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仕事で心が折れるまで。(仕事が辛かった時の鬱憤記録〜小説風〜)

はじめに

パソコンのデータ整理していたら、仕事の鬱憤を叩きつけた文章が出てきた。特定を避けるために諸々の情報をぼかしたら小説風になった。せっかくなので、供養として残す。

本文


2ヶ月前に、あっさりと30台になった。この年になると、特別喜ぶこともなく、あっさりとしたものだった。
仕事は、不調だ。最近のチーム事情は最悪だ。
大学を修士課程まで出た後、メーカーに技術職として入社して、これまで地道に働いてきたが、そろそろ限界かもしれない。
自分のいる課は10人で、その課が三つ集まって一つの部として統括されている。
最新製品を作る部にいて、かなり激しく残業をしているが、最近の働き方改革の影響でずいぶんと残業時間は減った。一時期は年間1000時間だった残業時間が、今年はサブ6協定の延長申請をしなくても良さそうだった。
そう、だった、のだ。
今年、チームの一人が過労で会社を休みがちになった。一人は結婚し、育児休暇をとることとなった。入ってきた新人は、二年連続であまり役に立たない。
2年前から就任した課長は、プレイヤーとしては非常に優秀だったが、マネージャーとしては下の下だった。人の気持ちは一切分からず、過労で休みがちになった人も、結局課長が追い詰めたことが止めになったように思える。
その上、今年から始まった、会社肝いりの一大プロジェクトがスタートしてしまった。最近のAIブームに乗っかり、なんとかできないか、というなんとも丸投げの依頼が、製品企画の担当である我々の部に降りてきたのだ。大学では音響工学の研究で、ほんの少しだけ機械学習に触れていた自分に、その御鉢が回ってきた。そこまではまだ良かったのだが、プロマネとしてアサインされた人間はマネジメントができず、フォローに走り続けた人が、過労で休みがちになった。さらに、市場調査と外注向けの仕様書作成担当だった人は育児休暇。その下で手を動かしていたはずの、1年目と2年目は、本当にただただ手を動かしていただけだったようで、何も物事を理解していたなかった。
このプロジェクトが、全てが、自分に。全責任がのしかかってきた。
自分で言うのもなんだが、自分は相当に仕事ができるほうだろう。毎年、年初からアサインされていた仕事をこなす側で、他の人が回しきれない仕事を引き受けて、毎年炎上プロジェクトを消化してきた。屈指のファイアファイターだ。

「働き方改革で、今年は楽になる」という望みは、プロジェクトの炎上で消え去ってしまった。

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