寄りかかると言うよりもたれる


よいこらせと生活環境を変えたところ、
生きる力がひよこ状態、いや生まれたて、
いやいやまだ殻をかぶっております。
大丈夫です、任せてくださいな。
成長は早い方です。
(と思った方が勝ちだと思っている節はある)

私が何年かの社会人生活で身につけたことは
・わからないことはすぐに聞け
・できないことは得意な人に聞け
・1人でやらない、任せられることはお願いする
の3点です。

私の頼れる友人たちは皆様すぐに
こうしたら、ああしたらと意見をくださいます。
ありがたいことです、そしてみなさん大変優秀。
生活の知恵のあれやこれやを授かっております。

さて、私には
筋力全般において頼もしい人がいます。
マイブラザーです。
この度は家電の移動のお願いでお呼びしました。

さてさて、移動も終わり、お礼にご飯でもと
申し上げると、もうすでに食べた後だと。
おやおやまあまあと、とりあえずお菓子(賄賂)を差し上げます。

用事は済んだので、米でも炊きますかと
炊飯器のスイッチを押します。

……静寂。
炊飯器はうんともすんともいいません。

マイブラザー、私の絶望的な表情と状況を察して、
『…簡単なパスタなら作ろうか?』と申し出てくださいました。
地獄に仏とはこのこと。丸投げします。
ええ。文字通りです。
夕食作りをマイブラザーに一任です。

ブラザー『……菜箸は?』
私『そんなものはございません。キリッ』

主要なものはなく、よくありがちな洒落こいた
アイテムばかりあることを嘲笑されながら、
静寂を貫いた炊飯器もこっそり米を炊いたところで
私のためのブラザー作おしゃパスタの完成です。

美味い。
マイブラザー、筋肉があるだけでなく、
料理の腕前もピカイチです。
私が食べ終わるのを見届けて、
ブラザー帰宅のお時間です。

ぽそっと、『オムライスでも作ろうと思ってた』
の一言を私が聞き逃すわけがございません。

そそくさと部屋の隅の紙袋を漁り、
物を取り出します。
『ブラザー!ここに!弁当箱があります!』

お察しの通り、翌日のお弁当はオムライスでした。
ちょっと卵が半熟で、くるくるしてるあれです。

1人でやろうとしない、
できそうなことはお願いする。
社会人の鉄則です。

今日も今日とて、
人にもたれかかって生きています。
ありがとう、マイブラザー。ありがとう、筋肉。

いいなと思ったら応援しよう!