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2022年、統合失調症の薬物治療ガイドラインを改定。患者さんの声に耳を傾けるー。

こんにちは、翼祈(たすき)です。
統合失調症とは、健康な状態の時には出なかった状態が表れる陽性症状と、健康な状態の時にあったものが損なわれる陰性症状の2つの症状があります。 陽性症状の典型的な症状は、妄想と幻覚の大きく2つです。 幻覚の中でも、周囲の人には聞こえない声が聞こえてくる幻聴が多く見受けられます。 陰性症状でも、感情表現が限られてくる、意欲の低下などが見受けられます。

それ以外では、不安や不眠、抑うつなどの症状が表れることがあります。

そんな統合失調症が、2022年に新ガイドラインが改正されたのをご存知ですか?

統合失調症の治療方針を決定する時に参考にする専門家向けの「薬物治療ガイドライン」が2022年に、7年ぶりに改定されました。精神科領域のガイドラインでは初となる、作成の段階から患者さんやそのご家族が参加しました。

2023年2月には内容を理解しやすく解説したガイドも公開されました。医療現場で医師と患者さん達がコミュニケーションをスムーズに深める資料となることに期待が持たれています。 

今回は統合失調症の新ガイドラインのことについてお伝えします。

統合失調症の新ガイドラインの詳細

新ガイドラインは、日本臨床精神神経薬理学会と日本神経精神薬理学会が総括しました。およそ3年かけた作成会議では、医師には常識の話でも、患者さんが疑問に感じていることが複数も判明しました。その最多となった質問が、最初の会合で患者さん側から発せされた「抗精神病薬って本当に効果があるんですか?」という問いでした。患者さんの統合失調症の治療薬への複雑な心境が垣間見られました。このことを受け、新ガイドラインではまず抗精神病薬の有用性が1番始めに扱われました。

それ以外にも患者さん側からは副作用に対する懸念や、治療と日々の暮らしの両立の悩みなどが次々と質問され、新ガイドラインはそうした疑問に1つずつ回答する形式となりました。

精神疾患の当事者で構成された、神奈川県横浜市にある「横浜ピアスタッフ協会」のメンバーの女性は妊娠中の服薬を飲むべきか飲むのを止めるべきかにとてもこだわりました。治療薬の添付文書に妊娠している中の服薬は控えると記載があったからでした。新ガイドラインは最新の知見を押さえ、子どもの神経発達が遅延するリスクはないとし、妊娠中も服薬が望ましいと回答しました。

同「横浜ピアスタッフ協会」のメンバーで神奈川県大和市議の男性は、統合失調症の安定期での減薬の可能性に関連する議論が印象に残っていました。少しでも治療薬を少なくしたいと考える患者さん側の意見です。科学的根拠では治療薬の量を維持していくことが推奨とされましたが、一定の条件で「減量を試す価値があるかもしれない」との記述も加えました。

医師の委員として新ガイドライン作成に参加した北里大医学部精神科学主任教授の稲田健さんは「この様な記述は誤解を生じるとか、科学的根拠上は記載すべきでないという意見もありましたが、新ガイドラインをベースに医師と患者さんが治療方針に関して納得がいくまで話し合って頂けたら」と説明しました。

参考:統合失調症 薬物治療ガイドライン改定 効くの?患者の疑問に答える 東京新聞(2023年)

統合失調症の症状や経過する推移は個人差が大きくあって、新ガイドラインの内容が該当しないケースも少なくありません。このことを受けて、今までは現場に携わる医師から「ほとんど役に立たない」との声もありました。

稲田さんは「新ガイドラインは統合失調症の治療方針のたたき台です。より適切な治療を施すための参考にして頂きたいです」と主張しました。

次回のガイドラインの改定では、救急医療や非薬物治療なども含んだインクルーシブな内容にすることが検討されているとします。

私と統合失調症。


私が働く前に通っていた通院する病院の中のデイケアで、よく話していた人が統合失調症で、「よく特に幻聴が酷くて、ずっと聞こえてきて、困っているんだ」と話していました。

当時主治医が同じで、その主治医がその人に「そろそろ働いてもいいんじゃない?」と言われたらしいのですが、「私が働けるわけがないじゃないですか!まだ全然体調も良くないし、症状も悪いし」と言って、頑なに拒否したという話も聞きました。

私は統合失調症ではありませんが、発達障害と診断される前に統合失調症だと言われた時がありました。

今でこそ電車通勤していますが、私は20代前半の頃電車に乗れませんでした。電車に乗っていると、統合失調症の様な、人の視線が気になり、「あの人が陰口言ってる」とか、「あの人が私を睨んでいる」とか、診断を受けていないのに、精神状態が悪すぎて、そういうところがありました。

電車には発達障害というものを私の中に落とし込んで、理解して行って、症状が安定して行ったら、普通に乗れる様になりました。

私は今はデイケアに行っていないので分かりませんが、「あの人は今どうしているだろうか?」と、この記事を書いて、そう思いました。


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