『私は「”忙”しい」という漢字が一番嫌いです』と言われたお話し。
先日、クロアチア人で日本語翻訳家としてお仕事をされている方に会う機会がありました。
なぜ日本語を勉強しようと思ったのか、そのきっかけをお聞きすると、「日本人観光客の方とお話ししてみたい!」と思ったからだそうです。
友人に日本語の本を借りたり、日本人の方に直接話しかけてみたりしながら独学で勉強して、日本行きの片道切符だけ握り締めて数ヶ月間日本に滞在したそうです。
とても情熱的な方だなと感じました。
その方に日本語の書類をお渡ししたのですが、漢字はスラスラと読むことができるので、さすがだなと思いました。
「クロアチアはどうですか?」と聞かれたので、
「穏やかに時間が流れている感覚なので、平和な気持ちでいられます」
と答えると、
「そうですよね。日本は何かと”忙しい!忙しい!”と急いでいますよね。私はこの『”忙”しい』という漢字が1番嫌いです。この漢字はどのように成り立っていますが?…そうです、”心を亡くす”と書きますよね。だから、ずっと忙しいのは良くないと思います。」
そう言われて、私もハッとしました。
私自身、毎日予定がぎっしりで時間に追われている方が好きなので、クロアチアにきてからなんだか物足りなさを感じる時もありました。
しかし、彼女は「こうやって人とゆっくりお話しをする時間の方が、ずっと大切だと思います」ということを聞いて、ただただ忙しくしていると、小さな幸せや人とのご縁の偉大さを忘れていまいがちになるなと、改めて考えさせられました。
クロアチアの方はおしゃべりが大好きな方が多く、道端で立ち話をしている人たちをたくさん見かけます。
素直で、まっすぐで、純粋な方が多いこの街で、これからたくさん良い出会いがありそうな、そんな予感がしてきました。
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