見出し画像

「走っちゃダメ」は、あいまい言葉な話


以前、指示語は数を見る話をしました。



一度にたくさんの指示があるよりは、一つの指示に対して、ワンアクション。の方が伝わりやすいこともあるよ。という話でした。


実際にやってみて、効果があった方がいらっしゃるといいな。と思いつつ、
今日は、指示語はあいまいではなく、的確に。という話をします。

指示語には、子どもに伝わりやすい言葉と、伝わりにくい言葉があります。
「ちょっと待って」「ちゃんと見てね」
「あっちにあるよ」「それとって」
「あそこで待って」
日常的にというか、反射的に(ほぼ無意識に)使うことが多い言葉ではないでしょうか。

大体この言葉を使うときは、何か手を離せないとき。つまり、子どものもとへ行けないとき。
指示が分からなかった子どもは、
走り出す。騒ぎだす。喧嘩などトラブルがはじまる。ダメと言ったことを繰り返す。
という悪循環が始まることが多いです。

手が離せない場面でこれは、
大人も冷静になるのは難しいので、
「あぁ、もぉ!!」と、悪循環になっていきますよね。

実は、この言葉を言い換えるだけで、困った感や伝わらない感、悪循環が激減することがあります。

この言葉の共通点は、「あいまいさ」です。
曖昧な言葉は、言葉や感覚を獲得途中である子どもたちにとっては、難しい言葉なのです。

また、もちろん個人差はありますが、どこかに困り感のある子どもたちにとっては、さらに難易度が高い感覚であることが、多いのです。

曖昧を、具体的にしてみましょう。

  • ちょっと待って→これ終わったら聞くね(どれくらいを具体的に)

  • ちゃんと見てね→何が起こるか、ここを見てて(どこを見るか具体的に)

  • あっちにあるよ→砂場の赤いかごの中にあるよ(どこかを具体的に)

  • それとって→机の上にあるスプーンとって(何を具体的に)

  • あそこで待ってて→緑のマットの上で待ってて(どこでかを具体的に)

さてタイトルにあった「走っちゃダメ」これは、曖昧さはないように感じます。
しかし、この言葉には、
「走らなければ、どうしたらいいの?」
がないのです。
「走っちゃダメ」と言うよりは「歩こうね」と言った方が伝わるのです。

伝わらないと感じるとき、自分がどんな言葉を無意識で使っているのか、一緒に働く先生と気にかけあってみてください。
じわじわと伝わりだすことを感じられますよ。



いいなと思ったら応援しよう!