イラスト制作のあれこれ アイデア集めに欠かせない意識の話

絵描き、デザインに携わる人にとって、制作のためのアイデア、インスピレーションは必須だと思います。
何を描けばよいかわからない、という声はよく耳にしますし、
私も最近まではそんな感じでした。

最近は自分なりに工夫をして何かを描く際に「アイデアがない」と思うことはない状態です。
むしろアイデアがあふれていて、時間が足りないぐらいです。

そうなるまでに心掛けたことを自分用の備忘、振り返りという意味も込め、書いていきます。


どんなインスピレーションを集めるか

XやPinterest、Pixivなどでのアイデア収集は制作をする方であれば常に心掛けていることかと思います。
しかし同じ情報収集でも漠然とやっているのと、欲しいものの目星をつけて進めるのとでは全然効率が違います。
特に私のように、フリーランス道を邁進していく人間にとっては時間は財産ですし、自分より上手な方ののイラストを長時間見続けるのはメンタル的にキツイものでもあります。
そこで、情報収集の質を上げて効率よくインスピレーションを集めてしまえるよう、以下の基準で収集するようにしています。

「身体」がいいなと思うもの

好きなイラストをいいねする、ブックマークする。
これは誰もがしていることで、基本のキかと思います。
しかし、自分の本当に好きなものを自覚する、というのは実はとても難しいことだと最近気づきました。
感情は体で感じるものです。直感ともいえます。自分の直感を大事にしないと本当に好きなものが見えてきません。
「頭」ではなく「身体」で感じていることを拾うことが重要です。

私は生活の中で自分の直感、感じていることが分からなくなることは結構あります。
特に日々の雑務など楽しくないこと、自分らしくないことばかりをしていると、自分が何者か、何を好きと感じているのかを見失いがちです。自分の身体、つまり直感から切り離されているような状態です。
そんなときは、心から好きでないのに、
理屈をこねて好きと思い込んでいるものや、
他人がいいと言っていたもの
に注目してしまいがちです。

たとえば私は街並みや街明かり、生活感のある風景がメインの関心なのですが、SNS上の声や自分の思い込みに惑わされ、キャラ絵や解剖学的なノウハウばかりフォローしていた時期がありました。

そういった間違いを避けるため、私がインスピレーションを集めるときはまずは無心で、体の感覚に集中することを心掛けています。
具体的には
・コメントなどの反応は読まない。
・頭で考えない。
・イラストや写真を見た時の身体的な反応を見逃さないようにする。
(ぞわっとする、体が軽くなったように感じる、手汗が出る、瞳孔が勝手に開く、呼吸のリズムが変わる)
などです

上記のような状態を作るために、インスピレーション収集の際は
・片手間で「ながら見」はしない
・一人で落ち着ける場所で閲覧する
・始める前に瞑想や深呼吸をする
・コメントや文章に惑わされないよう、画像を自分のデバイスに保存してからまとめて見る。
を心掛けています。

こういった形で目に留まったもの(比喩ではなく、無意識な目の動きも大事)をどんどん保存、アーカイブしていきます。

そうしていけば、ありのままの自分が好きなことが見えてきて、そのあとのインスピレーション探しがやりやすくなります。
自分の直感に耳を傾けることは最初は難しいですが、継続していくとすぐにその状態に入りやすくなっていきます。

自分の表現の幅を広げる、上達するうえでは頭を使い、ものごとを「言語化」することも大事なのですが、ここではまだ無心でいることをお勧めします。
言葉は思考そのものです。
初めから言葉で考え始めると自分のものでない言葉、これまで自分に繰り返してきた本心でない言葉に惑わされてしまうからです。

見ていてつらくなるもの

自分より上手な人のイラストを見続けるのはつらいものです。
私も自分の心を守るため、一度のSNS閲覧は数分~30分に留めています。
ただ、こういったつらい感情は上達、前進には避けて通れないものです。
見ていてネガティブな感情や嫉妬をおぼえたイラストはすべて保存し、フォルダにまとめています。

ここでも、自分の身体の感覚に注視してきます。
・おなかや胸の奥が重くなる
・呼吸が乱れる
・ため息が出る
・眉間にしわが寄る
・体が硬くなった感じがする

こういったサインを見逃さず、受け容れます。
いやな感情、感覚は避けたくなるものですが、
自分がこういったいやな感覚を体感したことをまず受け止めることが大事です。

注意点として下記も大事にしています。
・長い時間やりすぎない
・気分が落ち込んできたらやめる
・いやな感覚の理由をその場で分析、言語化しようとしない

落ち込んだときにあれこれこ考えるのはあまり良い結果を招きません。
好きなものを集めているときと同じく、その時は自分の体の状態を自覚するにとどめ、「言語化」時間を開けて落ち着いてやるべきと思います。

最後に、自分の直感に従って収集したイラスト、写真などはまとめて見返せるよう、フォルダ分けしておきます。
改めて見返して分析、言語化をして具体的なアクションやラフに落とし込んでいくためです。
感情は決して理性や思考と切り離されたものではなく、自分が無意識的に考えていること、判断していることを伝えてくれています。
冷静になってから集めたイラストや写真を分析すれば、いつも自分の自信のない部分が見えてきます。
こういったステップは次回以降の投稿で共有できればと思います。

今回は以上になります。

最後に、ここまで書いておいてなんですが
上記は私の体験をベースに描いているものなので、
ぜひ読むうえで私のことも少し知っていただけたらなと思います。
初回の自己紹介投稿も未読の方はぜひ読んでいただけますと幸いです!
以上、お読みくださいありがとうございました!


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