそれもアリかなと。
個人的な意見ですが、
東日本大震災を経験している建物ですので倒壊してなくても歪みはある可能性はあると思います。
耐震補強をしない場合でもフロアのレベルは見た方がいいと思います。
私の補強した物件は2階に大きい空間がありますがレーザーでレベルを見てもらったらビー玉が転がるのを遥かに超えた傾きがありました。
この辺りはしっかりみておいた方がいいのかなと思います。
あまり役立つかは分かりませんがこんなところで〆させていただきます。