玻璃金乃光景 11~15
※ カクヨムに投稿したものと〃内容のものです。
11.泡立て器の航海
シフォンケーキと世に出るまでの過程が楽しみなんだ。
怖い位に当たる宝籤の高額予想は結果論ではないから。
落ち着いて考えれば幸福の手に入れ方は分かるよね。
誰も悩んでも苦しんでもないと知れば世界平和です。
コントロールしたい欲求は自己不全が原因です。
褒められたいのは自分を楽しんでませんね?
見止められたいのはやるべきことをしてないね?
比べることばかりして上を見て凹むのは意味なくない?
社会的な役割や義務に従事して成熟した心算の人達が、
どこまで経っても未熟な子供でありますからね。
批判しかしてないのは清美ちゃんじゃなくて君達なの。
後悔先に立たずって言うから、頼むから救世などしないで。
魚釣りだけが楽しみで創世記では、アルバイトすら要らない。
子連れの夫婦が通り過ぎる、途端に過(よぎ)る一縷の恐怖。
それは一重にキミの劣等感とコンプレックスだ!
触らないでそんなこころではね、純粋に戻るまでは帰さない。
そうならない為に活動しているだけなのであります。
君達が長い夢から覚めて駄目で不正常な悪人の芝居を終えたら、
今度こそみんなで野外キャンプでバーベキューとカレーで締めよう。
小学校の同窓会が迫っている…金箔よりも快いと分かるからね。
12.続かないプロセスの仕掛け
やるべきことを為し終えたのなら、生を終える。
それが人間として当然の義務であって宿命である。
それが忘れられた現代を悪いとは言わなくてもまやかしである。
孰れ、全ての終わりはやって来るのだから、後で落胆するだけ。
虚は単なる飾り言葉でも衒学的な表現でもなく真実である。
死は只、向かい合うべき対象であり、私達の運命である。
無は宗教や哲学の戯れではなく、現実的な実体である。
空は観念的な言葉遊びではなく、この世界の実態である。
だから、あの子と別れたのは偶然ではなく、時期を逸失していたから。
廻りの子達があなたに親しげに寄って来るのは、あなたは善良だから。
知らない振りも出来ない振りも已めたね、正直なら好かれるのだから。
覚え立ての知識と技術が虚栄を売らなくなった刻の成熟の安らかさだ。
あわよくば、どんな世界も知らないで下さい、死後のお楽しみなんだ。
何もかも孰れは泡沫夢幻と消え去ってしまう世界でも、一時でも生を。
諸行無常も諸法無我も涅槃寂静も色即是空も、嘘ではないのだからね。
さぁ、もういいだろう、全てを知ったのならば、一瞬でも活きなさい。
13.最果ての鉱
贅肉に及ばされたあなたは少しだけ、笑っている。
人生の苦悩を吹き消して、訪れた幸せの中で安らいだ。
換わらないこころを見付けられたのなら、これからずぅっと幸せだ。
だから、わたしは安心して睡っていられるのです。
自己保存、自己肥大、自己中心、そうじゃないよ。
自惚れている訳じゃないけど、そう見えるのなら原因を断とう。
あなたが悪く見られるのは、一緒にいる悪人や悪霊達が原因だ。
彼らを浄霊することだけが急を要することなのだ。
怖くて見えない悪と闇は、一瞬の幻惑だから見失わないで。
こころを保っているのなら、一切の悪夢は孰れ終わるから。
束ねられた光や力を信じられる様になるまでは、出られない。
そこに有るものしか見ようとしないのなら、故郷に帰れない。
あわよくば、あなたの為に…そう言うのは何の為ですか?
新しい世界に順応出来ない君達は、昔の記憶さえも大事にしてない。
誰でも君でもわたしでも、ずぅっと永遠に生は続くのだから。
だからどうか、知っている出来る偉い振りなどしないで、
素直に弱くて怖がっている所を、私達に見せて共に歩ませて。
14.上昇する落陽
当り前のものが大事だと言うけれど、それは道徳や常識のことじゃない。
大切なものは人間としての、そう動物や生物としての感覚のことだ。
それが分からずに老害を撒き散らしていた彼らになど、負けたくはない。
思う所があって去ったあなたは、誰よりも正しい選択をした。
皆がそうやって、誰にも理解されずに世を去って行く。
そこでこそ、逆説的に全ての人間と出会える通路を歩いているのだ。
だから、ほんとうは寂しかったとしても後悔はなかった。
負けたくはない、失敗したくはない、間違えたくはないという。
けれど、敗北や失敗そして間違いなど世界のどこにもないと知る。
換わらずに生きていた君は少女のままだと皆が言う。
「その少女って呼び方、止めにしない?」と君が云う。
わたしは謂うのだ、「少女って言うのはそういう意味じゃないよ」。
ひとまず旅は一旦終了にこれからなって行きます。
長い苦悶と苦痛の日々でしたから、これからの余生は安泰だ。
そうやって、皆がバランスの取れた人生を送っている。
代わらない人生を不満に思っても、普通の毎日も悪くないさ。
15.生きている現在が楽しくても、
それは終焉に向かうまでの一瞬の錯覚です。
何もかもが終わると言われる昨今ですが、贅沢豪奢を極めても、
酒色に溺れてみても、精神性や霊性を求めても、神への信仰に身を投じても、
誰かや何かを思ってあいしてみても、幸福や喜びを求めても、
虚栄や虚飾に縋ってみても、結局はかみさまとさとりの真実は其処にあります。
「虚無や空、絶対無とは仏教論理の産物であり観念の遊戯に過ぎない」
そう宣う馬鹿人間には困ったものですね、アナタもそう思うでしょ?
誰だって、総てが亡くなり失われ、"死"に還ることを、ほんとうは知っています。
だから、それが分からないどうしようもない人間には、困ると再び言います。
君達は、"彼女"が守って呉れると思ってるんでしょう。
そう、護って呉れますよ、だからってキミたちや彼女は永遠不滅ですかね。そんなことはないのですよ、諸君ら大衆も可愛い女の子やハイスペックヒロインも、
盛者必衰、生者必滅、諸行無常、汎(すべ)ては死に絶える宿命ですから。
だから、もう下らない傲慢さや欲望で刻を潰していないで、
永遠に全てが終わりを迎えるという、その宇宙的な「真実」に、
身を投じてこころを傾けて、目で視て耳で話を聞いてください。