夏秋イチゴは儲かるのか
一般的な冬イチゴといろいろ比較してみます。
収穫量
冬イチゴの場合、農林水産省によると2021年の全国平均は10aあたり3,440kgだそうです。いちご大国栃木県だと平均4,790kgだそうです。
一方、夏イチゴは品種によりかなり差がありますが、10aあたり平均2.5tぐらいではないでしょうか。調べてもあまりデータがありません。6t 超えなんて神様みたいな方もいらっしゃいますが。
つまりだいたい冬イチゴの半分強といったところと思っています。
価格
次に価格。売り先・売り方によって大きく変わるの当然ですが、
冬イチゴは概ね1Kgあたり1000円ぐらいでしょうか。年内やクリスマス需要期には値段は跳ね上がりますが、春になるにしたがい価格は落ちていきます。
一方夏イチゴは1Kgあたり1800円ぐらいです。10月が一番高くなります。
まとめると、夏イチゴは冬イチゴに比べ、収量は6割ほどで価格は倍まではいかないかなといったところです。
苗代
イチゴは栽培期間中に発生する「ランナー」を伸ばし、苗を得ることができます。
冬イチゴの多くは、ランナーを得るための親株を購入し、その親株から発生したランナー苗を採苗し、秋に定植します。親株は購入する必要がありますが、発生した苗には自由に使えます。親株1株から50本くらいは苗が取れます。次年以降は、自分で採った苗から増やしてもいいし、親株だけまた買う方法もあります。
一方夏イチゴの多くは、民間の企業が販売しているため、自家増殖が禁止されているものが多いです。ランナーは発生しても、その苗を来年用に使ってはいけないということです。植える株数が5000株ならば、毎年全数分の苗を買わないといけないということです。これは大変なコストです。
まとめ
総合的にまとめると、冬イチゴにくらべ夏イチゴは
価格は1800円/キロと倍近く
収穫量は 1.5t ~ 3t と約半分
暖房費はかからないが、苗代がかかる(場合が多い)
当然人によって意見は分かれると思いますが、私は夏イチゴには大きな可能性を感じます。夏イチゴは冬イチゴにくらべれば、全国の生産量はおそらく2%程度だというデータを最近見ました。
しかし当然、夏場にも業務用を中心にイチゴの需要は多いのです。栽培技術的にも冬イチゴよりまだまだ研究・改良の余地があります。平均収穫量はまだまだ上がっていくと思います。一方、基本的に夏季冷涼な場所でしか栽培できず、温暖化の影響もあり、猛暑や長梅雨の年ではその影響を大きく受けます。寒いのは暖房焚けばよいけれど、暑いのはどうにもなりません。
ちなみに朱りファームのイチゴの価格は 2000円/キロ を超えます。これは規格外品や2Sサイズの小粒、冷凍イチゴなども商品化してキッチリ売る結果です。また収穫したイチゴの廃棄率は1%未満です。出荷経費は約13%です。
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