もう2匹の猫の物語
寒くなる前。
去年の2022年11月に彼女らに出会ってしまった次女。
当時の次女は、もはや人間ではなく、
毎日ゾンビでした。
大学の勉強が大変なのはわかる。
それ以上にZoomでやる勉強会を
仕切っていました。
自分の予定全てを捧げて疲れていました。
そんな時、2匹のノラちゃんが
すり寄ってきたようです。
私はいつもより娘の帰りが遅いなと
少し心配して、連絡をしたら、
「猫の餌持ってきてくれないか?」と、
次女が言うんです。
お水とカリカリをもって指定の場所に行きました。
おそらくメスのにゃんず。避妊手術はされていない様子。
さくら耳になっていないかった。
地域猫かもしれないし、誰かが餌をあげているかもしれない。
翌日から次女は、カリカリを鞄に忍ばせて出かけていました。
やっぱり誰も餌やりしてない様子だよと次女。
「保護したい・・・」
私は当時、コロナの後遺症でかなり疲労感が強く
保護しても世話は到底できない状況だったので、
すぐに二つ返事はできませんでした。
実際、先住猫の世話をしなかった次女だったし、
どうしたもんか?とも思いました。
でも・・・よく考えるとこれまでに次女が「~したい」と
強く言ったことがなかったので、
【もしかしたら、この猫ちゃんたちは
次女に何かを教えに来てくれたんではないか?】と思いました。
なので、
*世話は次女が責任をもってやること。
*里親を探すまでを自分でやること。
*お金は何とか協力するし、困ったことがあれば一緒に考える。
という約束で、保護することに踏み切りました。
でも、自分たちで保護するなんて初めてで、
子猫ならまだしも、どうやって捕まえれば・・・
次女は大きめの紙袋を持ち歩いていましたが、
そんな簡単に保護できるものでもなく、
ひとまずは、先住猫たちを保護してくれた
保護猫活動云十年のベテランの方に相談しました。
のらちゃんがいる場所をすぐに見に来てくれて、
近所の方の聞き取りもスムーズ。
近所の方の話だと、最近2匹が現れて、
ゴミ置き場を荒らしてしまうため、
2,3日前からネットを装着し、
猫がゴミをあされないようにしたばかりと。
餌をあげてる人もいそうにないとのことで、
保護しましょうの運びとなりました。
そして2匹入れる捕獲器も貸してくれると。
それでも初めての私たちには段取りもよくわからず。
保護したらその足で病院に行った方が、手間がないと
教えてもらい、近くの動物病院へ2匹の診察を
お願いするかもしれないと連絡を入れておく。
のらちゃん2匹を発見し、4日目には捕獲作業に取り掛かれました。
この捕獲が一番大変だから、数日かかると思ってねと
念を押されていました。
しかし、捕獲器を置いて数分で2匹ともすんなり入ってくれて
難なく保護。
まるで、保護されるのを待っていたかのようでした。
その足で動物病院へ連れて行きましたが、
まあ、私たち、先生にいきなり怒られる(苦笑
「なんでこんなでかい猫連れてきた?どうすんの?
しかも2匹一緒に入ってんじゃなんもできないよ」
私も次女も
「す、すいません・・・」と小さくなるばかり。
「飼うの?2匹も?ノミだ・ダニ駆除しかできないよ。こんな・・・」
って文句言われながらも診察しようとしてくれる先生に感謝。
しかし、1匹脱走。タイミングよく看護士さん、
隣の部屋の扉を開けてしまい、
ガッシャーン!!やら、「何やってんだ!!」と
看護士さんを怒鳴る先生の声
てんやわんやの初日でした。
帰宅し、無事に自宅のゲージに入ってもらうことになりましたが、
それから3日くらいは小さな箱に
ぎゅうぎゅうに2匹入って、
身体をくっつけて恐怖に耐えていたのでしょう。
1匹はおそらく猫風邪をひいていました。
2匹で身を寄せ合っていたので、
もう1匹にも猫風邪がうつったと思います。
どうすることもできず、
とにかく食べてもらい、体力をつけてもらうことに徹しました。
避妊手術後、2匹とも猫風邪の影響で
3日間は危険かも?と先生に言われました。
それでも2匹寄り添って痛みに耐え、
抗生剤を飲ませることで
猫風邪も完治し、何事もなく元気になっていきました。
その後はご飯、トイレに箱から出てくるものの、
ゲージから出てこないこと2か月。
ようやく、年が明けて出てきてくれて
いよいよ里親探しの時期が近づいてきました。
次女が自分でやると言っていたため、
しばらく様子を見ていましたが・・・
全く、動きがない。
そこで、また保護猫活動云十年の別の方に相談し、
昔ながらのやり方と、
今どきのやり方を教わる。
2匹がとても仲良しだったので、
2匹一緒の里親さんが見つかりますようにと
心の中では祈っていましたが、残念ながらそれはかなわず。
それでも1匹ずつ
無事に里親さんは決まりました。
明日、引き渡しが終われば任務は完了です。
保護して3か月。
心なしか次女は寂しさがにじみ出ていました。
先住猫たちも、匂いが薄らいだことを感じ取っている様子。
次女へのまとわりつき方が優しい。
そして、次女の先住猫への触れ方も優しくなっている。
3か月大変な時もあっただろうけど、
ほぼ毎日お世話をし、
人間とは遊べるんだって思ってもらうまで
慣れさせた次女。
本当によくやったと思う。
成長したね。
宇(ゆう)ちゃん、宙(そら)ちゃん、
次女を成長させてくれてありがとう。
それぞれの里親さんのところで
たくさん可愛がってもらって、
幸せになってね。
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