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夏イチゴの害虫と天敵利用

 イチゴ栽培における二大害虫といえば、ハダニとスリップス(アザミウマ)です。
 夏イチゴの場合、栽培期間が温暖な時期のため、冬イチゴに比べて害虫の増殖スピードが速いため、被害も大きくなりがちです。

 近年、化学農薬による抵抗性・耐性の問題や、人体への健康被害回避などの観点から、生物農薬(天敵農薬)がかなり普及してきています。イチゴにおいても積極的に利用している生産者も多くなってきてはいますが、夏秋イチゴの生産現場では、現状は上手に活用するのはかなり難しい印象です。

 前述のとおり、代表的な害虫はハダニとスリップスですが、特に問題なのがスリップスです。ハダニはミヤコカブリダニでうまく防げることもありますが、スリップスはスワルスキーカブリダニでも抑えるのはかなり難しいです。
 天敵農薬は高価です。とにかく夏はハダニもスリップスも増殖速度が速く、天敵を導入した場合、ハダニやスリップスが散見されても、「せっかく高価な天敵を入れたのだから・・・」と手をこまねいているうちに大増殖してしまい、しかたなく ”天敵にも効いてしまう” 化学農薬を散布して、天敵もろとも皆殺しというパターンになりがちです。
 生産者としては、二度三度こういうことを繰り返すと、もう天敵は使いたくなくなってしまうのが現状です。

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