2社目を退職した話
新卒からお世話になった会社を辞めて転職した先は、人材派遣会社。
契約社員の処遇だった。
派遣先がなく、結局、実績のある分野を頼りにするしかなかった。
今思うと、なにか違う仕事がしたかったんだろうが、都合のいい話はそうそう転がってなどいない。
化学分析を続けることになった。
特定派遣。
当時はそう呼ぶ区分があった。
派遣先が派遣元に支払う金額は、一般派遣より高かったようで。
あなた高いんだから、それほどでもないねなんて評価にならないようにね、といった趣旨のことを、派遣先から言われた記憶がある。
記憶なので脚色しているかもしれない。
前職と同じ業界で働くこと1年半。
残業90時間になにかおかしいという思い、責任とお金の問題が頭をもたげてきたことや、もうこの業界はいいかな、というある種の飽きから、その後、化学分析ではあるけれども、違う業界に渡った。
食べていかなくてはいけなかったので、提示された次の職場に不服は申し上げていない。
ただ、興味はなかった。
まぁ、1年くらいでやめてもいいよね、なんてことを考えながら、新しい派遣先の門をくぐった記憶がある。
やはり、前職に比べると、気分的には楽だった。
状況が少し変わったのはいつごろだったか。
定かではない。
派遣先で正社員になる道はないと聞いたことや、自分自身の結婚を意識しだしたことが関係しているとは思う。
「今の状況だと、復職後の派遣先を用意できる保証がないので……」
リーマンショックの余波に翻弄されていた頃のこと。
確か、産休育休をとることができるのかを質問したように思う。
答えは要するに、休みとるならそのまま辞めてね、ということだ。
悲観的に受け取っていただけかもしれないが。
その後に少し間はあいたかと思う。
結果的には、退職します。
そんな流れだった。
そしてどうなったのか。
派遣先の入社試験を受け、正社員としてお世話になることが決まったのだ。
余談だが、派遣元に雇用されているが派遣先がない状態のとき。
つまり暇だった時のおかげで、公害防止管理者(水質)と環境計量士を取得できた。
運であれ、モル計算もできなかった小娘にしてはよくやったと思う。
誰かほめてほしい。
なお資格は一度も活用されていない。